極私的映画案内

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ツイン・ピークス The Return Episode 3 〈第3話〉

EPISODE 3


■廃墟のような建物

例のニューヨークのビルからデイル・クーパーが飛ばされた先は廃墟のような建物のベランダらしき場所。
そこから見えるのは穏やかな、
でもどことなく不気味な海。
(あるいは湖?それとも川?)
窓から建物の中に入るクーパー。
暖炉の炎。
ソファに座っている女は目を塞がれている。
クーパーに手を差し伸べる女。

「ここはどこだ?どこなんだ?」

女はクーパーに何か伝えようとしているが、
言葉にならない。

その時、激しくドアを叩く音が。
女は声を出さないようクーパーにジェスチャーで伝える。



クーパーは壁のプレート(小さなドア?コンセントの差込口のようなものがある)に気付く。
そこには15という数字が。
クーパーが近づこうとするのを必死で止めようとする女。
彼女は梯子を登りクーパーを建物の外に誘導する。
しかし、外へ出てみるとそこには満点の星空。
クーパーがいたのは宇宙に浮かぶ箱のようなものだった!
女は更にクーパーに何か伝えようとしているが、
彼にはまったく理解出来ない。
女は建物の上の大きな突起にあるレバーを押し下げると全身を痺れさせ宇宙空間に投げ出される。
一人残され途方にくれるクーパーが周囲を見回すと、
ガーランド・ブリッグス少佐の顔が星空に浮かんでいるのが見える。

Blue Rose
青いバラ

少佐はこう呟くと静かに消える。

どうすることも出来ずにクーパーが部屋に戻ると、
先ほどのプレートの数字がに変わっている。
暖炉の前のソファには別の女が座っている。
彼女は振り返ってクーパーを見ると腕時計に目をやる。
時刻は、PM2:53
突然デスクランプが灯る。

※建物の中に入ったクーパーが最初に会う目を塞がれた女(Naidoという役名になっている)を演じているのが日本人キャスト裕木奈江さんなんですが、目が塞がれているので正直誰だかわからない。。。
宇宙空間に消えていってしまった彼女にこの先のエピソードで再登場はあるのか?


■とある・ハイウェイ。バッド・クーパーの車の中

ブラックロッジからクーパーが覗き見たバッド・クーパーの姿。
どこかへ向かって車を走らせるクーパー。
車内の時計は、PM2:53
アップになるシガーソケット


■廃墟のようなビルの室内

クーパーがのプレートに近づこうとすると、
火花が散る。
ソファに座っていた女が立ち上がり言う。

When you get there…
あなたがそこに着く時には
you will…
あなたはもうー
already be there.
すでにそこにいるだろう

プレートに引き寄せられるクーパー。

(一方、バッドクーパーも身体に異常を感じていた。)

再び、ドアを激しく叩く音。
女が叫ぶ。

You'd better hurry…
早く!急いだほうがいい
my mother's coming.
私のママが来る

クーパーの身体は煙になってプレートの差込口に吸い込まれる。
後には靴が残される。


■とあるハイウェイ。バッド・クーパーの車の中

いよいよ身体に異常をきたしたバッド・クーパーはまともに運転することすら難しくなっている。
車は横転。

嘔吐をこらえるバッド・クーパー。
アップになるシガーソケット
目の前に出現する赤いカーテン


■ラスベガス郊外の住宅地

一見、郊外の新興住宅地の趣きだが、
人気がなくどことなく不気味。
一軒の家の中にはクーパーそっくり(でも、髪が長く太り気味)の男ダギー・ジョーンズが黒人の娼婦ジェイドと情事の後らしき雰囲気。
どうやら空き家を情事に使っているらしい。

「ダギー、左腕、どうしちゃったの?」
「さあな、多分痺れてるんだ。ビリビリする」
「あたしも痺れちゃった、シャワー浴びてくる、いい?」

ジェイドに金を払うダギー。
左腕の自由が効かない様子。
ダギーの指には、テレサ・バンクスがはめていた指輪。

突然、何かに弾かれたように座り込むタギー。

(一方、バッド・クーパーも必死に嘔吐をこらえている)

こらえきれずに嘔吐するダギー。
目の前には赤いカーテン
雷が落ちたような音と共に姿を消すダギー。

(バッド・クーパーもこらえきれずに嘔吐するが、
赤いカーテンは消え、バッド・クーパーは気を失う。)


■ブラックロッジ

赤いカーテンの部屋。
姿を消したダギーがソファに座っている。
靴はなし。
ダギーを見つめる片腕の男フィリップ・ジェラード。

「妙な気分だ、俺に何が起きている?」

Someone…
誰かが
manufactured…
作ったのだ
you.
お前を
For a purpose…
ある目的のために
but
だが
I think
おそらく
now
もう
…that's been
目的はー
fulfilled
達成された

ダギーの身体は徐々に縮んで指輪が落ちる。
そして次の瞬間、ダギーの身体は黒い煙と化す。
煙の中から金色の玉が現れる。
指輪と玉を拾い上げた片腕の男は指輪をテーブルに置く。

※3のプレート、バッド・クーパーの車のシガーソケット、そしてダギーが嘔吐した部屋のコンセントの差込口は繋がっていた!
しかし、ブラックロッジに戻るはずだったバッド・クーパーは残り、クーパーそっくりのダギーがブラックロッジに。
フィリップ・ジェラードの左腕(スズカケの木)が言っていたドッペルゲンガーとはバッド・クーパーではなく、ダギーのことだったのか?


■ラスベガス郊外の住宅地

ダギーが嘔吐した部屋のコンセントの差込口から火花と共に黒い煙が。
それはヒトの形となってデイル・クーパーに。
靴はなし。

クーパーをダギーだと思い込んでいるジェイドは早く家を出ようと促すが、クーパーの反応はまるで記憶喪失の男。
靴の紐を結ぶことも出来ない。
当然ダギーの車の鍵を持っていないクーパー。
ポケットには、グレート・ノーザン・ホテルのルーム・キー(315号室)。
仕方なくジェイドはクーパーを自分の車に乗せる。

一方、クーパーとジェイドを見張る怪しげな男たち(ジェイクジー)。
ジェイドの車の助手席のクーパーはジェイクにライフルで狙われるが、落ちたホテルのキーを拾おうと屈んでいたので撃たれずに済む。
クーパー(ダギー)は車には乗っていないと判断したジーンはダギーjの車に(おそらく)爆発物を仕掛ける。


その様子を窓から伺っていた小さな男の子。
どうやら薬物中毒の母親らしき女が叫んでいる。

「119! 119! 119!」

そして、彼女は薬の最後の一粒をウイスキーで飲み込み、煙草に火をつける。


※この親子のシーンは母親の叫ぶ「119!」が妙に耳に残る。
今後の展開には何ら関係ないかもしれないけど。。。


■とあるハイウェイ。バッド・クーパーの車の中

事故現場にハイウェイ・パトロールが到着。
車窓から中を覗き込んだ警官は気分が悪くなる。


ツイン・ピークス保安官事務所

丸太おばさんに「ないものを探せ」と丸太からの伝言を託されたホークはアンディ、ルーシーと共に探すが、「ないもの」は探せない。
ルーシーは自分が食べてしまったウサギのチョコレートが「ないもの」だと騒ぐが、当然それはホークのルーツに関わるものではない。


ツイン・ピークス山中。ドクター・ジャコビの小屋

届けられたスコップを金色にペイントしているドクター・ジャコビ。

※何に使うんだろう?こんなに沢山のスコップ。
それも金色にペイント。


■シルバー・ムスタング・カジノ

5ドル渡してカジノ前でクーパーを下ろすジェイド。

「じゃ、もう行っていい。」

You can go out now .
あなたはもう行っていい

クーパーの中でジェイドとローラの言葉が重なる。

5ドル札を手にキャッシャーへ向かうクーパー。
要領を得ないクーパーに係はスロットマシーンのコインと交換する。

他の客がスロットマシーンで遊ぶ様子を見て学ぶクーパー。
クーパーにはある台の上に小さな炎が見える。
ふらふらとその台に向かいハンドルを引くと大当たり!
その後も炎が教える台で次々と当たりを出すクーパー。

※記憶を失ったらしいクーパーが得た特殊能力!
当たりの出るスロットマシーンが分かる!
カジノでクーパーに声をかける男役でワン・シーン登場するのは、『ウォーキング・デッド』のユージーン役のJosh McDermitt。


FBI フィラデルフィア支部

かつてのクーパーの上司ゴードン・コール、同じく同僚だったアルバート・ローゼンフィールドが妻殺しの事件の検討中。
真犯人は他にいると主張する容疑者がヒントだという証拠は妙なもの(女性の水着写真、セーラー服姿の小さな男の子の写真、ショットガン、ピーナツか焙煎前のコーヒー豆が入った瓶)ばかり。

タミー・プレストン捜査官がニューヨークの事件について報告。
警察は何が起きたか把握出来ておらず、建物の持ち主、警備員の身元も特定出来ず。
判明したのは被害者サム・コルビー、トレーシー・バーベラートの身元のみ。
そして、ガラスの箱を写したデータ。
事件の夜には人の形をした煙のようなものが写っていた。
被害者以外の指紋やDNAは一切残っていなかった。

その時、クーパーからの電話が入っているという知らせが。
ゴードン、アルバート、タミーはサウスダコタ州ブラックヒルズへ。



※ゴードン・コールのオフィスのデスクの後ろのキノコ雲の写真。これとは反対側の壁には大きなフランツ・カフカポートレートが。
これにも何か意味があるのか?


ツイン・ピークス/ロード・ハウス

今夜の出演バンドはThe Cactus Blossoms


エンディングの曲、The Cactus Blossoms 『MISSISSIPPI 』はこちら👉The Cactus Blossoms - Mississippi (Official Music Video) - YouTube

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クーパーがブラックロッジに囚われた代わりにバッド・クーパーが送り込まれた。
彼がクーパーのドッペルゲンガーかと思っていたが、
クーパーそっくりのタギーまで登場して
もう何が何だか。
15、3、PM2:53、119
今エピソードに限らず、今シーズンは意味ありげな数字が沢山登場するのでついつい深読みしてしまう。
(現段階で数字の意味はひとつも分からないけれど)

今エピソードは、撮影終了後に亡くなったアルバート・ローゼンフィールド役ミゲル・フェラーに捧げられています。
R.I.P.

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⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト

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👇ツイン・ピークスの空白の25年間が明らかになる(らしい)『ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー』はこちら(欲しい。。。)

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

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旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。