極私的映画案内

新作、旧作含め極私的オススメ映画をご案内します。時々はおすすめ本も。

ツイン・ピークス The Return Episode 18《第18話》

EPISODE 18

■赤いカーテンの部屋

ルーシーに銃で撃たれたバッド・クーパーの身体が炎上している。

黒煙と共にバッド・クーパーが消える。
片腕の男フィリップ・ジェラードが金色の玉、
タネと一緒にクーパーに託された髪の毛をソファの上に置き、親指と人差し指を四回触れさせ、
電気を発生させる。

「電気だ、それは電気」

金色のタネが浮き上がると、
クーパーの化身が生まれる。

「ここは、どこなんだい?」

クーパーの化身は、ラスベガスのジョーンズ家へ。
ジェイニー・Eとサニー・ジムの元へ送り届けられる。

「家…」

※クーパーが片腕の男に「もう一つ」と注文し、
ジェイニー・Eとサニー・ジムに「帰ってくる」と言っていたのはこういうことだったのか!
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 16《第16話》 - 極私的映画案内
でも、本物のクーパーが戻って、恐妻家として幸せに暮らして欲しかった気もする。。。


ツイン・ピークス:1989年

ローラの手を引き、森の中を行くクーパー。
カリカリという貝殻をこすり合わせたような音が聞こえる。
次の瞬間、手を繋いでいたはずのローラの姿はない。
そして、ローラの叫び声が響き渡る。

カリカリという音は、《第1話》で消防士(巨人)がクーパーに聴かせた音。
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 1 〈第1話〉 - 極私的映画案内
このシーンは前回も登場している。
今シーズンは、“前回の『ツイン・ピークス』は…”的な振り返りのスタイルは採用していなかったので、同じシーンが登場するのは初めて。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 17《第17話》 - 極私的映画案内


■赤いカーテンの部屋

ソファに座っているクーパーと片腕の男。

Is it …future…
これは未来か…
or
それとも
Is it …
これは…
past?
過去か?

こう言うと、片腕の男の姿は消える。

赤いカーテンの部屋の隅で片腕の男がクーパーを手招きしている。
片腕の男について行くクーパー。

進化した腕が待っている。

I…am the…arm.
私は“腕”だ
And I sound like…this.
私はこんな音がする
Is…it…the story of the…little…girl…who lived down the lane?
それは通り沿いの家に住んでいた少女の
あの少女の物語なのか?
Is it ?
そうなのか?

ローラがクーパーの耳元で囁いている。

「えっ?」

明らかに意外なことを聞いたと言う表情のクーパー。
絶叫と共に消えるローラ。

次にクーパーを待っていたのはリーランド・パーマー。

Find…Laura.
ローラを捜せ

右腕を前に出し、ドアのノブを回すような仕草をするクーパー。
すると、カーテンの一部がはためく。
そこから外に出ると、8本のシカモア(スズカケ)の木と水たまり。

そこでは、クーパーをダイアンが待っていた。

「あなたなの?本当にあなたなの?」
「そうだ、本当に僕だよ、ダイアン」

「本当に君か?ダイアン」
「ええ」

赤いカーテンが消える。

※片腕の男、リーランド・パーマーのクーパーに対する語りかけは、《第2話》の繰り返し。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 2 〈第2話〉 - 極私的映画案内
しかし、進化した腕の「それはあの通り沿いの家に住んでいた少女の、あの少女の物語なのか?」というのはここで初めて出てきた。
通り沿いの家に住んでいた少女の物語については、
オードリー・ホーンも《第13話》で夫チャーリーとの会話の中で言っていた。
これは、ローラ・パーマーのことだろう。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 13 《第13話》 - 極私的映画案内


■ハイウェイ

ひたすらハイウェイを行くクーパーとダイアン。
人っ子ひとり住んでいないような荒涼とした地。

「本当に、これでいいの?」

クーパーに問うダイアン。
やがて、前方に送電線が見えてくる。

「そうしてしまったら、この先どうなるか?」
「わかっってる
ちょうど、その地点に来た、そう感じる
見ろ!もうすぐ、ちょうど430マイルになる」

路肩に車を寄せるクーパー。

「430マイル、ぴったりだ」
「クーパー、ねえ、よく考えて」

車を下り、周囲を確かめるように見回し、
時計を確認するクーパー。

車に戻ってくるクーパー。

「ここで間違いない、キスしてくれ
ここを超えれば、すべてが変わるだろう」

キスをするクーパーとダイアン。

「行きましょう」

ゆっくり車を走らせるクーパー。
“その地点”を超えると、
車は夜のハイウェイを走っている。

黙ったまま夜のハイウェイを行くクーパーとダイアン。
やがて、寂れたモーテルに到着する。
クーパーはひとり、事務所に入っていくが
ダイアンは車の中で待っている。

建物の柱の陰から姿を見せたのは、
なんとダイアン。
車の中のダイアンは驚いた様子もなく、
無表情でもうひとりの自分を見つめている。
クーパーが事務所から出てきた時には、
もうひとりのダイアンは姿を消している。

部屋に入る二人。
明かりをつけるダイアン。

「明かりを消してくれ」

明かりを消すダイアン。

「これからどうするの?」
「僕のそばに来るんだ」

クーパーに近づくダイアン。

「ダイアン…」

キスをし、セックスする二人。

下になっているクーパーは
冷静にダイアンを見つめている。
その表情に高揚感は見られない。
クーパーの顔を両手で覆い、
その視線を避けるように
天井を見つめるダイアン。

喜びではなく悲しみの表情を浮かべるダイアン。
これが今生の別れでもあるかのように。

朝日が差し込む部屋。
目を覚ましたクーパーの隣りにダイアンの姿はない。

「ダイアン!ダイアン!」

ナイトテーブルに置き手紙。

「“リチャードへ”、リチャード?」

リチャードへ
読む頃には私はいない
どうか探さないで
私はもう、あなたがわからない
この関係がなんだったにせよ、もう終わり
リンダ

「リチャード?リンダ?」

着替えを済ませ、部屋を出るクーパー。
しかし、そこは昨夜到着し泊まったモーテルではない。
車も乗ってきたものとは別物である。

※ここで登場しました、《第1話》で消防士(巨人)が言っていた430(マイル)。
そして、リチャードとリンダ
オードリーの息子リチャード、ニュー・ファット・トラウト・モーテルの住人ミッキーの妻(あるいは母親)リンダとは関係なかったのか?
あの地点を超えたことで、クーパーとダイアンは、
リチャードとリンダになってしまったのか?
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 1 〈第1話〉 - 極私的映画案内

430マイル地点を超えたところまでは、
クーパーもすべて想定内だったようだが、
置き手紙のリチャードとリンダについては明らかに想定外だった様子。
クーパーに「本当に君か?」と問われて、
ダイアンは「ええ」と答えていたが、
柱の陰にもうひとりのダイアンがいた。
クーパーと一緒にいたダイアンは本物だったのか?
それとも化身だったのか?
クーパーの化身のように初めからダイアンの化身も二人存在していたのか?
すべてを知っているのは、
クーパーではなくダイアンだったのか?
一夜明けて、泊まったモーテルが違っていたこと、
乗ってきた車のモデルが現代のものになっていたことを考え合わせると、クーパーは時間を超えたのだろう。


テキサス州オデッサ

目的地がわかっているのかいないのか、
車を走らせるクーパーが目にとめたのは
とあるコーヒーショップ。

JUDY'S COFFEE SHOP

窓際の席に座るクーパー。
ウェイトレスがメニューを持ってくる。

「ウェイトレスは君のほかにもいるのか?」
「いるよ、でも、今日は休み
しかも、今日で三日目」

三人のカウボーイがウェイトレスにセクハラを働く。

「やめてよ!」
「その手を離せ!」

注意したクーパーにカウボーイが凄む。

「なんだ、偉そうに!」
「何が?」
「いいからさっさとそこから出て来いや!」

ひとりのカウボーイが銃を向ける。
あっという間に銃を取り上げ、股間を蹴り上げて倒し、
二人目のつま先を撃つクーパー。

「銃を床に置け」
「銃は持ってない」
「今すぐ銃を床に置け」

カウボーイたちの銃を奪ったクーパーは、
カウンターの中へ。

「紙きれに住所を書いてくれ」
「えっ?」
「もう一人のウェイトレスの住所だ
紙きれに書いてもらいたいんだが」

「これはどうすればいい?」
「なに?」
「どこに置けばいいんだ?」
「上にひっかけるの」

クーパーはポテトを揚げ油の中から引き上げると
カウボーイから奪った銃を油に投入。

「この温度で弾が爆発するかどうかわからないが
下がった方がいい
住所は書いてくれたか?」
「え、でも…あの…」
「問題ない、私はFBIの人間だ」
FBI…」

「今のは一体、なんだったんだ?」

呆然とクーパーを見送るカウボーイたち。

テキサス州オデッサは実在する街だが、
このオデッサ市の象徴が、なんと、野うさぎ。
ジャック・ラビット(JACK RABBIT )なのだ!

《第9話》で発見されたブリッグス少佐のメモに残されていたのが、ジャック・ラビット・パレス
何か意味があるんだろうと調べたらやっぱり!
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 9 〈第9話〉 - 極私的映画案内


テキサス州オデッサ

もうひとりのウェイトレスの自宅に到着するクーパー。

家の前の電柱のプレートは、

手入れを放棄され、荒れ果てた庭。
家の手入れもされていない様子。
ドアをノックするクーパー。

「どちらさま?」
FBIです」
「あの人、見つかったの?」
「ローラ…」
「見つかったんじゃないの?」
「ローラ!」
「家を間違えてるんじゃないですか?」
「それじゃ、君はローラ・パーマーじゃないのか?」
「ローラ、誰?いいえ、あたしはローラじゃない
もう、いい?」
「君の名前は?」
キャリー・ペイジ
「キャリー・ペイジ?」
「ええ、そうよ、じゃあ、あたしもう戻らないと」
「待って!では、ローラ・パーマーという名前に心当たりはないのか?」
「あのね、なにが目的かは知らないけど
あたしはローラじゃない」
「君の父親の名前はリーランド」
「へえ、それで?」
「母親の名前はセーラだ」
「セ、セーラ…」
「そう、セーラ」
「一体、どういうこと?」
「説明が難しい話なんだが
僕は君がローラ・パーマーという少女だと思っている
君を母親の家へ連れて行きたいんだよ
君がかつて住んでいた家にね
とても重要なことなんだ」
「ええと…あたし…
いつもなら、あんたみたいな男がやって来た時には
さっさと帰れって追い返すのよ
このドアを目の前で閉めてやるの
でも今は、こっから逃げ出さないといけないんだ
いろいろあってね
だからFBIに連れ出してもらえるなら、すごく助かる
で、どこへ行くの?」
ツイン・ピークスだ、ワシントンの」
「D.C.?」
「いや、州だ、ワシントン州
「それって遠い?」
「ものすごく遠い」
「じゃ、支度させて、中入ってよ
ちょっと待ってて」

家の中に入ると、ソファには額を撃ち抜かれた男の死体。
死後、かなりの時間が経っている様子。
壁の飾り棚には、白い馬の置物。
じゅうたんの上には銃(ライフル?)。

「ねえ、ワシントンて北の方だったりする?」
コート、いるかな?」
「あれば、持って来た方がいい」
「二、三枚はある、一枚持ってくる」

キャリーはソファの死体については何も言わず。
電話が鳴っているが、彼女に気にする様子はない。

「どうしよう?食べ物が何もないんだけど」
「途中で調達しよう」
「いいわね!行きましょう!」

※再び登場、電柱のプレートの数字
前回登場したのは、リチャード・ホーンが少年をひき逃げした事故現場。
それ以前、『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』でテレサ・バンクスが住んでいたファット・トラウト・トレーラーパークの近くにもあった。
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 6〈第6話〉 - 極私的映画案内
クーパーが命を救った(はず)のローラ・パーマーは、
キャリー・ペイジとして生きていた!
ベンジャミン・ホーンの秘書ビバリーの苗字がペイジだが、関係あるのか?
キャリーは「あの人、見つかったの?」と言ったが、
これは誰のことだろう?
ソファの射殺体のことか?
夫か恋人を殺してしまった彼女が、
彼が行方不明になったと偽りの届け出をしたのか?
少なくとも、彼女が仕事を三日も休んだという理由は、
この射殺体にあるのだろう。
リーランド・パーマーという名前には反応しなかったキャリー。
しかし、セーラの名前には、明らかに動揺していた。
セーラはキャリーにとってどんな存在なんだろう?


オデッサからハイウェイ

「あんた、本当にFBIの捜査官なの?」

バッヂを見せるクーパー。

「そうだ」
「とにかく、この腐ったオデッサの街からは出られそうね」

陽はすっかり暮れている。
同じ車間距離を保つ後続車を気にするキャリー。
彼女は何度も後ろを振り返る。

「誰かにつけられてない?」

クーパーもミラーで後続車を確認する。
やがて、後続車は何事もなかったように追い越して行く。

オデッサの家…ちゃんとした家にしようとしたのよ
いろいろきちんと整えてさ…
もうずっと昔…
あの頃は、若くて何もわかってなかった」

ガソリンスタンドで休憩する二人。
車に乗るキャリーのために紳士的にドアを開けるクーパー。

二人を乗せた車はRRダイナーの交差点を左折する。

「この辺りに見覚えは?」
「ない」

車はパーマー家に到着。

「あの家を見たことは?」
「ない」

「行こう」

ドアをノックするクーパー。

「なんでしょう?」
FBIです、デイル・クーパー特別捜査官
セーラ・パーマーはいますか?」
「誰です?」
「セーラ・パーマー」
「いいえ、そんな名前の人はいませんが」

「セーラ・パーマーをご存知ですか?」
「いいえ」
「この家ですが、あなたの持ち家ですか?
それとも、借りてるものですか?」
「いいえ、持ち家ですよ」
「誰から買いました?」
「(あなた、この家の前の持ち主、なんて名前だっけ?)
チャルフォント夫人から買いましたけど」
「その人が誰から買ったかは知りませませんよね?」
「さあ、そこまでは、待って
(ねえ、チャルフォント夫人の前の持ち主が誰か知ってる?)
わからない」
「あなたの名前は?」
「アリスよ、アリス・トレモンド
「わかりました、夜分にお邪魔してすみません」
「いいえ、いいんですよ」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」

何がどうなっているのかわからないクーパー。

「今は何年だ?」

パーマー家の(はずだった)建物を見上げるキャリー。

セーラがローラを呼ぶ声が聞こえる。
キャリーの絶叫が響き渡る。

家の中の明かりが消える。

ローラはクーパーの耳元で何をささやいたのだろう?

※パーマー家が住んでいた家には別人が住み、
住人の名前は、アリス・トレモンド
そして、前の持ち主はチャルフォント夫人
トレモンド夫人は、二十五年前、ローラが食事の宅配サービスをしていた人で、手品が得意な孫息子と一緒に住んでいた。
ローラが秘密の日記を預けた友人ハロルド・スミスの隣人でもある。
彼女がローラにコンビニエンスストアの二階の部屋の絵を送った。

ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』では、FBIのチェスター・デズモンド捜査官が、トレーラーハウスの下でテレサ・バンクスがはめていた指輪を拾ったが、そのトレーラーハウスの持ち主がチャルフォント夫人だった。
デズモンド捜査官は、その後、姿を消している。
トレモンド夫人とチャルフォント夫人は同一人物。
ちなみに、アリス・トレモンド役で出演しているのは、この家の実際のオーナーとのこと。

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とうとう最終回を迎えてしまったが、
行方不明のビリーの行方、スティーヴンの生死、
バッド・クーパーがダイアンの化身に送った謎めいたメッセージの数々(「牛が月を飛び越えた」っていうのもあったな)、
ブエノスアイレス、バッド・クーパーが滞在していたというリオ・デ・ジャネイロ、コロンビアといった南米の各都市で何が起きたのか?等々、
数々の謎が残された。
しかし、残された最大の謎は、
オードリー・ホーンはどうなったのか?
彼女自身言っていたように、オードリーは化身だった可能性が高い。
リチャードの父親がバッド・クーパーだとして
オードリーの化身はリチャードを産むために必要だったのか?
しかし、そうなると本物のオードリーは?
セーラ・パーマーがどんな存在なのかも明らかになっていない。
エクスペリメントから卵という形で解き放たれ、
孵化した不気味な虫は、
少女の口から、彼女の身体に入り込んだ。
あの少女はおそらく、セーラ・パーマーだろう。
彼女の存在は、この迷宮の中でかなり重要な存在であることは確かだと思う。
そして、ローラはクーパーに何をささやいたのか?

しかし、前回、
全体像が見えてきた!
と思ったのに、まさか最終回で
さらなる迷宮に放り込まれるとは!
上がり!と思った途端に、
振り出しに戻された双六のようだ。
430マイル地点を超えてクーパーが入り込んだのは
ローラ・パーマーがキャリー・ペイジとして生きているパラレルワールドだった。
あるいは、クーパーもリチャードとして生きている世界なのかもしれない。
キャリーは殺されることなく生きてはいるが、
明らかにトラブルに巻き込まれており、
これまでの人生も思い通りに生きてきたとは言えない、
トラブル続きの人生だったようだ。

人類初の核実験によって、エクスペリメントから悪の根源(種)としてこの世に解き放たれたボブ。
しかし、あの時解き放たれた悪の種はボブだけではなかったはずだ。
世界中のいたる場所、あるいは重層的に存在するパラレルワールドに解き放たれいたとしても不思議はない。

クーパーがフィリップ・ジェフリーズに会いに行った時に、数字の8が示されたが、
数字の8は横に倒せば、無限の記号∞だ。
ローラ・パーマーが殺された世界では、
ボブを倒し、ローラを救ったが、
ローラがキャリーとしても生きる世界では、
また別のボブが存在するのだろう。
デイル・クーパー捜査官の闘いに終わりはない!
悪に対する正しき者の闘いに終わりはないという
デヴィッド・リンチからのメッセージだろうか?

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全18話、再録にお付き合いいただき、
ありがとうござました。
さらなる迷宮に放り込まれ、
まだまだ頭の中は混乱してはおりますが、
今一度、シリーズ全体を振り返り、
気付いたことは〈追記〉という形で更新したいと思っています。
season4製作の噂もちらほら聞こえてきますが、
今はseason3を振り返りつつ、吉報を待つことにしましょう!
(ゴードン・コールとシェリーの再会が見たかった!)

また、滞っていたオススメ映画やオススメ本についてもご紹介していきたいと思っていますので、
そちらの記事も読んでいただけると嬉しいです。

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⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


👇前シリーズ『ツイン・ピークスBlu-rayはこちら

👇前シリーズの前日譚『ツイン・ピークス:ローラ・パーマー最期の7日間』Blu-rayはこちら

👇アンジェロ・バダラメンティによるサウンド・トラックはこちら

👇ツイン・ピークスの空白の25年間が明らかになる(らしい)『ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー』はこちら(欲しい。。。)

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

👇前シリーズの謎を解く鍵だった『 ツイン・ピークス ローラの日記』も再販。
旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

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👇二十五年後も変わらぬ美しさで登場してくれたノーマ・ジェニングス役のペギー・リプトン
彼女の元夫は、マイケル・ジャクソンのアルバムプロデュースなどで知られる名プロデューサー、クインシー・ジョーンズ
この二人の娘は、女優で脚本家としても活動しているラシダ・ジョーンズ
ラシダ・ジョーンズの代表作といえばこちら。

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👇今シーズンには登場しなかったものの、
スティーヴンの愛人ガースティン・ヘイワードの母親アイリーン役のメアリー・ジョー・デシャネルの娘は、女優のエミリー・デシャネルズーイー・デシャネル
エミリー・デシャネルの代表作はドラマシリーズの『BONES』。
ズーイー・デシャネルの代表作と言えばこちら、
マーク・ウェブ監督、ジョセフゴードン・レヴィット共演の『(500)日のサマー』。
詳しくはこちら👉(500)日のサマー - 極私的映画案内

👇ちなみに、メアリー・ジョー・デシャネルの夫でデシャネル姉妹の父親は撮影監督のケイレブ・デシャネルで、代表作はこちら、オスカーにもノミネートされたフィリップ・カウフマン監督の『ライトスタッフ』。

ライトスタッフ 製作30周年記念版 [Blu-ray]

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ツイン・ピークス The Return Episode 17《第17話》

EPISODE 17

サウスダコタ州バックホー

ダイアンの化身が姿を消した後の、
FBI支部と化しているホテルの一室。
ダイアンの化身に銃を向けられた時に、
撃てなかったゴードン・コール。
アルバートがワインのグラスを運んでくる。

「大丈夫ですか?」
「私には出来なかった、撃てなかったんだ」
老いてヤワになったんでしょう」
「何?」
「年をとってヤワになったと言ったんですよ」
「だが、やる時はやる!」

FBIに!」

乾杯するゴードン、アルバート、タミーの三人。

「よく聞いてくれ」

アルバート、この二十五年、
君に隠していたことがある
姿を消す前に、ブリッグス少佐はある存在を発見したことを、私とクーパーに告げたんだ
それは極めてネガティヴな力で、
遠い昔の呼び名は、ジャオディ
だが、時を経てその名はジュディとなった
ブリッグス少佐とクーパー、私で
ジュディへたどり着くための計画を練ったが
その後、ブリッグス少佐に何かが起き、
さらには、クーパーにも起きた
フィリップ・ジェフリーズはもうこの世には存在しない、少なくとも通常の意味では
フィリップはかつてこう言った
その存在に気付いたと、そして姿を消した
さらに、クーパーの最後の言葉は
もし、他のみんな同様、僕が消えたら
あらゆる手を尽くして見つけ出して欲しい
僕は一石で二羽の鳥を狙う
で、今は例の二人のクーパー問題だ
しかも最近、暗号メッセージがレイ・モンローという情報屋から届いたのだ
そこには、刑務所にいたクーパーが座標を探していると書かれていた
そしてその座標を知っているのが、
ブリッグス少佐らしいのだ
この計画については君にも言えなかった
すまない」
「わかっています」
「君はわかってくれるだろうが
それでも、すまない
だが、計画が順調かは見当もつかんのだ
我々のデイル・クーパーからまだ連絡がなくてな」

そこで、電話が鳴る。

「コールだが」

ラスベガスの病院のヘッドリー特別捜査官からの電話だった。

「ヘッドリーです、見つけました
ダグラス・ジョーンズです
ただ、今どこにいるか、わかりません」

「こいつはアホのコメディアンで、
今のはネタですかね?」

アルバートの皮肉が炸裂する。

「わからないとはどういうことだ!」
「ベッドがカラなんです
今そちらに入手した全情報を送っています
コール副支部長、我々はすべてつかみました」

ブッシュネル・マリンズ社長が病室に入ってくる。

「電話の相手はゴードン・コールかね?」
「ああ、そうだ」
「なぜ?」
「伝言がある、ダギーからの伝言だ」
「何だ?どうした?」
「ここにいる男性が、ダグラス・ジョーンズからの伝言を預かったそうです」
「聞かせてくれ!」
「あなたは間違いなく、ゴードン・コールさん?」
「ええ、そうです」
「では、ダギーからの伝言を読みます
僕はこれからトルーマン保安官のところへ向かう
ラスベガスの時間は2時53分で、
合計すると、これは10になる
完成を意味する数字だ
以上です」
「それで、あなたの名は?」
「ブッシュネル・マリンズ、ラッキー7保険の
ダギーの上司です」
「どうもマリンズさん、心から感謝します
私も彼の上司です」

「ダギーがクーパーだと?!
どういうことだ?」
「ダギー・ジョーンズの車は爆破され、
職場の建物前では暗殺者に殺されかけています」
「組織犯罪の大物二人と一緒にいたという目撃情報もあり」
「自宅のコンセントで感電したそうです
フォークを刺して」
「クーパーだとしても、妙です」
「これもまた青いバラ事件のひとつという訳だな」
「さっきまで昏睡状態で、入院していました」
「支度しろ!行き先はわかる!」

「僕は一石で二羽の鳥を狙う」
ゴードンと最後に会った時に言っていたというクーパーの言葉。
これは、《第1話》で消防士(巨人)が言っていたことと同じ。
一石とはタネで、二羽とはダギーとバッド・クーパーのことなんだろうか?
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 1 〈第1話〉 - 極私的映画案内
ちなみに、《第1話》で消防士が言っていたリチャードリンダ
リチャードは、リチャード・ホーンのことだろうが、リンダは誰だろうと思っていたが、
トレーラーパークの住人ミッキー(カール・ロッドに相乗りさせてもらっていた)の妻(あるいは母親)が確かリンダだった。
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 6〈第6話〉 - 極私的映画案内
レイが情報屋だったということは、連邦刑務所のマーフィー所長もFBIの協力者だったということになる。
しかし、マーフィー所長はバッド・クーパーに弱味を握られていた。
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 7 〈第7話〉 - 極私的映画案内
ミスター・ストロベリージョー・マクラスキーについてはいまだに不明。


ツイン・ピークス:保安官事務所

寝静まっているように見える留置所。
しかし、チャドは目を覚ましていた。

「やっと寝たか」

目を覚ましてしまう酔っ払い。

「クズ野郎!」
「クズ野郎!」
「クソが!」
「クソが!」

※この酔っ払いの顔の傷、すごく不気味。


■ハイウェイ

不気味な音をたてる電線。
夜道をひた走るバッド・クーパーの車。


ツイン・ピークス:保安官事務所

再び、言葉にならない声を発しているnaido。

彼女の向かい側の檻に入れられているジェームズとフレディ。

「あれ、一体、何なんだ?」
「全然、わかんね」
「全然、わかんね」

酔っ払いも同調する。

切なげに声を上げ、ベッドから身を起こすnaido。
彼女の声を真似する酔っ払い。
困惑するジェームズとフレディ。
声に耐えられず、耳をふさぐチャド。


ツイン・ピークス:グレート・ノーザン・ホテル

電話中のベン・ホーン。

「ワイオミング?」
「そうです、あなたがベンさん?」
「ええ」
「男性を保護したんですが
IDはなく、名前も言えません
ただ、あなたの弟で
自分の双眼鏡が人を殺したと言っています」
「確かに弟です、ジェリー・ホーンだ
何か罪を犯しましたか?」
「いえ」
「では、家に戻す手配をします
もう一度、お名前を」
「ウィリアムズです、ジャクソンホール警察の
それと服を送ってください
保護した際、弟さんは全裸でしたので
では、失礼します」

※リチャード・ホーンが電気に打たれて弾けとんだ、
あの大きな岩のあった場所はワイオミング州だったのか!
しかし、いまだにジェリー・ホーンの役割がよくわからない。
今シーズンのベンさんは、身内の尻拭いばかりだな…。


ツイン・ピークス

夜は明けている。
道端に置かれたバッド・クーパーのピックアップ・トラック。

ブリッグス少佐がメモに残したジャック・ラビット・パレス。
そこから東に少し行ったnaidoが発見された場所。
そこに、バッド・クーパーが姿を現わす。

たちこめる白煙に、シカモア(スズカケ)の木。

この場所を保安官事務所の一行が訪れた時と同じように
上空に渦が出現する。
そして、バッド・クーパーの姿は消える。

※ダイアンの化身が最後に送ったメッセージの座標の場所がこの場所なんだろう。
あの座標は、フィリップ・ジェフリーズが白煙でバッド・クーパーに教えた座標と同じだったはずだし、
手に入れた3つの座標のうち2つの同じ座標はこの場所だったはず。
あの大きな岩の場所はなんだったんだろう?
バッド・クーパーがリチャードを厄介払いするために、連れて行ったのか?


■ブラックロッジ?

奥には舞台があり、スクリーンにはバッド・クーパーが姿を消した森の中の映像が映っている。

手前には、ブリッグス少佐の頭部が浮かび、
反対側には、檻のようなものが浮かび、
その中にはバッド・クーパーの顔が。

宙に浮かぶ巨人(消防士)。
スクリーンに映っているのは、パーマー家の正面だ。
消防士が手で合図すると、ある場所が映される。
バッド・クーパーの顔が入った檻が動き出し、
舞台上の金管楽器のような管に吸い込まれる。
すると、そこにバッド・クーパーが移動している。

※《第8話》に続き、再び登場したこの場所。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 8 〈第8話〉 - 極私的映画案内


ツイン・ピークス:保安官事務所

留置所のnaidoが何かを察知したかのように飛び起きる。

振り返るバッド・クーパー。
そこは、ツイン・ピークスの保安官事務所の前だった。

「ここは何だ?」

丁度、車にバスケットを取りに来たアンディと鉢合わせ。

「クーパー捜査官ですよね?
クーパー捜査官?やっぱり、そうだ!
この前、噂をしてたとこなんです」
「やあ、アンディ」

留置所では、目を覚ましたnaidoが怯えている。

※《第14話》でnaidoは命を狙われているとアンディは言っていたが、
彼女の命を狙っていたのは、バッド・クーパーだったのか?
彼女が怯えているのは、バッド・クーパーの接近を感じているからなのか?
《第14話》はこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 14《第14話》 - 極私的映画案内]

「何が起きてる?」
「何か、言おうとしてるんじゃないかな」

皆の注意がnaidoに向いている隙に
チャドは靴の踵に隠していた鍵を取り出す。

一方、保安官事務所前では…。

「また会えて、みんなすごく喜びますよ」
「俺もまた会えて嬉しい」
「入りましょう!丁度、バスケットを取りにきたんです
淹れたてのコーヒーも出しますよ」

「ルーシー!ルーシー、すごいお客さんだ!」
「クーパー捜査官!」
「やあ、ルーシー」
「噂をしてたとこなんです!」
「そうらしいな」

トルーマン保安官が出てくる。

トルーマン保安官、デイル・クーパー特別捜査官です
最後に会ったのは、ウォリーが生まれる前で」
トルーマン保安官?」
「私はフランク・トルーマンだ、ハリーの兄の」
「どうも」
「よろしく、私のオフィスで話そう」

突然の再会に驚きながらも、嬉しそうなアンディとルーシー。
しかし、そのとき、アンディの脳裏に“ある場所”までルーシーを誘導していく自分の姿がよぎる。

留置所では、檻の鍵を開けたチャドがこっそり抜け出す。

一方、保安官のオフィスでは、アンディがバッド・クーパーに椅子を用意している。

「さあ、座ってください
コーヒーはいかがですか?」
「いや、いい、結構だ」
「あなたが来たって、ホークに知らせてきます!」

※本物のクーパーはコーヒーを断らないはず!

留置所では、naidoの興奮が高まっている。
武器庫から銃を取り出そうとしているチャド。

いよいよ激しく声を上げるnaido。
なす術のないジェームズとフレディ。


「一大事だ!一大事!」

ルーシーに声をかけるアンディ。


顔の絆創膏を引き剥がす酔っ払い。
銃を持ったチャドが物陰に隠れている。
ホークを探しに来たアンディ。

「ホーク!ここにいるのか?」

「よおーっ、これはこれは善良なアンディ保安官助手!
世界を救いに来たか?
おめえは女々しいんだよ!アンディ!
てめえの眉間に弾をぶち込んでやる!」

その時、緑色の手袋をしたフレディの右手が炸裂!
檻のドアをチャドにぶち当てる。
アンディは倒れたチャドに再び手錠をかける。

受付で、電話が鳴る。
ビクッとするルーシー。

「はい、ツイン・ピークス、保安官事務所です
誰って?」

かけてきた相手におどろくルーシー。


「なぜ、ツイン・ピークスに戻ったのかね?
クーパー捜査官」
「仕事を片付けに」

トルーマン保安官」
「なんだ、ルーシー」
「2番にお電話が入っています
チカチカしているボタンです」
「伝言を聞いておいてくれ」
「それがとても大事な緊急の電話なんです、保安官」
「そうか、わかった、
ちょっと、失礼
トルーマンだ」

「ハリー!クープだ!
FBI特別捜査官のデイル・クーパーだよ!」
「私はハリーの兄のフランクでね
今、どこかな?」
ツイン・ピークスに入ったところだ
コーヒーはあるかね?」

目の前の男がクーパーではないと気づいた保安官と偽者だと気付かれたと悟ったバッド・クーパーが同時に銃を抜く。
しかし、銃声はバッド・クーパーの背後から。
バッド・クーパーを撃ったのは、ルーシーだった!

「今のは?」

電話口で叫ぶクーパー。
意外な展開に驚くトルーマン保安官。

「ルーシー…」

留置所のアンディが指示する。

「全員、上に移動するぞ!」

※ここまで大忙しのアンディ、グッジョブ!
アンディが消防士から使命を与えられたのは《第14話》詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 14《第14話》 - 極私的映画案内

まだ、電話中だったことを思い出した保安官。

「一人は死んだようだ、クーパー捜査官」
「決して触るな!死体から離れてるんだ!」

留置所にいた面々も保安官のオフィスに集まってくる。
自分がやったことにいまだ呆然としているルーシーがつぶやく。

「アンディ、携帯電話がどんなものかわかった…」

そこへ、ホークも駆け込んでくる。

「これは…」
「触るなとクーパー捜査官に言われた」
「あれがクーパー捜査官だ」
「いいや、あいつじゃない」

突然、オフィスが暗くなると、
レイに撃たれた時と同じように
Woodsmanが3人現れるとバッド・クーパーの傍らにうずくまり、治療するかのように血を顔に塗りはじめる。

そこへ、クーパーとミッチャム兄弟一行が到着する。

Woodsman達が立ち上がると
バッド・クーパー腹部が蠢き、黒い球が出てくる。
それは、ボブだった。
クーパーに襲いかかるボブ。

「おいっ!」

声を上げたのは、フレディだった。

「君がフレディか?」
「そうだ!で、これは僕の運命だ!」

フレディに襲いかかるボブ。
しかし、フレディは緑色の手袋の右手で応戦。
床に穴を開け、燃え上がるボブ。

再び、襲いかかるボブ

「死体袋で弔ってやる!」

血まみれになりながらも、フレディはボブを粉砕する。
欠片になったボブの黒い球は消滅する。

「僕、やった?」
「ああ、見事にな!」

※見事、大仕事をやってのけたフレディ。
でも、イギリス、ロンドンからはるばる呼ばなくてもよくね?
フレディがツイン・ピークスへ導かれた経緯はこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 14《第14話》 - 極私的映画案内


クーパーは、バッド・クーパーの死体に例の指輪をはめる。
バッド・クーパーの死体は白煙と共に消滅する。

「すごいもん、見たな…」

目の前で繰り広げられたあまりの光景に呆然とする面々。


ブラックロッジの赤いカーテンの部屋の床に落ちて転がる指輪。


「フランク、グレート・ノーザン・ホテルの鍵を持ってるか?315号室だ」
「ええ?どうして知ってる?」
「ブリッグス少佐がトルーマン保安官が持ってるはずだと」

保安官から鍵を受け取るクーパー。

その時、ゴードン・コールほかFBI一行が保安官事務所に到着する。

naidoの存在に気付くクーパー。

「何の騒ぎだ?」

ボビーが今ごろになってオフィスに入ってくる。

「俺もまったく同じことを聞きたいよ」

ブラッドリー・ミッチャムがぼやく。

「ブリッグス少佐だ
ボビー、君の父上にはこうなることがわかっていた」
「一体、何が起きてる?」
「君の父上が何年も前に集めた情報が
父上とゴードン・コールを引き合わせた
今、時間通り到着だ!」

「ゴードン!」
「クープ!」
「結果、我々もこうして導かれ、
そして、この先変わりゆくものもいくつかある
過去が未来を決める」

そこへ、キャンディ、サンディ、マンディの三人組が
サンドイッチを運んでくる。

「サンドイッチ、たくさん作って正解ね」

※とにかく、サンドイッチを運ぶキャンディ、サンディ、マンディの三人組。
結局、セリフはキャンディしかなかった。

「フランク、ハリーによろしく言ってくれ」
「伝えるとも」

naidoがクーパーに駆け寄る。

手の平を重ね合わせるクーパーとnaido。
すると、naidoの顔面が黒く焦げたようになり
そこにはダイアンが。

「ダイアン!」

近づいてキスをする二人。

「クーパー、ただ一人の人」
「すべて、覚えているのか?」
「ええ」

その時、時計の針は午後2時53分で行きつ戻りつしていた。

※ここで時間が止まったということか?

僕らは夢の中に生きている

「また、会えることを願ってるよ、みんなと」

「ゴードン!」
「クープ!」

周囲は暗くなり、クーパー、ダイアン、ゴードンの三人は暗闇を歩いている。

あの奇妙な音の出所。
グレート・ノーザン・ホテルのボイラー室。
ボイラー室の片隅のドアが315号室の鍵で開く。

※ここで、315号室の鍵が必要になるとは!
クーパー→ジェイド→ベン・ホーン→トルーマン保安官→クーパーと、この鍵も長い旅をしてきたことになる。
《第14話》でジェームズがこのボイラー室で奇妙な音を聞いている。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 14《第14話》 - 極私的映画案内

「聞いてほしい、僕を追ってこのドアを通らないでくれ
二人ともだ」
「ずっと、きみを思ってるぞ!」
「カーテンコールでまた会おう」

そう言うと、クーパーはドアの向こうに姿を消す。

ドアの向こうでは、片腕の男フィリップ・ジェラードがクーパーを待っていた。

「未来における過去の暗黒を通して
魔術師は見たいと乞い願う
ひとつの声が放たれるのはふたつの世界の狭間
火よ、我と共に歩め」

二人はコンビニエンスストアの二階、
あの階段を登っていく。
Jumping Man の姿。
階段を登った先には、例のモーテルのような建物。
バッド・クーパーがフィリップ・ジェフリーズと会ったあの場所だ。

※《第15話》でバッド・クーパーとフィリップは同じ場所で会っている。
バッド・クーパーは座標を入手。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 15《第15話》 - 極私的映画案内


「フィリップ!」
「頼む、明確に言ってくれ」
「1989年2月23日だ」
「君のために見つけよう
ここは滑りやすい
また会えて嬉しいよ、クーパー
ゴードンに会ったら、よろしく言ってくれ
正式じゃない方を覚えててくれるだろう
ここで、君はジュディを見つけるはずだ
おそらく、誰かがいる
君はこれを頼んだか?」

煙の中に、指輪に描かれた記号(ブリッグス少佐が残したメモ、ホークの地図にもあった)が浮かび上がる。
それは姿を変え、ひし形を縦に並べた形になり
そして、数字の8に形を変える。

「よし!いいぞ!きみはもう行ける!
クーパー、忘れるな」

「電気だ!それは電気!」

片腕の男が叫ぶ。

※あの指輪に描かれた記号、あれが表すものが、ジュディなのか?
フィリップの「明確に言ってくれ」とは
日付のことだろう。
1989年2月23日は、ローラ・パーマーの殺された日。


ツイン・ピークス:1989年

1989年2月23日。
ローラ・パーマー、最後の日。
ローラの家にジェームズが迎えにくる。
二人が出かける様子を見ていたのは
ローラの父親リーランド。

ジェームズを愛しているが、
巻き込みたくないローラ。

二人の様子を見守っているのはクーパー。
クーパーは時を遡り、
25年前のローラの最後の日の立ち会っている。

ジェームズと別れ、森の中に向かって駆け出すローラ。
森の中では、ロネット・ポラスキー、レオ・ジョンソン、ジャック・ルノーがローラを待っている。
しかし、ローラが待ち合わせの場所にたどり着く前に会ったのはクーパーだった。

「誰なの?知り合いだっけ?
待って、夢であなたに会ってる、夢の中で」

ローラに手を差し出すクーパー。
手をつなぐ二人。


翌朝、ローラの死体発見現場から
ローラの死体が消える。


「どこへ行くの?」
「家へ帰ろう」


ローラの死体が発見された日の朝。
死体の発見者となるはずだったピート・マーテルは釣りに出かける。
あの時と同じように一日が始まっている。

※とりあえず、ローラを救ったクーパー。


ツイン・ピークス:セーラ・パーマーの自宅

いつもの定位置であるソファにセーラの姿はない。
泣いているのか?
不気味なうめき声が聞こえてくる。
リビングに戻ってきたセーラはローラのポートレートを床に置くと、ガラスをメチャクチャに割ってしまう。
時間が行きつ戻りつしている。

※ここに過去を変えた影響が出ているのか?


ツイン・ピークス:1989年

ローラの手を引いて、森の中を行くクーパー。
目的地はどうやらあのシカモアの木の場所、
naidoが見つかった場所のようだ。

しかし、ふと気づくと、つないでいたはずのローラの手はそこにはなく、ローラの悲鳴が響き渡る。


エンディングの曲、ジュリー・クルーズ『The World Spins 』はこちら👉Julee Cruise - The world spins - YouTube

※ここで、ジュリー・クルーズ登場!
ほとんどお変わりないような。

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あの日殺されたローラを救ったクーパー。
しかし、悲鳴と共にローラは姿を消す。
これから起きること、すべきことを
すべてわかっていたかに見えたクーパーだったが
これは想定外だったようだ。
クーパーが過去を変えたことで、
未来(現在)にどんな影響が出てしまうのか?
戻ってきた(戻れるのか?)クーパーを何が待ち受けているのか?
ジュディとは何なのか?
すべてはサラ・パーマーが鍵を握っているんじゃないかという気がするが、果たして?
クーパーの言うカーテンコールとは?

今エピソードは、ピート・マーテルを演じ、
1996年に亡くなったジャック・ナンスに捧げられている。
丸太おばさんを演じ、撮影後に亡くなったキャサリン・コウルソンはジャック・ナンスの元妻。

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⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


👇前シリーズ『ツイン・ピークスBlu-rayはこちら

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ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

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旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

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ツイン・ピークス The Return Episode 16《第16話》

EPISODE 16


ツイン・ピークス:某所

バッド・クーパーとリチャードを乗せた車が
夜道をひた走る。
二人はレイから手に入れた座標の場所に向かっているのか?
やがて舗装道路を外れ、
バッド・クーパーは車を止める。

「それで?着いたみたいだけど、この後は?」
「注意してろ、じきにわかる
俺はある場所を探してるんだ
その場所が何なのか、わかるか?」
「場所?」
「三人の人間からその場所の座標を聞いた
うち、二つの座標が一致した
お前だったら、どうする?」
「二つが一致したとこを探す」
「お前は賢いな、リチャード
二つの座標が一致した場所はすぐそこだ
その先を示してる」
「あそこへ行くのか?」
「ああ、今すぐ行ってみよう」

バッド・クーパーが示した場所、
それは丘を登った先の大きな岩だった。

二人の様子を岩とは反対側から見ていたのは、
ジェリー・ホーンだった。

「人か?」

双眼鏡取り出し、反対側から、
しかも片目だけで覗き込むジェリー。

「ああ、神様!」

「あれがそうか?」
「ちょうどあの岩の上にあたるはずだ
俺の方が二十五も年上だよな?
これを持ってあの岩に乗れ
近づくとピーピー鳴る
音が長く続くようになったら、その場所ってことだ
何か見つけたら、知らせろ」

バッド・クーパーに探知機のようなものを渡され、
丘を登って行くリチャード。
岩の上に上ると音が断続的に鳴る。

「よし!ここだ!」

そう叫んだ瞬間、リチャードは電気に打たれる。
電気に打たれ続けたリチャードの身体は
ついにボンっと弾け飛ぶ。

それを見て、倒れこむジェリー。

舌打ちをしたバッド・クーパーはこうつぶやく。

「じゃあな、息子よ」

「悪い子だ!悪い双眼鏡だ!
お前はなんて悪い双眼鏡だ!
なんて悪い双眼鏡なんだ!お前は!
悪い子だ!」

双眼鏡を地面に叩きつけるジェリー。

車を止めた場所まで戻ったバッド・クーパーは携帯でメッセージを送る。

:- )ALL.
:ー)すべて

送信は失敗に終わる。

「じゃあな、息子よ」
リチャードの父親はバッド・クーパーだったのか?
バッド・クーパーはオードリーといつの間にそんなことに?
バッド・クーパーは三人の人間から座標を手に入れたと言っていたが、レイ、コンビニエンスストアでフィリップ・ジェフリーズに再会した時に白煙に浮かび上がった数字、あと一人は誰だ?
ジェリーの役割ははっきりしない。
そして、:- )ALL.とは、
どういう意味なのか?


■ラスベガス:ダグラス・ジョーンズの自宅付近

ツナギ姿のシャンタルとハッチを乗せたバンがダギーの自宅付近に止まっている。
ダギーが姿を現わすのを待っている。

スナック菓子を食べているシャンタル。

「今朝、鳥の声、聞いたか?」
「うるさかったからね」

黒塗りのセダンが二台、ダギーの自宅前に止まる。
いかにもFBIといった車。

「誰だ?ありゃ」
「一体何しに来たんだろう?」

ダギー宅の玄関に向かっているのは、ランドール・ヘッドリー特別捜査官とウィルソン捜査官だ。

「どうやら、誰もいないみたいですね」
「ほー、そうか、
さすが素晴らしい推理だな、シャーロック
このボンクラが!さっさと車をどっか見えない所へ止めて、この家を見張っとけ!」
「了解」

「ああ、ちょっと
じゃあこの後、勤め先の方へ行ってみるとしよう
ラッキー7保険だ
ウィルソン!!さっさと動け!!」

FBI一行の車が、立ち去る

「そうそう、帰れ!」

FBI一行を見送るシャンタルとハッチ。

※シャンタルとハッチの最後のターゲットは
やはりダギー・ジョーンズ。
しかし、この時点では、FBIラスベガス支部もハッチェンス夫妻もダギー(クーパー)が感電事故で入院していることを知らない。


■ラスベガス:病院

フォークをコンセント口に入れて感電したクーパーは入院中。
今だ意識不明のまま。

ベッド脇にはジェイニー・Eとサニー・ジムの姿がある。
そこへ、ラッキー7保険のブッシュネル社長が。

「君から聞いた通りのことを言われたよ
昏睡状態ではあるが、脈や呼吸は異常なし!
強い男だ」
「ええ、でも昏睡状態のまま、何年も眠り続ける人もいるみたいだから」
「いやあ、ダギーはそんなことにはならんよ」
「ママ、昏睡状態って電気となんか関係あるの?」
「いえ、ないわよ」
「まあ、電気でこうなったんだがな」

そこへ今度はミッチャム兄弟の一行が
見舞いにやって来る。

「ブッシュネル、知らせを聞いて飛んで来た」
「こちらはミッチャム兄弟といってね、ジェイニー・E
二人はダギーの友達なんだ」
「ああ、どうも、ほらっ、サニー・ジム
こちらのお二人はね、あの遊具セットを下さった方よ
あと車も、本当にありがとうございました」
「ありがとうござました」
「礼だなんて、子どもは遊具セットで遊ばないとな」
「君が息子さんか、強そうだな」
「で、考えたんですがね
その、こういう時はとても料理なんてできないでしょう?」
「と言っても、病院の食い物は食いたくない
だけど、子どもはちゃんと食わんといかん」

キャンディ、サンディ、マンディがサンドイッチを運んで来る。

「はい、どうぞ、
これ、フィンガー・サンドイッチっていうのよ」
「食ってごらん、そう指でつまんで食うんだ
だからフィンガー・サンドイッチって名前なんだよ」
「ああ、それじゃあ、みんなで外で食べよう」
「いや、いや、いや、すぐに失礼する
みなさんでどうぞ
我々はただ少しでも助けになれればと
それと、ダギーへの敬愛の気持ちです」
「いやあ、でも、こうして見ると元気そうだな」
「ええ、そうなの、先生もよくなる見込みはあるって」
「もし、よければですが、鍵をお借りできますか?
お宅の方にも食料なんかを運んでおこうかと」
「ああ、あっは、あらまあ、すみません、
これです、助かります」
「で、結局、何だったんです?電気ですか?」

※義理人情に厚いミッチャム兄弟。


サウスダコタ州:バックボーン

FBI支部と化したホテルの一室。
様々な機器が動いている。
ゴードン・コールの渋い顏。


■ラスベガス:病院

「ママ、オシッコ、行きたいんだけど」
「わかった、じゃ一緒におトイレ探しに行きましょ」

二人が病室を出て行き、ひとり残されたブッシュネル社長。
すると、ラッキー7保険のフィル・ビズビーから電話がかかってくる。

「はい、ブッシュネル」
「あ、フィル・ビズビーです」
「どうした?フィル」
FBIがダギーを探しに来ました」
「何だって?」
FBIです」
FBIが?」
「ええ、ダギーを探してます」
「ダギーを探してる」
「そうです」
「何をしたっていうんだ?昏睡状態だぞ」
「ええ、ですが、その、えっと…」
「病院にいると言ったのか?」
「ええ、そしたら出て行きました」
「そう言った?いつ出て行ったんだ?」
「10分くらい前です」
「わかった」

電話を切ったブッシュネル社長の思案顔。
クーパーの顏をのぞき込むが、変化なし。


■ラスベガス:ダグラス・ジョーンズの自宅付近

シャンタルとハッチは相変わらずダギーが姿を現わすのを待っている。
スナック菓子を食べ続けているシャンタル。

周囲を巡回中のウィルソン捜査官の車がハッチェンス夫妻のバンの向かい50メートルほどの位置に止まる。

「長い一日になりそうだな
あいつ、覚えてるか?サニー」
「うん」
「死んだってさ」
「へー」
「いいヤツだった、金、借りてたんだよ」
「悪いとか思ってんの?」
「いや」

そこへジョーンズ家の家の鍵を預かったミッチャム兄弟のリムジンがバンを従え、差し入れを届けにやってくる。

「何が始まんだ?
あん中のひとりがダギーか?ダグラス・ジョーンズ」
「どいつがうちのボスに似てるっていうんだよ!バカ!
あの中にダギーはいない」
「何、イライラしてるんだよ?」
「これで最後なんだよ!最後!
もう、これが最後の一袋なの!」
「今、生理中か?」
「だったら、なんだっていうんだよ!」
「べつに」

キャンディ・サンディ・マンディの三人が差し入れを家の中に運び込んでいる。

「なんだ、あれ?まるでサーカスのパレードだね」

見張り中のウィルソン捜査官。

「でっかいリムジンにピンクの服の女
ダグラス・ジョーンズはいない」

荷物を運び終えたミッチャム兄弟のバンが去ると
入れ替わりに、車体に“ZAWASKI accounting.inc”の名が入った車がハッチェンス夫妻のバンの前に止まる。
車の持ち主は会計士のようだ。

「なに?この車」

「ちょっと、どうも
車が入れられないんだが」

車から降りてきた男はここの住人らしい。

「このままでも入れんだろ?」
「あんたんちなんか、かすってもいないだろうが
ふざけんなよ!わかったら、消えな!!」
「車を動かす」

そう言って、自分の車に戻った男はアクセルをふかして、ハッチェンス夫妻のバンにぶつかってきた。
アクセルをふかし続け、無理矢理バンをどかそうとする。

「くっそー、なめやがって!」

腹を立てたシャンタルは男の車のフロントガラスに一発、撃ち込む。

「何やってんだよ、シャンタル!」
「あいつがなめた真似するから、ムカついたんだよ!」

車を降り、トランクから銃を取り出した男が反撃。
シャンタルは腕を撃たれる。

「シャンタル!」
「うーっ、腕をやられた!」
「なんだよ!計画がメチャクチャだよ!」

ハッチがショットガンで応戦。
ハッチェンス夫妻はこの場はひとまず逃走しようとするが、男が持っていた銃はマシンガンだった。

ハッチェンス夫妻は男のマシンガンで蜂の巣となり、
いかにも殺し屋夫婦らしい最期を遂げる。

突然、始った銃撃戦に
銃を手に外へ出てきたミッチャム兄弟。

「おい、ここのご近所、どうなってんだ?」
「みんな、いろいろストレス抱えてるんだよ」
「そうだな」

FBIだ!銃を置いて、手を上げろ!
今すぐ、銃を置いて、手を上げろ!」

ウィルソン捜査官の指示に素直に従う会計士の男。

※突然の闖入者によって、またしてもダギー(クーパー)への刺客は退場させられる。
それにしても、マシンガンで蜂の巣
ハッチェンス夫妻に似合いすぎる最期。


■ラスベガス:病院

昏睡状態のクーパーを見守るブッシュネル社長。
すると、どこからか、妙な音が聞こえてくる。
ベンジャミン・ホーンのオフィスやグレート・ノーザン・ホテルのボイラー室で聞こえていた音と同じ音だ。
その音に誘われるように病室を出て行くブッシュネル社長。

すると、ベッド脇の椅子に片腕の男が姿を現わす。
目を覚ますクーパー。

You are awake.
目を覚ましたな

「完全に目覚めた」

Finally.
ついに
The other one…
もう一人は
He didn't…
戻って…
go back in.
こなかった
He's still out.
まだ外にいる
Take this.
これを

そう言って片腕の男はクーパーにあの指輪を渡す。

「タネは持っているか?タネは持っているのか?」

クーパーが尋ねると、片腕の男は金色の玉を見せる。

「もう一つ作ってもらいたい」

クーパーはそう言って、自分の髪を抜いて片腕の男に渡す。

I understand.
分かった

片腕の男はクーパーから受け取った髪の毛をポケットにしまう。

そこへジェイニー・Eとサニー・ジムが戻ってくる。

「ダギー?」
「パパ!」
「やあ、サニー・ジム!」
「よかった…ダギー」
「やあ、ジェイニー・E!」

ブッシュネル社長も病室に戻ってくる。

「ダギーが戻ってきた!思った通りだ!」
「ジェイニー・E、今すぐドクターを呼んできてもらえると助かる
サニー・ジム、ママと一緒に行きなさい」
「行きましょう」
「ブッシュネル、そこのサンドイッチを取ってくれ
腹ペコだ」
「社から連絡があった、FBIが君を探してるそうだ」
「素晴らしい!」
「なんだか強くなって戻ってきたようだな」

ジェイニー・Eとサニー・ジムがドクターを連れて戻ってくる。

「ああ、ちょっと、もう、何してるんですか!」
「点滴はもう必要ない、バイタルが正常かどうか確認してもらいたい、退院する
ブッシュネル、私の服を取ってくれ
その後ろのキャビネットだ」
「ダギー、そんなことして、本当に問題はないの?」
「まったく問題ない」
「確かにこれなら問題なさそうね
退院許可の書類を用意します」
「ジェイニー・E、車を正面に回しておいてくれ
では、着替える、下で落ち合おう」
「わかった、行くわよ、サニー・ジム、
パパが車を取ってきて欲しいんですって」
「ありがとう、ブッシュネル」

我が夫と我が父の変わりように、ジェイニー・Eとサニー・ジムも驚きを隠しきれない。

「パパ、いっぱいしゃべってたね」
「ええ、ホント、いっぱいしゃべってたわね」

病室では、もちろん自分で着替えているクーパー。

「ブッシュネル、その左脇のホルスターに入れている32口径のスナブノウズを貸してもらいたいんだが」
「了解だよ、ダギー」

クーパーに銃を渡すブッシュネル社長。

「何か問題はないか?何でもするから、言ってくれ」
「ミッチャム兄弟と電話で話したいんだが」
「お安い御用だ、個人的な番号を聞いてる
短縮ダイヤルに入れておいた
もしもし、ああ、ブラッドリーか?
ああ、ロドニー、実はその、ちょっと待ってくれ
ダギーが話したいと言っている」
「ロドニー、20分後に家族をカジノへ連れて行く
ロビーで待っててくれ」
「ああ、何でもするぞ!」
ワシントン州スポケーンへ飛びたいんだが」
「今すぐ自家用ジェットの燃料を満タンにする
ブラッドリー、ワシントンのスポケーンへ飛ぶぞ!」
「では、20分後にロビーで落ち合おう」
「了解した」

「そうだ、満タンにな、スポケーンへ飛ぶ」
「よし、行こう!ロビーで出迎える」
「お嬢さんたち!飛行機に乗るぞ!」
「何する気だろうな?」
「よーし、行くぞ!急げ!」

「ゴードン・コールという男からここに電話がかかってくるだろう
かかってきたらこれを伝えて欲しい」

クーパーはそう言って、ブッシュネル社長にメモを渡す。

「あなたは尊敬すべき人物だ
あなたの親切と良識ある振る舞いは忘れない」

立ち去ろうとするクーパーにブッシュネル社長が声をかける。

FBIはどうする?」
「私がFBIだ」


病院正面に車を回しクーパーを待っていたジェイニー・Eとサニー・ジム。

「代わってくれ、運転する」
「でも、ダギー…」
「ジェイニー・E、心配ない」
「一体、どうしちゃったのよ?ダギー」
「シートベルトをして」

さっそうと走り出すBMW
入れ替わりに、FBIの車列が病院に到着する。

「ジェイニー・E、シルバー・ムスタングへの道を教えてくれ」
「もう、ギャンブルには手を出さない約束でしょう?」
「ミッチャム兄弟に会いに行くんだ」
「パパ、運転出来るんだね!すっごく上手いよ!」

※とうとう!ついに!
デイル・クーパー捜査官が帰って来た!
いやあ、長かった!
そして、あの金色の玉!
あれは化身のタネだったのか!
クーパーが片腕の男に髪の毛を渡していたが、そのDNAを使って複製するということなのか?
バッド・クーパーもダグラス・ジョーンズもクーパー自身の意志で作られた化身だったのか?
そして、なぜクーパーは化身がもう一つ必要なのか?


サウスダコタ州バックホー

FBI一行が宿泊中のホテルのバー。
カウンターでは、ダイアンが酒を飲みながら、
タバコを吸っている。
携帯に届いたメッセージを確認するダイアン。
予期していなかったかのように、驚いている。

:- )ALL.
:ー)すべて

バッド・クーパーからのメッセージ。
気を落ち着かせるかのように、酒を飲み干す。

「覚えてる…ああ、クープ…覚えてる」

「うまく行くといいけど…」

つぶやきながら、ダイアンが送ったメッセージ。

48551420117163956

膝の上に置いたバッグの中には、銃が見える。
何かを決意したかのようにバッグの口金をしめ、
立ち上がったダイアンはエレベーターへと向かう。

向かった先は、FBI支部と化したホテルの一室。
ゴードン・コールはダイアンが部屋に向かっていることを察知していたようだ。
ダイアンがドアをノックをする前に声をかける。

「ダイアン、入ってくれ」

部屋には、アルバートとタミーも待機している。
ダイアンが話し始める。

「クーパーが私を訪ねてきた夜のことを聞いたわね?
それを話しに来た」
「何か飲むか?」
「ええ」

「あれはクーパーからの音信が途絶えて三年か四年くらい経った頃よ
私はまだFBIに勤めていた
ある夜、ノックもなく、ベルも鳴らさず、
彼が入ってきた
私はリビングに立っていたの
彼に会えて嬉しかった
思いきり抱きしめたわ
それから二人でうちのソファに座って話し始めたの
私は全部聞きたかった
彼がどこにいて、何をしてきたのか
彼が知りたがったのは、FBIのその後の様子だけ
尋問されているような気がした
でも私、自分に言い聞かせた
彼はFBIの情報が気になるだけだって
そしたら彼の顔が近づいてきて、私にキスした
それは前にも一度あったことよ
でも、感じた
彼の唇が触れた瞬間、何かがおかしいって
そして、怖くなった
彼は私の恐れを見抜いてた」

「彼、笑ったの、笑ったのよ、彼の顔が
その時だった、彼にレイプされたの
彼にレイプされたのよ!
その後、外へ連れ出された
連れて行かれた先は、古いガソリンスタンドだった
そう、古いガソリンスタンドだった」

泣きながら、そこまで話すとバッド・クーパーからのメッセージを確かめるダイアン。

:- )ALL.
:ー)すべて

「私は保安官事務所にいる…
保安官事務所にいる…
彼に座標を送ったの、保安官事務所にいる!
だって、だって!
私じゃないから!
そう、私は私じゃない!
そうよ、私は私じゃない!」

バッグから銃を取り出し、撃とうとするダイアン。
しかし、逆に、素早く銃を抜いたアルバートとタミーに撃たれる。

しかし、撃たれたはずのダイアンの姿は消える。
後に、何の痕跡も残さずに消えてしまう。

「びっくり!
本当だったのね、今のが本物の化身」
「保安官事務所だと?」


※まさか、ダイアンも化身だったとは!
ということは、ダイアンとバッド・クーパー
化身同士が連絡を取り合っていたことになる。
私は保安官事務所にいる、ということは
本物のダイアンはNaidoなのか?
ダイアンが部屋へ向かうシーンで印象的に使われているのは、この曲 、Muddy Magnolias 『AMERICAN WOMAN 』のデヴィッド・リンチREMIX
👉Muddy Magnolias - American Woman (Slowed David Lynch Style) - With Twin Peaks Visuals - YouTube


■ブラックロッジ:赤いカーテンの部屋

椅子にはバックホーンのホテルの部屋から消えたダイアンの姿がある。
そして、片腕の男。

Someone…
誰かが
manufactured you.
作ったのだ お前を

「わかってるわよ!クソったれ!」

ダイアンの化身は最後の悪態をつく。
すると、ダイアンの顔面は仮面のように割れ
そこから黒煙が上がり、金色の球が出てくる。

白煙と共にダイアンの化身の身体は消え
後には、金色の玉、タネが残る。

※ダイアンの化身を作ったのはバッド・クーパーなのか?
ダイアンがクーパーにレイプされたと言っていたのは、文字通りのレイプではなく、化身を作られたという意味なのかもしれない。


■ラスベガス:シルバー・ムスタング・カジノ

カジノのロビーで一家を迎えるミッチャム兄弟。

「ダギー!よう、なんだよ、すっかり元気そうだな」
「元気そうだ!」
「準備万端、いつでも飛び立てるぞ!」
「どこへ行くの?」

不安気なジェイニー・E。

「すまない、ちょっと失礼する
ジェイニー・E、サニー・ジム、いっしょに来てくれ」

クーパーは二人をスロットマシンのフロアへ連れて行く。

「なんだかダギー、自信たっぷりに話すようになったよな」
「昏睡状態になったせいか?」
「副作用だ!」

「しばらく遠くへ行くことになった
これだけは伝えておきたい
君たちと過ごせて、本当に楽しかった」
「何それ?」
「おかげで心が満たされた」
「ちょっと、何を言ってるの?」
「私たちは家族だ
ダギー、いや、つまり私は、帰ってくる」
「あなたはダギーじゃないのね?」
「えっ?嘘だ…
僕のパパだよね?僕のパパだよね?」
「ああ、君のパパだよ、サニー・ジム、君のパパだ
愛してる、君たち二人のことを」

「もう行かないと、すぐにまた会える
赤いドアから帰ってくる、そして、ずっとそばにいる」

「行かないで!」
「わかってくれ」
「あなたが誰でもいい、ありがとう」

キスでクーパーを送り出すジェイニー・E。

※ずっと赤ん坊状態だったクーパーだが、その間の記憶はしっかりとあるらしい。


■ラスベガス:ミッチャム兄弟のリムジン

「ダギー、もう一回、整理させてくれ」
「待った待った、俺もそれを聞きたい
キャンディ、ブラッディメアリーはまだか?」

「保険会社ってのは嘘で、実はFBI捜査官だが
この二十五年、行方不明だった
で、俺たちはあんたをツイン・ピークスって町の保安官事務所へ連れて行く必要がある」
「ダギー、あんたを好きだ
でも俺たちは昔からそういった場所じゃ歓迎されないんだよ」
「というか、そういった人たちにな
警察関係の方々には」
「言いたいことは理解した
友よ、それももう変わる
君たち兄弟が黄金のハートを持っていることは
この私が保証する」
「本当よ、本当に持ってるんだから」

キャンディの賛同にご満悦のミッチャム兄弟。


ツイン・ピークス:ロードハウス

ロードハウスの今夜のゲストは
Edward Louis Severson III

演奏している曲 Eddie Vedder『Out of Sand 』はこちら👉Eddie Vedder Out of Sand Twin Peaks - YouTube

演奏の途中で、オードリーとチャーリーが店に入ってくる。
カウンターに陣取った二人はマティーニを注文。
演奏が終わったタイミングでマティーニが運ばれてくる。

「では、君と私に乾杯だ」
「ビリーに乾杯」

再び、舞台にMCが登場。

「それでは、ここで踊っていただきましょう!
オードリーのダンスです!」

ダンスフロアにいた人々が場所を開け、
突然のことに戸惑うオードリーに舞台を整える。
音楽が始まり、ゆっくりとフロアの中央に出ていったオードリーが踊り始める。
二十五年前に踊ったように。


「モニーク!モニーク!
俺の女房に何しやがんだよ!
ふざけやがって!」

突然、男が出て来て、怒鳴りながら他の男にビンを投げつける。
殴り合いが始まり、騒然とする店内。

チャーリーの元へ駆け戻るオードリー。

「チャーリー、ここから連れ出して!」

そう言った瞬間、オードリーはロードハウスから別の場所へ移動している。
鏡の中の自分の姿を見ているオードリー。

「何?何なの?何?何?」

※おい!おい!おい!
オードリーも化身なのか?
そう言えば、オードリーは《第13話》で
自分じゃないってことだけは、はっきりわかるって言ってなかったか?
(詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 13 《第13話》 - 極私的映画案内

二十五年前と同じようにオードリーが踊る。
アンジェロ・バダラメンディ『Audrey's Dance 』はこちら
👉Angelo Badalamenti - Audrey's Dance (Twin Peaks OST) - YouTube

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほど、ダイアンは化身だった。
しかし、オードリーも?
残りあと二話。
此の期に及んで、もう何がなんだか…。
しかし、クーパーはツイン・ピークスへ向かった。
ゴードン・コールへのクーパーの伝言もブッシュネル社長に託された。
いよいよ、役者がツイン・ピークスに集結する。

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


👇前シリーズ『ツイン・ピークスBlu-rayはこちら

👇前シリーズの前日譚『ツイン・ピークス:ローラ・パーマー最期の7日間』Blu-rayはこちら

👇アンジェロ・バダラメンティによるサウンド・トラックはこちら

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ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

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旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

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ツイン・ピークス The Return Episode 15《第15話》

EPISODE 15

ツイン・ピークス:ビッグ・エドのガソリンスタンド

ネイディーン・ハーリーがDr.アンプ(Dr.ジャコビー)の金色のシャベルを担いで歩いて来る。
彼女が向かっているのは、“ビッグ”エド・ハーリーのガソリンスタンド。

エド!」
「ネイディーン」
エド、あなたに話がある」
「なあ、車は?どうやって来た?」
「歩いて」
「歩いた?で、そのシャベルは?」
「これが話したいことなのよ」
「それが?」
「そうよ、あなたにこう言いたかったの
私は変わった」
「変わった?」
「ええ、エド、あなたを心から愛してる」
「わかってるよ、ネイディーン」
「でも、あたし、最低だった!
ずっと、自分勝手ばかりやってきて
なのに、あなたは優しかった」
「どうした?」
「聞いて、エド、あたし知ってたの
あなたとノーマがずっと両想いだったって
なのに、嫉妬して、愛し合う二人を引き裂いてた
あなたの優しさにつけ込んでね」
「いいや、そんなことはない」
「私はあなたに罪悪感を背負わせ、縛り付けたのよ
誠実なあなたは私といるために自分の愛をあきらめた
エド、あなたをもう自由にしてあげたい
あたしなら大丈夫!
このシャベルが何か聞いたわね?
これでクソを掘って、外へ出るの」
「ジャコビーの番組を観たのかな?」
「ええ、観てるわよ」
「ネイディーン」
「私の心配はいい、ノーマのとこへ行って
残りの人生を愛する人と楽しんで
私も幸せよ、すっごく!
二人が幸せなんだって思うだけでうれしいの
エド、愛してる、これからもずっと
でも、真の愛とは、人の幸せを願い、
身を引けることなのよ
まったく、不器用な人ね!
素敵なハッピーエンドじゃない!」
「ネイディーン、よく考えたほうがいい
君は自分が何を言ってるのかわかってないんだ
明日になったら、今言ったことをきっと後悔するぞ」
エド、言ったでしょ!
ここまで歩いてきたんだって
考える時間はたっぷりあった
それでも、ここへ来たの
これで間違いないって、確信してる証拠よ
Dr.アンプに感謝してね
つまり、ジャコビー先生によ
ずばり、核心をついてくれるのは先生だけだわ
じゃ、まとめると、エド、あなたは自由よ
さあ、幸せになって!」

晴れやかな表情でエドを抱きしめるネイディーン。
エドは感無量といった表情で、去っていくネイディーンを見つめる。

※ネイディーンにとって掘って出るべき“クソ”は、
自らの嫉妬心だったということか。
Dr.アンプ(ジャコビー先生)のインチキ商売かと思ったら、金色のシャベルにこんな効用があったとは!


ツイン・ピークス:RRダイナー

自由を得たエドはノーマの元へ駆けつける。

「ノーマ、すべてが変わった
さっきネイディーンと話したんだが
俺を自由にしてくれるそうだ」
エド、ごめんなさい、ウォルターが来たから」

エドの報告に一瞬嬉しそうな表情を浮かべたノーマだったが、ちょうど共同経営者のウォルターが訪ねて来る。

出鼻をくじかれたエドはカウンターに座る。
シェリーが注文を聞きにくる。

「何にする?エド
「じゃ、コーヒーを」
「すぐ用意する」
「それと、青酸カリだ…」

ノーマにウォルターの訪問を優先されて傷付くエド
奥のボックス席に座るノーマとウォルター。

「今日来てもらったのは、
伝えたいことがあったからなの」
「名前をノーマのRRに変える
決心するって思ってた」
「いいえ、そうじゃないのよ
売買選択権を行使しようって、思ってるの」
「ええっ?冗談だろ?」
「いいえ、聞こえた通りよ」
「だが、何故?」
「家族の事情」
「君に家族はいなかったはずだが」
「いいえ、素晴らしい家族がいるわ
彼らのことを大切にしたいの
店舗を増やして気を揉むのは、私には無理だったのよ
家での時間を大事にしたい」

エドの元にコーヒーが運ばれて来る。
まるで審判を待つようにじっと目を閉じるエド

「僕には理解出来ないが、君の決断は尊重するよ
君と一緒に成功したいと思っていたから
実に残念だが」
「あなたはきっと成功するだろうし、
そうなることを願ってるわ
でも、規約通り、私はこの一軒を守るから
あなたは私から他の店舗の株を買えばいいわ」
「もうすぐ七軒だ
七つの店が幸せな客であふれていたはずなのに」
「私はここだけで幸せなの」
「念のため、ひと言言っておくが、
君は大きなミスを犯した
きっと後悔することになる」

ウォルターが店を出ていく。
じっと目を閉じたままのエドの肩にノーマの手が置かれる。
この瞬間を待ち続けていたエドはノーマに向き直り、
二人は笑顔で見つめ合う。

「結婚しよう」

とうとうその言葉を口に出来たエド
キスで応えるノーマ。

「もちろんよ、エド

二人を祝福するシェリー。

※文字通り、二十五年という時間の重みを感じるシーン。
お互いに(観ている視聴者も)年をとったエドとノーマがようやく結ばれたこのシーンには感無量。
このシーンで使われているのは、タイトルからしてぴったりのこの曲。
Otis Redding『I've Been Loving You Too Long 』はこちら
👉Otis Redding - I've Been Loving You Too Long - YouTube


■ハイウェイ

夜道をひた走るバッド・クーパーの車。
やがて見えてきたのは、
二十五年前、フィリップ・ジェフリーズが見つけたと言っていたコンビニエンス・ストア
店の前には案内するかのようにWoodsmanの姿が。
店に二階はないが、店の脇の階段を上っていくWoodsman の後を追うバッド・クーパー。
しかし、二人の姿は階段の途中で消える。

部屋の中に入ったバッド・クーパー。
部屋の片隅の椅子に座っているWoodsman 。

「フィリップ・ジェフリーズを探している」

バッド・クーパーがこう告げると、Woodsman は何かスイッチのようなものを操作する。
浮かび上がるJumping Man の姿。

もう一人のWoodsman に案内され、部屋の奥へと進むバッド・クーパー。
廊下の突き当たりの階段を上がった先のドアを開けると、そこは屋外だった。
雨上がりのように、所々に水たまりがある。
そして、その向こうにはモーテルのような建物。
ひとつのドア、8号室の外の明かりだけが点いている。
バッド・クーパーがドアノブを回そうとするが、
鍵がかかっている。
すると、寝間着姿の女が近づいてくる。

I'll unlock the door for you.
ドアの鍵を開けてあげる

女はそう言うと、8号室の鍵を開ける。
部屋の中には、大きなソケットのような物体。
湯沸かしのように煙を吐き出している。

「ああ、お前か」
「ジェフリーズ」
「なんてこった!」
「レイに俺の殺しを依頼したな」
「何?レイに電話はした」
「つまり、依頼したんだろう?
五日前、俺に電話したか?」
「お前の番号を知らない」
「じゃあ、あれは別の誰かか?」
「昔はよく話した」
「ああ、そうだった」

フィリップは声だけで、姿は見えない。

さてと、先に言っておくが、
俺はジュディのことは話さないし
ここで話題にするつもりもないから

「1989年だ、
お前はFBIフィラデルフィア支部に現れ
ジュディに会ったと言ったんだ」
「つまり、お前はクーパーか?」
「フィリップ、何故ジュディの話をしたがらなかった?
ジュディとは誰だ?
ジュディは俺に何か用があるのか?」
「直接、ジュディに聞いたらどうだ?
俺からお前に教えよう」

吐き出される白煙に浮かび上がる数字。
4、8、5、5、1、4…
メモを取り出すバッド・クーパー。

「ジュディとは誰だ?」
「お前はもうジュディに会ってる」
「もう会ってるとはどういう意味だ?」

その時、部屋の隅の昔ながらの黒電話が鳴り出す。

「ジュディとは誰だ?何者なんだ?」

バッド・クーパーが電話をとると、
その瞬間、彼の身体はコンビニエンス・ストアの外の公衆電話に移動している。
何も言わずに電話は切れる。

電話を切ったバッド・クーパーに銃を向け
待ち構えていたのは、リチャード・ホーンだった。

「農場で見て、すぐわかった、FBIだろ?」
「どうして、そう思う?」
「前に写真で見た、あんたはスーツでキメて
そばに来んなっ!」
「その写真はどこで見た?」
「母親が持ってた」
「お前の母親は?」
「オードリー・ホーン
で、あんたはクーパーだ」

それを聞いたバッド・クーパーは唾を吐いたかと思うと、一瞬でリチャードから銃を奪い殴り倒す。

「二度とふざけた真似するな
トラックに乗れ、おしゃべりしよう」

リチャードはおとなしく車に乗る。
バッド・クーパーは携帯でメッセージを送る。

Las Vegas ?
ラスベガスは?

リチャードを車に乗せたバッド・クーパーが去ると内部で発光したコンビニエンス・ストアは白煙と共に暗闇に消える。

エド・ハーリーのガソリンスタンドは元々《第8話》に出てきたガソリンスタンドじゃないかと思ってましたが、《第8話》のあれは、ガソリンスタンドというより、コンビニエンスストアでしたね。
ブラックロッジの面々が集うコンビニエンスストアの二階の部屋については、デヴィッド・ボウイ演じるフィリップ・ジェフリーズ捜査官が『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』で見つけたと言ってましたね。
そこには、Jumping Manの姿も。

コンビニエンスストアの二階の部屋は、『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』の中でローラがトレモンド夫人から受け取った絵に描かれていた部屋。

バッド・クーパーがWoodsman に案内されて上る階段は、バックボーンでゴードン・コールが渦の中に見た階段だった。

「もうジュディには会っている」というジェフリーズ。
ジュディとは誰なのか?
そして、再び謎の数字。

バッド・クーパーが携帯から送ったメッセージはダイアンに宛てたもの。
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 12 《第12話》 - 極私的映画案内
それに対するダイアンの答えは、
THEY HAVE'NT ASKED YET.
“Las Vegas?”とは、ダンカン・トッドのことか?
それともダギーのことなのか?
ダギーのことだとすれば、ブリッグス少佐の胃から発見された結婚指輪の件で初めてダギーについて知ったかのように振舞っていたダイアンは、すでに知っていたことになる。


ツイン・ピークス

森の中を犬を散歩させている男Cyril Pons

大きな木の根元で身を寄せ合っているのは、
シェリーの娘ベッキーの夫スティーヴン・バーネットとヘイワード家の三番目の娘ガースティンだ。
スティーヴンは興奮状態で、手に銃を持っている。

「なんで?」
「理由なんかねえ、俺がやった」
「違う、そうじゃない、彼女よ、彼女がやったの」
「俺だよ、そう、俺がやった」
「違う、ダメよ、スティーヴン
スティーヴン、やめて、あなたは何もしてない
あなたはハイになってたのよ
彼女に何をされたの?銃を私に渡して」
「お前も俺と来るか?」
「いいえ、あなたは行かないのよ」
「俺を見ろ、俺は高卒なんだ、高卒なんだよ」
「そんな…」
「わかるな?」
「ダメ、ダメよ、スティーヴン、お願い、やめて」
「こいつをここに入れる」

そう言うと、スティーヴンはカートリッジに弾をこめる。

「ええっ?ねえ、やめて」
「それから、そいつをここで、ここにぶち込む」
「ダメよ、スティーヴン」
「それで終わりに出来る
お前が来るのが見えたら、
もし、もしも、見えたらの話だけど、
だって、俺もう、死んでっから…
どこに行くのかな?サイがいる場所とか?
奇跡が起きるとか?そう願う…」
「いいから、もういいから、大丈夫」
「そのものになれるとか?
つまり、つまり、ほらトルコ石に…
なんか感じる…クソーっ!
終わりだ、カタをつける
お前は好きにしろ、お前が好きだった
言ったか?大好きだった
ケンカしてから、ヤルのが、好きだった
わかってるよな?
なんで泣く?なあ、泣くなって、やめろ、
俺まで泣ける、泣くな、なあ」

そこへ犬を連れたCyril Pons が通りかかる。
Cyril に見られた二人。
スティーヴンは慌てて銃を隠し、
ガースティンは別の木の根元に走って行く。
Cyrilも慌てて立ち去る。
そして、一発の銃声が響く。
取り乱し、放心して空を見上げるガースティン。

※スティーヴンは一体何をやったというのか?
ガースティンのアパートのドアを銃で撃ったのはベッキー
あの時、隠れていたスティーヴンとガースティンはその足で森の中に逃げてきたのか?
詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 11 〈第11話〉 - 極私的映画案内
それとも、スティーヴンはベッキーに何かしたのか?
いずれにせよ、スティーヴンは死を考えるほどに相当追い詰められている。
スティーヴンの言っていることは支離滅裂だが、
トルコ石とは、あの指輪のことかもしれない。
スティーヴンは指輪をどこで見たのか?
そして、スティーヴンは自らのこめかみを撃ち抜いてしまったのか?


ツイン・ピークス:ニュー・ファット・トラウト・トレーラーパーク

Cyril が森の中で目撃したことをトレーラーパークの管理人カール・ロッドに話している。

「あそこに住んでるヤツだ」

Cyril が指さしたのは、スティーヴンとベッキーが住んでいるトレーラーハウス。

※Cyril はスティーヴンと面識があった模様。
少なくとも、スティーヴンがトレーラーパークの住人だということは知っていたらしい。
Cyril Ponsを演じているのは、共同制作者、共同脚本家であるマーク・フロスト。


ツイン・ピークス:ロードハウス

ジェームズ・ハーリーとフレディ・サイクスの二人がビール片手に店の奥へと入ってくる。
奥のボックス席には、レネーと女友達とそれぞれのパートナーの姿がある。

ジェームズがレネーに声をかけると、
レネーの夫チャックが激怒、ジェームズを殴り倒す。
チャックの友人スキッパーも加勢し、倒れたジェームズを蹴りつける。
しかし、緑色の手袋をしたフレディの軽い一発でスキッパーもチャックも失神してしまう。

「ジミー、大丈夫?」
「ああ、なあ、誰か!二人はかなり重傷だ!
すぐに救急車を呼んでくれ!」
「あんまり力は入れてないんだけど、ごめん」
「いいんだ、助かった」

「ホントにすまない、レネー
こんなことになるとは思わなくて
悪気はなかったんだ
まずいな、目が完全にイッてる」

※フレディの緑色の手袋の威力は想像以上!
このシーンで使われているZZ Top の
Sharp Dressed Man 』はこちら👉ZZ Top - Sharp Dressed Man (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube


■ラスベガス:FBIラスベガス支部

デスクにはランドール・ヘッドリー特別捜査官の姿がある。
そこへウィルソン捜査官が報告にやって来る。

「到着しました
ダグラス・ジョーンズとその妻です
すぐ、尋問できます」

部屋を出る両捜査官。

「抵抗したか?」
「いや、まったく
子供たちには手こずりましたが」
「子供たち?複数形か?子供たち?!」

自分の失敗に気づき、逃げるウィルソン捜査官。
尋問室には寝間着姿のダグラス・ジョーンズの一家
明らかに、“ダグラス・ジョーンズ”ではない。

「ウィルソン!!」


■ラスベガス:ダンカン・トッドのオフィス

内線でロジャーをオフィスに呼びだすダンカン・トッド。

「なんでしょう?」
「アンソニーから連絡は?」
「ありません」
「ヤツを探してくれ!すぐに!」

その時、ロジャーの背後に忍び寄る影。
その人物は、一発でダンカン・トッドを仕留め
続いてロジャーも撃つ。
素早くその場を立ち去る、スーツ姿のシャンタル・ハッチェンス。

「もしもし?ちょっと待って…」

シャンタルの背後から聞こえるロジャーのうめき声。
戻ってきたシャンタルのとどめの一発。
ロジャーのうめき声は聞こえなくなる。

「そう、あと一人殺るだけ
フライドポテトがいい、ケチャップたっぷりで」

※ダグラス・ジョーンズ殺害司令に関わる死者は、
これで6名にのぼる。
シャンタルが言うあと一人とは、
ダグラス・ジョーンズのことか?


ツイン・ピークス:保安官事務所

ロードハウスで騒ぎを起こしたジェームズとフレディがホークとボビーに留置場に連行されて来る。

「その手袋野郎、今度は何した?」
「黙れチャド!」
「なんで警官が檻に?」
「ヤツに構うな!」
「ホーク、二人の容態は?」
「共にICU行きだ」

ジェームズとフレディを檻に入れ、
立ち去るホークとボビー。

「あれ、なんだ?」

ジェームズが向かいの檻で保護されているnaidoの存在に気付く。
言葉にならない声を発するnaido。
その真似をする酔っ払い。

※ジェームズとフレディがロードハウスで騒ぎを起こし、留置場に入れられたのは、おそらく、必然。


■ラスベガス:とある裏通り

ひと仕事終えたシャンタルとハッチが車の中でハンバーガーを食べている。

「政府はしょっちゅうやってるのに
なんで殺し屋だけが罪になんだよ?」
「ホントだよ、国は偽善者」
「なにが、キリスト教国だよ
いっそこう言えばいい、汝殺しまくれ!
慈悲をかけるな、誰も許すな
気取りやがって!所詮人殺し国家だ
先住民をほぼ全滅させたんだよな」
「そう、でも殺したら、あたしの楽しみは終わり
死体じゃ、いたぶりがいがない
もう、ずっと誰にも訪問できてないんだよ、ハッチ」
「だよな、最近はちっともチャンスがねえ」
「最悪…
知ってるよね?私が小袋のケチャップ嫌いなの」
「店にそれしかなかったんだ」
「デザートはあるの?」
「当たり前だろ」
「愛してる、ハッチ」
「俺もだ、シャンタル」

デザートを見て、満足気なシャンタル。

「いい夜だな」
「火星だ」

ジェニファー・ジェイソン・リーティム・ロス
この二人が演じる殺し屋夫婦、最高です。


■ラスベガス:ダグラス・ジョーンズの自宅


テーブルについているクーパー(ダギー)にチョコレートケーキを運んでくるジェイニー・E。

「どうぞ、ダギー」

ケーキを口に運ぶクーパー。

「どう?美味しい?」
「美味しい…」
「ああ、ダギー、夢がどんどん叶ってく、ホントに」
「ホント…」

テーブルの上のソルト&ペッパーやリモコンに気を取られながらもケーキを食べ続けるクーパー。
リモコンでテレビの電源を入れると、
画面に映し出されたのは、映画『サンセット大通り』の一場面。
クーパーはセリフの中に登場するゴードン・コールに強い反応を示す。
クーパーの視線は、壁のコンセント口に吸い寄せられる。

クーパーは手に持っていたフォークをコンセント口に差し込もうとするが入らない。
すると、今度はフォークの柄の方をコンセント口に差し込む。
感電したクーパーは倒れ、停電する。
家中にジェイニー・Eの悲鳴が響く。

「ママ!どうしたの!」

デヴィッド・リンチ演じるゴードン・コールの役名は『サンセット大通り』の中で、
グロリア・スワンソン演じる女優ノーマ・デズモンドが所有する車を貸してくれないかと言ってくる男ゴードン・コールから取られている。
ちなみに、映画の中で使われているノーマが住む屋敷は、レッドを演じているバルサザール・ゲティの曾祖父ジャン・ゲティの前妻が所有していた屋敷とのこと。


ツイン・ピークス:保安官事務所

オフィスのホークに丸太おばさん(マーガレット・ランターマン)から電話がかかってくる。

「マーガレット、どうかしたかい?」
「ホーク、あたし、死ぬの」
「残念だ、マーガレット」
「あなたは死を知っている
ただ、変化があるだけよ、終わりじゃない
ホーク、時間なの、少し怖さもある
手放すことが怖いのよ
あたしが言ったこと忘れないで
これ以上は電話では話せない
でも、あなたならわかるでしょ?
あたしたちがまだ、直接会って話せていた時の会話
あれに気をつけて、私があなたに言ったあれ
ブルーパイン・マウンテンに出てる月の下のあれ
ホーク、丸太が金色に変わってる
風がうめいてるの
あたし、死ぬわ、おやすみ、ホーク」
「おやすみ、マーガレット」

電話が切れる。

「さよなら、マーガレット」

そっと、つぶやくホーク。
月が雲に隠れる。

会議室では、トルーマン保安官がパソコンの画面を見ている。
ボビー、ルーシー、アンディが会議室に入ってくる。

「何事だ?」
「ホークに呼ばれたんです、ここに集まれって」

遅れて会議室に入ってきたホーク。

「マーガレット・ランターマンが今夜亡くなった」
「丸太おばさんが死んだ?」

静かに帽子をとるトルーマン保安官。
悲しみに沈む会議室。

マーガレットの家の灯りが静かに消える。

※現実に死を目の前にしているキャサリン・コールソンにこういう台詞を言わせるのは、少し残酷に感じる。
でも、番組の中で仲間たちと視聴者に別れを告げるこのようなシーンを用意する。
それも、彼女に対するデヴィッド・リンチの友情の示し方だったのかもしれない。


ツイン・ピークス:オードリー・ホーンの自宅

いまだに自宅にいるオードリーとチャーリー。

「もう無理だわ、電話を待ってられない
ビリーはあそこが嫌いだけど…
あらっ、コート着てるのね」
「ああ着てるとも、出掛けるんだろ?
ロードハウスへ行くんだよな
だから、コートを着た」
「ええ、そうだけど…
あなたって大した人ねえ、最低、フンッ」
「コートを着るんだ、オードリー
もう遅いし、私はすごく眠い、さあ、行こう!」
「文句を言うの、やめてくれる?
あなたってホント、ムカつく!
いちいち愚痴らなきゃ、人のために何か出来ないの?
どうせやるなら、黙ってやりなさいよ!
ずっと泣きごと聞かされてるこっちが滅入るわ!」
「コートを着るのか?
それとも私にダラダラと長話を玄関で聞かせる気か?」
「ビリーはあたしと一緒に出掛けてもあなたみたいな言い方は絶対にしないわよ、チャーリー」
「そうとも、なぜなら、私はチャーリーで、
そして、彼は、ビリーだから」
「で、私はビリーの方が好きよ」
「衝撃的だ!それで、コートを着るのか?
それとも、一晩中ここで話すのか?」
「ほーら、またそれ!
言わずにはいられないの?
たった、一秒でも!」
「オードリー、真面目な話
一秒あれば、私はコートを脱ぎ、今夜はここで過ごす
ロードハウスに行きたがったのは君で、私じゃない」
「信じられない、今こうして目の前で見えていることが
過去にはまったく見えてなかった
こんなことって、絶対にあり得ない!」
「今度は何なんだよ?」
「あなたよ、チャーリー
だって、昔のあなたは今みたいには
全然見えなかったもの
まるで別人を見てるみたい
あなた、誰なの?」
「わかった、コートを脱ごう」

そう言うと、チャーリーはコートを脱ぎ、
リビングのソファに座ってしまう。
それを見たオードリーはチャーリーに駆け寄り
摑みかかる。

「なんでいつもそうなのよ?
心の底から嫌いだわ!!大キッらい!!
どれだけ憎んでるか、わかってるの!!!」

※今だに出掛けられないオードリーとチャーリーの夫婦。
この二人の状況は、かれこれ《第12話》から一向に進んでいない。


ツイン・ピークス:ロードハウス

ボックス席にひとりで座り
舞台を見つめる若い女はルビー

バイカーらしき男が二人、彼女に近づいてくる。

「人を待ってるの」

二人に席を退かされたルビーは床に座り込む。
四つん這いのまま、少しづつ舞台に近づいていくルビーは何度も叫び声を上げる。
しかし、その声は音楽にかき消される。

今夜のバンドは、The Veils
演奏している曲『Axolotl』はこちら👉The Veils - "Axolotl" (ft. El-P) (Official Music Video) | Pitchfork - YouTube

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バッド・クーパーがフィリップ・ジェフリーズから電話を受けたのは五日前。
《第2話》でバッド・クーパーがダーリャを殺したモーテルでのこと。
スティーヴンとガースティンが森に逃げこんでくるまでの経緯は不明。
オードリーとチャーリーの状況は《第12話》から変化なし。
どうも、このシリーズは時間の進み方がそれぞれの場所で同じではない。
いずれ、それぞれの場所で起きた出来事について、
時系列で整理したいと思ってます。

今エピソードは、演じているキャサリン・コールソンではなく、丸太おばさんことマーガレット・ランターマンに捧げられている。

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


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ツイン・ピークス The Return Episode 14《第14話》

EPISODE 14


サウスダコタ州バックホー

FBI一行が宿泊中のホテル。
ゴードン・コールの部屋。

ゴードンがどこかへ電話をかけている。
電話をかけたのはツイン・ピークスの保安官事務所。
受付のルーシーが電話を受ける。
少しづつ噛み合わないゴードンとルーシーの会話。
ルーシーは早々にトルーマン保安官に電話を回す。

「ハリーか?私だ、ゴードン・コールだ
電話をくれたようだな」
「ああ、いやいや、
私はフランク・トルーマン保安官です
ハリーの兄です」
「ハリーはどうした?」
「身体を壊して今治療を受けているんです」
「そうか、それは心配だな」
「恐れ入ります、ハリーに伝えておきます」
「それで、情報というのは何だ?」
「ああ、お知らせしておこうと思いまして
その、奇妙な話なんですがね
実は、うちの副署長のホークがちょっと
気になるものを見つけたものですから
ローラ・パーマーの日記で、
破り取られてなくなっていたページが出てきたんです
クーパーが二人いる可能性を示す内容が
書かれていました
今は、それしかわかっていないんですが、
その、もしかして、
あなたには大事なことかもしれないので、ご連絡を」
「そうか、知らせてくれてありがとう、フランク
その情報に関しては、
何もコメントすることは出来ないんだが
連絡してくれて助かったよ
心から感謝する」
「わかりました、コール部長
その、了解しました」
「君とハリーに幸あらんことを
ハリーによろしく伝えてくれ」
「ええ、ありがとうございます、伝えます」

※破り取られてなくなっていたローラ・パーマーの日記について(クーパーは二人いる)の情報をFBIツイン・ピークス保安官事務所がこの時点で共有。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 7 〈第7話〉 - 極私的映画案内


サウスダコタ州バックホー

FBI一行が宿泊中のホテル。
すでに“支局”のオフィスと化している。

「タミー、“事件番号1”、これがすべての始まりだった
1975年、ワシントン州オリンピア
とある殺人事件を捜査していた時のことだ
二人の捜査官がその犯人、
ロイス・ダフィーの逮捕に向かった
部屋の外で銃声を聞き、中へ飛び込んでみると
部屋には二人の女性がいた
床に倒れた一人は、腹部に銃弾を受けて瀕死、
もう一人は、後ずさりしながら、
手に持っていた銃を取り落とした
撃たれた女性は、容疑者のロイス・ダフィーだった
彼女はこう言い残したそうだ
私は青いバラと同じ
ロイスは微笑み、息を引き取った
そして、彼らの目の前で消えてしまった
部屋の隅で叫んでいるもう一人の女性を見てみると
そちらもロイス・ダフィーだった
言っておくが、ロイスに双子の姉妹はいない
殺人罪での裁判を前に、ロイスは無実を訴え、
自ら首を吊って死んだ
彼女を逮捕した捜査官は、
ゴードン・コールとフィリップ・ジェフリーズだ
さて、ここで君が聞くべき質問は何だ?」
青いバラは何を意味するのか?」
「その答えは?」
自然界に青いバラはない
自然じゃないものよね?
死んでいった女性も自然じゃない
魔術的な、なんて言えばいいのかしら?
化身ね」
「よろしい」

ゴードン・コールが部屋に入ってくる。

「コーヒータイムだ!
アルバート、多分、わかったぞ!
すぐにダイアンが来る」

シェードを下ろした窓の外で、
窓のふき掃除が始まるが、
キュッキュッという音がゴードンの耳に触る。

ノックの音がして、
ダイアンが部屋に入ってくる。

「入ってくれ、ダイアン
まあ、くつろいで」

コーヒーを配るタミー。

「コーヒーでも飲め」
「アシスタントのダイアン到着」
「ダイアン
君が最後にクーパーと会った夜のことだが
もしも、ガーランド・ブリッグス少佐に関してあいつが何か話していたことがあれば、聞かせてほしい」
「あの夜のことは言いたくない」
「わかったが、とにかく、一つだけ教えてくれ
クーパーはブリッグス少佐の話をしていたのか?」
「はあ、クソゴードン…してた!」
アルバート
「ダイアン、知っての通り、我々は今ブリッグス少佐に関わる古い事件について調べている
少佐は二十五年前、政府の施設の火事で死亡した」
「ええ」
「はずだったが、
少佐はここ、バックホーンで死んだことが判明し
胃の中から、この指輪が
指輪には、文字が彫られている
“ダギーへ 愛をこめてジェイニー・E”」
「やだ、嘘でしょ」
「どうした?ダイアン」
「片方の親が違う姉妹がジェーンて名前なの
結婚した男の名前はダグラス・ジョーンズで
みんなにダギーって呼ばれてる
ジェーンのあだ名はジェイニー・E」
「で、どこに住んでる?」
「最後に聞いたのは、ラスベガス」
「最後にその子と話したのはいつだ?」
「あの子とは疎遠で…嫌いなのよ
だから、もう何年も話してない」
「タミー、ラスベガス支部に電話をつないでくれ」

※「私は青いバラと同じ」この言葉を残したロイス・ダフィーにはクーパーと同じように、化身(「青いバラ”と同様、自然界には存在しない)が存在した。
そして、ここで重要な事実が判明。
ダイアンとジェイニー・Eは片方の親が違う姉妹だった!
ジェイニー・Eとダギーの出会いについても
バッド・クーパーあるいは何者かの関与があったのかもしれない。


■ラスベガス:FBIラスベガス支部

ウィルソン捜査官ランドール・ヘッドリー特別捜査官にゴードン・コールからの電話を取り次ぐ。

「あの、ゴードン・コール副支部長から電話が入ってるんですが」
「ゴードン・コール?」

「コール副支部長、どうも」
「至急、情報を集めてもらいたい
ラスベガス在住のダグラス・ジョーンズと
その妻に関するあらゆる情報だ
その夫婦は二人の人間の殺害に関与しているらしい
おそらく、武装しているだろう
充分警戒して、捜査に当たってくれ」
「ダグラス・ジョーンズですね?わかりました」
「最優先で、頼んだぞ!報告を待っている
連絡先は部下に聞け!」
「了解です!」

「市街地だけでも二十三人のダグラス・ジョーンズがいるよ」
「どうやって探しゃあ、いいんでしょうね?」
「ウィルソン!
お前は何回言えばわかるんだ!何回言えば!
それが、FBIの仕事だろうが!」

デスクを激しく叩いて、ウィルソン捜査官を叱責するヘッドリー特別捜査官。

※ここで、サウスダコタ州バックホーンの事件とラスベガスがつながり、FBIがダギーとジェイニー・Eの捜索に乗り出す。
ダイアンと(おそらく)バッド・クーパーとのメッセージのやりとりの中で登場した“ラスベガス”ともつながった。


サウスダコタ州バックホー

再び、FBI一行が宿泊中のホテルの一室。

「ありがとう、ダイアン」
「ええ、じゃあ」

退出するダイアン。

「さっき、ここへくる前にツイン・ピークス
トルーマン保安官と電話で話をしたんだが
発見されたローラ・パーマーの日記の一部に
手がかりになりそうなことが書かれているそうだ
どうやら、クーパーが二人いると読めるらしい」

「そして、昨夜、
またしてもモニカ・ベルッチの夢を見たよ」
「やれやれ」
「私は捜査でパリにいた
すると、モニカから電話が
とあるカフェで会いたいという誘いの電話だった
話したいことがあると言うんだ
約束のカフェで落ち合うと、クーパーもそこにいた
だが、あいつの顔は見えなかった
モニカはとても感じが良くて、友達を連れていた
一緒にコーヒーを飲んだ
そして、モニカが古い格言を口にした」

私たちは夢を見て、夢の中に生きる
夢見人のようね

「私たちは夢を見て、夢の中に生きる
夢見人のようだと、彼女は言った
私はわかると答えた
すると、モニカは、
“でも、夢見人は誰?”と」

「そして、私は強烈な不安感に襲われた
モニカが私の背後を見て、
私にもそちらを見るよう合図してきた
何かが起きているらしかった
振り返るとそこには、昔の私が見えた
もう何十年も前、フィラデルフィア支部のオフィスにいる私の姿だった
その時、私は夢で見たことを案じるクーパーの話を聞いていた」

ゴードン、今日は二月十六日、時間は十時十分だ
とうとう、僕が夢で見たと言っていた日が来たんだ

「そうあれは、フィリップ・ジェフリーズ現れ、
現れなかった日だ」

「その日、オフィスに現れたフィリップ・ジェフリーズはさっと腕をのばして、クーパーを指差した
そして、私に言った」

ここにいるのは誰だと思う?

「クソぉ、すっかり忘れていたが、
これは考えてみるべきだ
興味深い!」
「ええ、私も思い出してきましたよ」

※ゴードン・コールが見た夢によって、二十五年前のフィリップ・ジェフリーズとクーパーの言動が大きな意味を持ってよみがえる。
デイル・クーパー、ゴードン・コール、ウィリアム・ヘイスティングス、オードリー・ホーン、夢見人は何人も登場する。


ツイン・ピークス:保安官事務所

会議室では、ブリッグス少佐がメモに残した場所、
ジャック・ラビット・パレスへ行くための準備が進んでいる。
ボビーがサンドイッチを調達してきた。

トルーマン保安官がチャドと一緒の会議室に入ってくる。

「古い話なんだよ、チャド
お前が来る、ずっと前のな」
「どこ行くんだよ?」
「山に登るんだ!」

ホークはそう言うと、チャドに銃を向ける。
ボビーがチャドの銃を奪い、保安官が手錠をかける。

「そしてチャド、お前を逮捕する!観念しろ」
「な、なんだよ、それ?どういうこったよ?」
「わかってるだろ?
アンディ、ボビー、下へ連れて行け!」
「こんなの大間違いだからな!」
「間違いを犯したのはお前だ!
この何ヶ月、見張ってたんだよ!
こいつのバッヂを取り上げて、ぶち込んどけ!」
「こんなの大間違いだからな」
「黙れ!」

※リチャード・ホーンに対する保安官への告発の手紙を握りつぶしたチャドが逮捕される。
ただ、チャドに対する容疑は犯罪の隠蔽だけではない様子。
おそらく、麻薬取引等の犯罪にも関与していたものとみられる。


ツイン・ピークス:山中

トルーマン保安官、ホーク、アンディ、ボビーの四人がブリッグス少佐が残したメモの場所
ジャック・ラビット・パレス近くに到着する。

場所を知るボビーを先頭に山の中に入って行く四人。

「この道をいつも通ってた
親父の傍受基地がこの先にあったんだ
今はもう、何にも残ってないけどね」
「君のお父さんはそこで何をしてたんだい?」
「さあね、最高機密だったから
ガキの頃に何度か連れてきてもらったけど
覚えてるのは、機械がたくさんあったことだけ
でも、よくここに来たんだ
ちょっと待って」

そう言うと、ボビーは大きな木の切り株(?)に近づいて行く。

「ここだよ、ジャック・ラビット・パレスは
親父とここに座って
よく一緒にホラ話を作ったもんだ」
「じゃあ、ここから253ヤード、東だな」
「待った!ここの土をポケットに入れないと」
「これもお前のお父さんのホラ話じゃないといいんだがな」
「ですね、確かに
でも違うでしょ、じきにわかるはずだ
親父には一人でうろつくなって言われてた」
「行こうか」

土をポケットに入れ、東へ向かう四人。

東に向かって山の中を歩いていくと、
白い煙が立ち込める場所に出る。
煙の中から見えてきたのは、
全裸で横たわる女性。

女性は生きているが、目を塞がれている。
ブラックロッジから飛ばされたクーパーが出会った女性(Naido)、宇宙空間に飛ばされたかに思われた彼女だった。
彼女は手を握ったアンディに何かを訴えようとしているが、言葉にならない。

「ちょうど、二時五十三分だ」

その時、上空に、渦が出現する。
バックホーンでFBIの一行が遭遇した渦と同じものだ。
呆然と渦を見上げる四人。

アンディは握っていたNaido の手を離し立ち上がる。
次の瞬間、アンディの姿は消え
巨人の前の椅子に座っている。

I am the Fireman.
私が消防士だ

そう言うと、消防士は手の平をアンディに向けた右手を上げ、そして下げると
アンディの手に香炉のようなものが乗っている。
アンディの頭上で白い煙がひとかたまりになる。
アンディが頭上を見上げると、
そこには天窓(のようなもの)がある。

そこに次々に映し出されるのは、
エクスペリメント、エクスペリメントが生み出した“ボブ”、Woodsman が蠢いていたガソリンスタンド、Woodsman (「火、あるか?」)、電線、ローラの事件を聞いて叫ぶ女子高生、赤いカーテン、天使に囲まれたローラ・パーマーのポートレート、全裸で横たわるNaido 、クーパーとバッド・クーパー、着信のランプが点滅している保安官事務所の電話、ルーシーをある場所へと誘導しているアンディの姿、何かを訴えようとしているNaido、そして、ひき逃げ事件の現場近くの電信柱の数字“324810 6”。

白い煙が香炉のようなものにスッと吸い込まれる。
次の瞬間、香炉(のようなもの)が消え
アンディの姿も消える。

ジャック・ラビット・パレスに戻っているトルーマン保安官、ホーク、ボビーの三人。
三人が茫然とたたずんでいると、
Naidoを腕に抱いたアンディが姿を現す。

「この人を連れて山を下りよう
とても重要な人だけど、命を狙われている
体調は問題ない
留置場で保護しよう、あそこなら安全だ」
「わかった」
「このことは誰にも言わないように」

何か使命を帯びたような決然としたアンディの態度に圧倒される三人。

「なあ、俺たち、どうなったんだ?」
「わからない、何かあった
でも、何も思い出せないんだ」
「俺もだよ」

裕木奈江演じるNaidoが再び登場。
(Naidoの登場シーン、詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 3 〈第3話〉 - 極私的映画案内
アンディとルーシーは、このドラマの中ではコミックリリーフ的存在だが、シリーズもここへきてアンディに重要な役割を与えている。
この世界の悪(火)を正す(消す)ために、
巨人(=消防士)から大きな使命を与えられた。


ツイン・ピークス:保安官事務所

留置場では、裸だったNaidoにルーシーがパジャマとガウンを着せている。

留置場に入れられていたチャドと酔っ払いが騒いでいる。
アンディに悪態を吐くチャドの言葉をオウムのように繰り返す酔っ払い。
酔っ払いは顔面から出血している。

「お前は悪事を働いた悪い人間だ!
保安官助手の名前を汚した!」

チャドを一喝し、アンディはルーシーを連れて出ていく。

言葉にならない声をあげるNaidoを真似する酔っ払い。
留置場はさながら動物園のようだ。
耳を塞ぐチャド。


ツイン・ピークス:グレート・ノーザン・ホテル

グレート・ノーザン・ホテルの搬入口。
警備員のジェームズ・ハーリーと同僚のフレディ・サイクスが配達の車を待っている。
フレディは緑色のガーデニング用手袋をはめた右手でクルミを割ろうとするが、
砕けてしまって、うまくいかない。
見かねたジェームズがクルミ割りで割ってやっている。

「そこの木箱はどうするの?」
「何もしなくていい、朝、そこにリネンを置くんだ
その方がラクらしい、ほらっ、食え
焦るなって、大丈夫だから」
「わかったよ、ジミー」
「ふーっ、あと一件配達が来たら上がりだ
ロードハウス、行けるぞ」
「誰が歌うの?」
「さあな」
「レネーに会えるの、期待してるとか?」
「ああ、かもな」
「でも、人妻なんでしょ?」
「わかってる、お前、いくつだ?フレディ」
「もうすぐ二十三」
「二十三の頃を思い出すよ(笑)
今日は俺の誕生日なんだ」
「えっ、ホントに?
そっか、誕生日おめでとう!ジミー
こんなとこで、なんだけど」

「なあ、その手袋、ホントに外せないのか?」
「ああ、ダメだね」
「どうなってんだ?」
「ああ、これは僕の一部だ
前に医者が外そうとしたんだけど、血が出ちゃってさ」
「どこでそれを?」
「そういうの、話すなって言われてるから」
「今日は俺の誕生日だぞ、教えてくれよ
なあ、誰にも言わないから」
「いやあ、言っても信じないと思うけど…」
「なら、言ったっていいだろ?
フレディ、頼む、聞かせてくれよ、言えって!」
「そうだね、医者には言ったんだし
まあ、話してもいいか、今日はあんたの誕生日だしね
まだ、実家にいた頃の話だ」
「実家って?」
「ロンドンの下町の方、イーストエンド
ちょうど半年くらい前かな
友達とパブに行った帰り道にさ
ひとりで歩いてたんだ
近道の路地に入った時、いきなり不思議な感覚がした
人生を無駄にしてるって気付かされたんだ
毎晩ダラダラと、パブで呑んだくれてる暇があるなら
人助けをするべきだってね
そんな風に感じるようになったその夜、僕
そこの路地に箱が積み重なってるのを見て
そこに飛び込んだ、ちょっとその、ほらっ、ふざけてね
高く積まれてた箱に飛び込んだんだ
そしたら、いきなり、宙に浮かんでる巨大な渦巻きに僕の身体が吸い込まれて行った
気付いたら、なんか、
どこか、わからない場所に浮いててさ
なんか不思議な空間にいたんだよね、僕
そこには男がいて、自分では消防士だと名乗ってた
そして、僕に言ったんだ
“お前の家の近所のホームセンターへ行け
緑色のガーデニング用手袋が並んだ棚がある
その中に一つ開封されて、右手用しか入っていない袋が置かれてる
それを探して買い、お前の右手にはめろ
そうすれば、お前の右手は巨大な杭打ち機のようなパワーを備えるだろう”って」

「気付いたら朝で、自分の部屋で目が覚めた
僕は慌ててベッドを出て、髪の毛をとかした
で、下へ降りて、お茶を一杯
うそっ、今のくだりはジョークね
で、すぐ近所のホームセンターに駆け込んで
片手の手袋を探した、そしたら、なんとその通り!
右手用だけが入った袋が見つかったんだ
早速レジへ持って行って、それを出したら、
店員にこう言われたんだ
“それはお売りできません
袋が開いてないのをお持ちください”
だから、言った
“いいんだよ、これが欲しいんだ”
“でも、それはお売りできません”って
で、言った
“あのさ、おにいさん、
僕はこの片手の手袋が欲しいの
お金なら、ちゃんと全額払うから”って
“いいえ
袋が開いてしまってますから、お売りできません”
ったく、そういうヤツのことを僕の地元じゃ
こう呼んでるんだよね、一存野郎!
ヤツら融通きかないし、変なルールにこだわって
人の邪魔ばっかするんだよな
いつだって、“できません、私の一存じゃ決められない”
そのミスター・一存に言ったんだ
“とにかく、僕はこの手袋を買う”って
で、レジで金を払って出口へ向かった
そしたらそのミスター・一存がピューマみたいに追って来て
叫び続けるんだよ
“開封されたものは売れません!”って
僕はドアを通り抜けて、通りへ出た
そいつがついてこないことを祈りつつね
走りながら、手袋をはめた
で、少し走るスピードを落としたら
いきなり、ミスター・一存がレッドカード並みのタックルをかましてきて、地面にふっ飛ばされた
本能的に身を守ろうとして僕は
手袋をした手でそいつの頭を殴った
何か砕ける音がして
そいつが何か言おうとしたんだけど
首を折っちゃったみたいでさ
その瞬間、思い出したんだ
空の上のあの男に言われた言葉を
“その手袋をはめたら
ツイン・ピークスへ行け、アメリカへ行け
ワシントン州ツイン・ピークスへ行け
そこへ行けば、お前の運命が見つかる”って
それでここにいる訳、あんたの誕生日に
誕生日、おめでとう!」
「あっああ、ありがとな、すごい話を聞かせてくれて」
「こちらこそ、ですよ」
「ああ、でもなんでかな?
なんで、その消防士はお前を選んだんだろう?」
「それ、いい質問!
僕も同じことを聞いたんだ
“なんで、僕なの?”
そしたら、“何が悪い?”って
で、ツイン・ピークス行きのチケットを買いに行ったら
“もう、取れてる”って言われたんだ
ああ、そうだ、ボイラーのチェックに行かないと」
「そうだな、お前は配達を待て
書類にサインを忘れるなよ
ボイラーは俺が」

ボイラーのチェックに向かうジェームズ。
緑色の手袋の右手をしみじみ眺めるフレディ。

ボイラー室では、ベンジャミン・ホーンのオフィスと同じ奇妙な音が聞こえている。
音の出所を探るジェームズ。

※《第2話》でジェームズと一緒にロードハウスに来ていた若者は、ロンドン出身のフレディ・サイクスだった。
やっぱり、思った通り、
あの緑色の手袋には大きな意味があった!
(詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 2 〈第2話〉 - 極私的映画案内
巨人(=消防士)は、アンディに与えたように彼にも大きな役割を与えていた。
緑色の手袋をはめたフレディの右手によって何がなされるのだろうか?
二人の会話に登場するレネーとは、ロードハウスでジェームズの歌を聴いて涙を流していた女性のこと。


ツイン・ピークス:Elk's Point #9 BAR

バーに向かって歩いてくるのは、セーラ・パーマー。
吸っていたタバコを捨て、店に入って行く。

ビリヤードを楽しんでいる客、飲んでいる客
店内はそこそこ賑わっている。
カウンター座ったセーラはブラッディ・マリーを注文する。
タバコに火をつけるセーラ。
カウンターの隅に座っていた男が隣りの席に移ってきて、セーラに話しかける。

「淋しく、ひとり飲みか?」
「放っておいて欲しいんだけど、お願い」
「随分、失礼じゃねえか」
「わざと、そうしたからね
戻ってくれないかしら?
自分の席に、お願い」
「どこにいようと自由だ、自由の国だからな
俺の好きにやる、好きにやるからな、クソあま!
あんた、レズの男役なんだろう?
そうだよ、見りゃあ、わかる
あんた、いかにもレズの男役って面してるよな
なあ、女を食いてえんだろう?」
「あんたを食ってやる」
「そう来たか、クソ女が惨めったらしいもんだなあ
なんだったら、その貧相な乳、俺がもぎ取ってやろうか?」

すると、やおら男に顔を向けたセーラは顔面を仮面のように外してみせる。
そこには、薬指が異様に長い左手と
歯をむき出した大きな口が見える。

「どう、これでもホントにやってみたい?」

セーラはそう言って顔面を元に戻すと、
一瞬で男の喉笛を食いちぎる。
自分でやったことに悲鳴をあげるセーラ。
飛んでくるバーテンダー

「どうなってんだ?何があった?」
「いきなり倒れたの!わからない」
「ウソだろ?首が半分、なくなってるぞ!
ちょっと、あんた、なんかしたんじゃないのか?」
「なんでよ?見てたでしょ?
私はただ座って飲んでただけよ」
「おーい、警察呼んでくれ!
カウンターの客が死んだ
調べてもらえば、わかる」
「ええ、不思議なこともあるもんね」

怯えた目つきでセーラを見つめるバーテンダー

※ブラックロッジでローラ・パーマーがクーパーにやってみせたように、顔面を仮面のように外してみせたセーラ・パーマー。
パーマー家の受難の始まりは、ローラを殺したリーランド・パーマーではなくセーラの過去に起因するんじゃないか?


ツイン・ピークス:ロードハウス

ボックス席の女二人組、メーガンとソフィー。

「あんなクソ溜めに行ったりするからだよ」
「そうじゃない」
「そこでハイになってんでしょう?」
「いや、違うってば、自分の部屋だよ
部屋でぶっ飛んでんの」
「じゃあ、あんなとこ行くの、やめな」
「だから、誰が行くって言った?」
「そのセーター、いいね、どこで盗んだの?」
「ポーラのだよ」
「すごく、いい
ねえ、ビリー、見かけた?」
「いいや、二、三日見てない」
「ビリーに会ったの、あんたが最後らしいからさ」
「マジで怖かったんだから
うちでママとキッチンにいたらさ
確かおじさんもいたと思うけど、どうだったかな?
とにかく、窓からビリーが来るのが見えたのね
二メートル近いフェンスなんだけど
それを飛び越えて、裏庭に入ってきてさ
ものすごい勢いで裏口に向かってきたわけ
ビリーは窓越しに私のこと見えてたと思うんだけど
そのまま裏口を開けて
よろよろキッチンに入ってきたの
私が叫び出して、ママも叫んでたと思う
そしたら、ビリーの鼻と口から血が吹き出して
シンクに頭を突っ込んだと思ったら
血が滝みたいに流れ出したわけ
それから、ビリーはこっちを振り返ったの
全身血まみれで、もう不気味でさ
で、裏口から飛び出してった
こっちはもう、はあっ?て」
「なんで、誰にも言わなかったの?」
「いや、どうしていいか、わかんなかったんだもん
ビリーがどうしちゃったのか、わかんないし
それに、ビリーとうちのママ、なんかあったからさ」
「えっ、マジで?」
「マジで、最近までは絶対そうだった
なんか時々そういう空気、感じてたんだ
ビリーの名前が出ると、ママの顔、緩むから」
「ママって、なんて名前?」
「ティナだけど」
「ビリーは逃げて、それっきり?」
「そうだよ、あの時も
キッチンにいたのは十秒くらいだったと思う
それでホント、ものすごい速さで出て行ったの
その後、キッチンの床が血だらけで
壁にも飛び散っててさあ
ママと二人で掃除すんの、ホント大変だったんだから
おじさんがいたかどうか、思い出せないなあ」


ロードハウスの今夜のゲストはLissie
曲はこちら『WILD WILD WEST 』👉Lissie - Wild West | Twin Peaks | Part 14 - YouTube

※毎回、半ばお約束になっているラストのロードハウスの客の会話。
これには大した意味はないと思っていたが、
今回は、意味、大あり!
オードリー・ホーンがその行方を探していたビリー(リチャード・ホーンにトラックを盗まれた)に最後に会ったというティナの娘がこのシーンに登場するメーガンだった。
《第12話》では、オードリーの夫チャーリーがビリーの行方を聞くため、ティナに電話をかけている。
オードリーは鼻と口から出血しているチャーリーの夢を見たと言っていた。
ティナがチャーリーに話したのは、ここでメーガンがソフィーに話していたビリーの様子だったのだろう。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 12 《第12話》 - 極私的映画案内

そう言えば、《第7話》のラストで、
RRダイナーに誰かがビリーを探しに来ていた。
(「ビリー、見なかったか?」)

ちなみにソフィーを演じているのは、
現在のデヴィッド・リンチ夫人であるEmily Stofle 。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴードン・コールとフィリップ・ジェフリーズが担当した“青いバラ事件”との関連、ダイアンとジェイニー・Eの関係、サウスダコタ州バックホーンとラスベガス、Naidoの生還。
残りあと5話、ということで、バラバラに思えた点と点が線になってきたという印象。
シリーズも大詰めです。
赤ちゃんクーパーはどうなる?

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
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監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


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ツイン・ピークス The Return Episode 13 《第13話》

EPISODE 13


■ラスベガス:ラッキー7保険

上機嫌のミッチャム兄弟御一行がクーパーを伴い、
ラッキー7保険に凱旋。

列になって踊りながらオフィスに入ってくる一行を目撃し、アンソニー・シンクレアはミッチャム兄弟にクーパー(ダギー)を殺させる計画が失敗に終わったことを悟る。
デスクの陰に身をかがめ、
ミッチャム兄弟から隠れるアンソニー

ブッシュネル・マリンズ社長のオフィスに到着した一行。

ミッチャム兄弟はブッシュネル社長に贈り物を届けにきたのだ。
キューバ産の葉巻、名前入りのダイヤのカフスボタン、そしてBMWの新車のキー。

デスクの陰に隠れたアンソニーは、
ダンカン・トッドに電話をかける。

「一体何が起きたのか、見当もつきません」
「最悪の事態だな」
「本当に何と言ったらいいか…」
「だが、何をすべきか、わかるな?
話はしたはずだ、なんとかしろ!
猶予は一日だ、状況を改善しろ!」
「二日の約束では?」
「猶予は一日だ、ちゃんと理解したな?
わかったのか?」
「わかりました」

電話を切ったダンカンはロジャーを呼ぶ。

※3000万ドルの保険金が手に入り、
大盤振る舞いのミッチャム兄弟。
一方、いよいよ、自らの手でダギー(クーパー)を殺さなければならない状況に陥ったアンソニー
バッド・クーパーにダギー殺害を命じられているダンカン・トッドもかなり追い詰められている。


■ラスベガス:ダギー・ジョーンズの自宅

ダギーの自宅にミッチャム兄弟からの贈り物が届く。
ブッシュネル社長とお揃いのBMWの新車と
兄弟がその必要性を熱く語っていた遊具セット。
状況を理解していないジェイニー・Eは困惑気味。

裏庭に設置された遊具セットで遊ぶサニー・ジムを見て、満足気なジェイニー・Eとクーパー。

「まあ、ダギー
昨夜帰らないから悪い想像したけど
あの子を見て!まるで天国にいるみたい」
「天国にいる…」
「それにあの車!
ああ、ダギー、あなたを愛してる、心から」

※新車どころか、サニー・ジムに遊具セットまで!
ミッチャム兄弟の遊具セットに対する並々ならぬ強いこだわり。


モンタナ州:西部

倉庫らしき建物にバッド・クーパーが乗ったピックアップ・トラックが到着する。
その様子を大きなモニターで監視しているのは、
レイ・モンロー。

「クソっ、マジかよ!」
「どうした?レイ」
「俺が殺したヤツです、前に話しましたよね?」
「だが、しっかり生きてるぞ」
「今度はキメます!」

レイが話しているのは、
スキンヘッドの屈強そうな男レンゾ。

「レイ、ここにいるんだろ?」

「なんで中に入れた?」
「コードを教えたんで」

「会いに来たぞ!」

「でも、入り口のだけです
つまり、逃げ場はない、俺が殺ります!」
「いいだろう、好きにしろ
だが、まず、俺がいたぶってからだ
ヤツをここへ!」

バッド・クーパーがエレベーターで上がってくる。

「用件はなんだ?」
「友人のレイに会いに来た」
「ここにいるぞ、クソったれが」
「落ち着け、レイ、新しい挑戦者みてえだな、
マディ、教えてやれ!」
「ルールは簡単、レンゾは俺たちのボスで、
アームレスリングじゃ負けなしだ
今まで、どれだけ挑戦者がいたと思う?
山ほどだ、十四年間、圧倒的な強さを誇ってる
そんなレンゾに闘いを挑めるのは、一度きり
で、負ければ、レンゾがボスになる
逃げるなら今だぞ
もし、残って、負けて、
レンゾの命令に従わなけりゃ命はない
じゃ、決めろ、残るも残らねえもお前次第だ
そのガタイじゃ、逃げた方がよさそうだが」
「ここはなんだ?幼稚園か?保育園か?
俺が勝ったら、どうなる?」
「お前がボスだ」
「お前らのボスなんて、ごめんだ
俺が勝ったら、レイをもらう」
「中に入れ、いざ勝負だ」

勝負の序盤、レンゾが優勢に見えるが、
バッド・クーパーにまったく動じる様子はない。

「スタート位置」

そう言って、バッド・クーパーは簡単にイーブンの状態に戻してしまう。
仲間の声援に応え、レンゾは再び攻勢に出る。

「スタート位置にいるほうが楽だろう」

バッド・クーパーはそう言って簡単にスタート位置に戻してしまう。
レンゾは三度、ねじ伏せようとするが、
バッド・クーパーはいとも簡単にスタート位置に戻し、一気にレンゾをねじ伏せ、
顔面にパンチを見舞う。
レンゾの顔面は完全に潰される。
呆気にとられる男たち。

「レイをどうぞ、ボス…」
「誰か携帯をよこせ」
「でも、ここは圏外なんです、ボス」
「レイ以外、全員外せ」
「わかりました」

「じゃ、話そうぜ」

そう言いながらも逃げようとするレイの脚を撃つバッド・クーパー。

「よし、話そう」

「俺を殺すよう雇われたな、そいつの名は?」
言わせることも出来るぞ」
「知ってる
フィリップ・ジェフリーズってヤツだよ
少なくともそう名乗ってた
会ったことはねえ、電話で話しただけだ」
「続けろ」
「ヤツはマーフィー所長とグルだった
あんたは俺を殺る気だが、
俺が先に殺れば、自由の身のしてくれると言った」
「なぜ?」
「連中が欲しいもんをあんたが持ってるそうだ」
「ブリッグス少佐の話はしてたか?」
「いいや」
「やめとけ!レイ」
「銃なんか持ってねえ、見せたいもんがある」

そう言うとレイは、ポケットから指輪を取り出す。
テレサ・バンクス、ダギー・ジョーンズがはめていた例の指輪。
外に出された男たちが、モニターで二人の様子を見ている。

「ジェフリーズにあんたにはめるよう言われた
殺した後で」
「どこで手に入れた?」
「渡されたんだ、あんたと刑務所を出る直前にな」
「誰からだ?」
「看守かな?多分だが…
看守の制服は着てたが、見たことねえヤツだった」
「はめろ、左の薬指に」

指輪をはめるレイ。

「俺の欲しいもんは知ってるな?」
ヘイスティングスから聞いた座標だろ
正確には美人秘書のベティからだ
俺がおとなしく渡すと思うか?
渡したとして、それが本物だってなんでわかる?
俺はあんたを知ってる
ポケットに手入れていいか?」
「何が入ってるかによる」
「だから、座標だよ、
メモった数字がポケットに入ってるんだ」

ポケットからメモを取り出そうとするレイ。

モニターで二人を見ている男たちの中に、
リチャード・ホーンの姿が。

バッド・クーパーにメモを渡すレイ。

「フィリップ・ジェフリーズはどこだ?」
「知らねえ」
「レイ、フィリップ・ジェフリーズはどこだ?」
「最期の電話でダッチマンて店にいるって言ってた
だが、そんな場所ね…」

レイが言い終わる前に、バッド・クーパーはレイの額を撃ち抜く。

「それなら、知ってる」

レイの指から指輪が消え、
ブラックロッジの赤いカーテンの部屋の床に落ちる。

立ち去るバッド・クーパー。

赤いカーテンの部屋にレイの死体。
テーブルに指輪を置いた手は、
片腕の男フィリップ・ジェラードのものか?

※アームレスリングでボスを決めるなんざ、
なんと牧歌的な!
リチャードはどういう訳でここに辿り着いたのか?
ボスのレンゾを一撃で倒したバッド・クーパー対するリチャードのヒーローを見るかのような視線も気になる。
フィリップ・ジェフリーズとマーフィー所長は繋がっており、レイは二人から命令を受けていた。
座標の入手をその二人も狙っていた。
そして、とうとうバッド・クーパーが座標を手に入れた。


■ラスベガス:ラスベガス市警

フスコ・ブラザースのオフィス。
スマイリーが兄弟の母親からの電話を受けている。
オフィスの奥からは、叫び声と物音。

ダグラス・ジョーンズ(クーパー)の指紋の照合結果が届く。

「例の指紋だ、我らがダグラス・ジョーンズ
指紋照合システムにかけた結果、
二日前にサウスダコタの刑務所を脱走してた」
「なにっ⁈」
「しかも、なんと行方不明のFBI捜査官!」
「そりゃ、何かの間違いにも程があるな!
だろ?」
「じゃ、賭けるか?」
「じゃ、1ドル!」
「乗った!」
「よし!」

フスコ・ブラザースは報告書を丸めて、
ゴミ箱に捨ててしまう。

そこに、アンソニー・シンクレアがやって来る。

「あのー、すみません、クラーク刑事はどちらに?」
「裏口にいます、一服してますよ
どうぞ、奥のドアです」
「どうも」

アンソニーが奥のドアから外へ出ると、
クラーク刑事がタバコを吸っている。

「やあ」
「まったく、何の用だ?」
「聞きたいことがあって」
「ここには来るな」
「大事なことなんだ」
「よっぽどか?」
「ああ、教えて欲しいんだ、毒薬の、オススメは?
検知されないやつ」
「クソだな」
「何が?」
「アコニジンだ、鑑識も知恵をつけてきたが、
今のとこは一番だ」
「どこで手に入る?」
「出すもん出せば、用意してやる、クソが」
「俺にはなんであたりがキツい?」
「お前が腰抜けだからだ、顔見るだけで、ヘドが出る」
「俺は計画が失敗しないよう必死なだけだ
誰かが勘付いてる、だから毒がいるんだよ」
「高くつくぞ、五だ、五千ドル
毒が効くまで、二時間、逃げる猶予がある
お前みたいなビビリ屋にはぴったりだ」
「金は用意する」
「今夜、9時半、クローズリの店だ、裏口に来い」

アンソニーが去り、様子を伺っていた同僚刑事がクラーク刑事に話しかける。

「どうした?」
「ありゃ、ダメだ、誰かを毒殺したいらしい」
「トッドさんに知らせる」
「ああ」

※アンソニー・シンクレア、ダンカン・トッド、ラスベガス署の汚職刑事が繋がっていることが判明。
そして、ダンカン・トッドの背後にはバッド・クーパーがいる。


■ハイウェイ

暗いハイウェイをひた走るシャンタルとハッチのハッチェンス夫妻。

ユタ州かー、モルモン教
酒は飲まない、コーヒーも飲まない、
コーラも飲まないんだよ
しかも、結婚するまでセックスもしない」
「結婚は大勢と出来んだろ、噂じゃ確か女房は六人とか」
「にしても、信者が少ないね、飲めないからだよ」

サウスダコタでマーフィー所長を殺し、
現在はユタ州を走っているハッチェンス夫妻。
行き先は、ラスベガスか?


■ラスベガス:ラッキー7保険

ミッチャム兄弟の贈り物、BMWの新車でクーパーを送ってきたジェイニー・E。
オフィスに向かうクーパーをうっとり見つめる。

ロビーでクーパーを待ち受けているのはアンソニー

「おはよう、ダギー!
どうかな?熱々の美味いコーヒー」
「コーヒー…」
「おごるよ!実に優秀なダギー・ジョーンズに」
「ダギー・ジョーンズに…」

コーヒー・ショップに向かう二人。
美味しそうにコーヒーを味わうクーパー。
何か気になるものがあるようで、
店の中に入っていくクーパー。
クーパーが惹きつけられていたのは、
ケースの中のチェリーパイだった。

クーパーが席を外している隙に、
コーヒーの中に毒薬を入れるアンソニー

テーブルに戻ってきたクーパーの視線の先には、
アンソニーの肩の白い粉。
クーパーがツボを押すようにアンソニーの肩に触れると、アンソニーの良心がよみがえる。

「ダギー、君のコーヒーが…」
「君のコーヒー…」
「ああ、ダギー、本当にすまない!
俺が間違ってた!」

そう言うと、アンソニーはクーパーのカップの中身を捨てに行く。
残されたクーパーはアンソニーのコーヒーを飲む。
運ばれてきたチェリーパイを平らげるクーパー。
戻ってきたアンソニーは詫びを言いながら、
泣き崩れる。

「ダギー、本当に、本当にすまない!」

※クーパーの新能力は、大当たり確実のスロットマシーンや嘘を見抜くだけでなく、
ミッチャム兄弟の夢を操り、
身体に触れるだけで、アンソニーの良心もよみがえらせた。


ツイン・ピークス:RRダイナー

仕事中のシェリーにベッキーから電話がかかってくる。

ベッキー?」
「ママ、スティーヴン、昨夜も帰らなかった
これで二晩連続、もう二日だよ」
「ああ、可哀想に…」
「あたし、心配で」
「まだ、時間が必要なのよ」
「彼、今大変なことになってるかも、感じるの!」
ベッキー、また後で話しましょ、今忙しいの」
「ダメ…」
「やっぱり、今から店に来るのはどう?
ママが最高に美味しいチェリーパイ出してあげるから
バニラアイスとたっぷりのホイップクリームを乗せてね」
「それ、すごく惹かれる、ああ、美味しそう
わかった!今からすぐ行く!」
「急いでね、時間を見つけて話しましょう」
「OK、ありがと、愛してる!」
「私もよ!」

※アイスクリームにたっぷりのホイップクリームを添えたチェリーパイ!
濃いブラックコーヒーと一緒に、
私も食べたい!


■ラスベガス:ラッキー7保険

ブッシュネル社長のオフィス。
アンソニーが社長に懺悔している。

「自分でもあんな真似したなんて、信じられません
ダギーに毒を盛るなんて!
でも、ダギーはちゃんと見抜いてました
なのに、優しくて、すべて告白しました」
「告白…」
「するよ、ダギー、する
ブッシュネル、俺は長い間、あなたを裏切り、
ダンカン・トッドのために動いてました
金のために、あなたに嘘をついた」
「アンソニー、その件はとっくにダギーが暴いていた」
「ダギーが?」
「君の告白を受け、はっきりと感じる
君への怒り、軽蔑が、消えて行くのを
ダギーは身を呈して私に示してくれた
君がどう案件を操作し、私に多額の損害を与えたかを!
君を信じていたんだぞ!
友であり、我が社のナンバー・ワンだと思っていたのに!
「俺をナンバー・ワンだと?
どう償えばいいか、自分のしたことが恥ずかしいです
ダギーがいなかったら、俺はこの手で人を殺めていました
なんてことだ!」
「君を刑務所にぶち込み、
永遠に閉じ込めてやるつもりだったが
だがもし、ダンカン・トッドの悪事を証言するなら
考えなおすが」
「ええ、はい、やります
途中で死んでもかまいません
何週間も眠れず、血も吐きました
こんな人生、無理です
変えられないなら、死んだほうがいい
俺を助けてください!
正しいことがしたいんです、どうか…」
汚職警官、二人の件もか?」
「えっ?ダギーは彼らのことも?」
「彼らも…」
「トッドより危険です、あなたの頼みでも」
「いや、これは頼みではないぞ、アンソニー
「俺は自分のケツがふければ、それで…
ダギーは恩人です、感謝しないと」
「感謝しないと…」
「ありがとう…ありがとう…」


ツイン・ピークス:RRダイナー

非番らしいボビー・ブリッグスがやって来て、
カウンター席に座る。

ボックス席で事務仕事中のノーマの向かいの席にはエド・ハーレーの姿がある。

「やあ、ノーマ、シェリーはもう上がった?」
「ええ、上がったわ」
「そうか、わかった、邪魔はしないよ」
「いいのよ、ここで食事して」
「でも、もう注文したし」
「ボビー、いいから座れって!
一人でメシ食うな」
「ありがとう」
「それじゃあ、何か事件は?」
「ああ、そうだな、
今日オヤジが残したあるものが見つかったんだ
「本当?あるものって?」
「さあ、まだわからない、でも何か大事なものだ
きっとな
何なのか、必ず突き止める」

そこへ、ノーマの仕事のパートナー(らしき)男ウォルター・ローフォードがやって来る。
席を移るエドとボビー。

「何て、名前だった?」
エドよ、エド・ハーリー」
「ああ、そうだった、今日もキレイだよ」
「ありがとう、それでお世辞も訳は何かしら?」
「こうして急いで来たのは、
今朝先月の報告が上がってね、君と興奮を分かち合いたくて」
「それで?」
「何と、ノーマのRRの五店舗中三店舗が黒字計上だった
新規ビジネスにとっては、実にいい指標だ
しかも、この辺一帯のように
経済的に安定するのが難しい地域では特に
「じゃ、いいことね」
「最高だよ、実に素晴らしい」
「よかった」
「ただ、これを見て
実を言うと、不調な二店舗のうち、
一店舗はここ、この本店なんだ」
「この時季、売り上げが落ちるのはいつものことよ」
「だが、もう数ヶ月続いてる
そこで、勝手を承知で
POSシステムを用いて分析してみたんだ
他店舗とここ」
「全然、わからないわ、つまり、どういうことなの?」
「はっきり言うと、パイにコストがかかりすぎて
元が取れていない」
「ウォルター、前に言っておくべきだったんだけど
実はいろんな人から聞いた話だと
他の店舗で出しているパイは
どうも、ここのほど、美味しくないらしいの」
「それで?」
「契約通り、私は自分のレシピを丸々提供したけど
ちゃんと再現してないんじゃない?」
「どの店舗でも、君のレシピを守ってると断言するよ
だが、一方で、材料は各店舗の裁量に任せてる
「ううん、ダメよ、材料は自然のものじゃないと
オーガニックで、地元産の」
「わかってる、君のパイへの愛は」
「でも、そういう契約よ
「君は真の芸術家だ、だが愛は利益を生まないこともある
君を心から信じてるが、商売の視点から言うと
会社としては別のやり方も検討してほしい
高水準の品質で知られる君の名を損なうこともないままで」
「別のやり方というのが具体的にわかれば
考えてみるけど」
「君をがっかりさせるつもりは毛頭ない
これはいいニュースなんだ
ただ一貫性と利益を保持するためには
多少調整が必要で
例えば、そろそろ店名を本気で変えるとか
ノーマのRRに」
「ウォルター、ツイン・ピークスでは50年以上RRダイナーでやって来てるし
それで覚えてもらってるの」
「今の名前が悪いって言ってるんじゃない
でも、うちのリサーチの結果を思い出してくれ
みんな君の名前に好感を持ってたろ?
ノーマのRRだ、ビシッと決まるんだ
君はチェーン店の顔なんだから
後で、食事でもどう?お祝いに」
「ええ、いいわ、是非」

ノーマとウォルターを心配そうに見つめるエ
ド。

※前回のオードリー・ホーンに続き、旧メンバーからビッグ・エド・ハーリーが再登場!
材料の質を下げて儲けを出せとノーマに迫るウォルター。
めちゃくちゃ、胡散臭い!
店だけでなく、ノーマ自身を狙っているウォルター。
エドならずとも、ノーマが心配だ。
それにしても、25年の間に、
ノーマはRRダイナーをチェーン展開していたとは、
なかなかのやり手!
ボビーはシェリーに未練たっぷりだね。


ツイン・ピークス:ネイディーン・ハーレーのカーテンの店

ネイディーンの店、“RUN SILENT, RUN DRAPES”。
音もなく、開いたり閉じたりするショーウィンドウのカーテン。
ショーウィンドウにディスプレイしてある金色のシャベルに気付いたジャコビー先生が店の前でトラックを止める。
ジャコビー先生のブザーで表に出て来るネイディーン。

「やだっ、ウソ!ああ、ジャコビー先生!」
「ネイディーン、君なのか?」
「私よ、Dr.アンプとお呼びしても?」
「私だよ」
「いつもは裏口、使ってて
先生の番組の大ファンなの!
ものすごく刺激受けてる」
「私はそこのディスプレイがすごく気に入った」
「本当にそう?」
「素晴らしいよ」
「本当に気に入ってくれた?」
「最高傑作だ!」
「しかも、このカーテンはね、一切音がしないのよ
私からDr.アンプへの感謝の気持ち
ホントにありがとう!
今、本気で始めてるの
シャベルで掘って、私もクソから出る!」
「ああ、ネイディーン
実に嬉しいことを言ってくれるなあ
勇気が出るよ
だが、本当に連中は悪なんだ」
「私は先生の最も忠実な兵士よ、または、穴掘り人」
「多分、最後に君を見たのは
七年前ほど前になるかなあ
君は床に這いつくばって、ジャガイモを探してた
「それって、どこで?」
「スーパーだよ、君はジャガイモを落としたんだ
確かひどい嵐の日だったよ」
「ああ」

※久しぶりの再会だったジャコビー先生とネイディーン。


ツイン・ピークス:サラ・パーマーの自宅

テレビの前に陣どり、酒を飲んでいるサラ・パーマー。
テレビに映っているのは、ボクシングの試合だが、
どうも様子がおかしい。
何度も何度も同じシーンが繰り返されている。

サラには、気にする様子はなし。


ツイン・ピークス:オードリー・ホーンの自宅

行方不明のビリーを探しに行くはずのオードリーとチャーリーだが、まだ自宅にいる。

「彼女、何だって?」
「オードリー、もう終わったはずだ」
「教えてっ!」
「オードリー、やめなさい!」
「あたし、自分がここにいないみたいで
そんな感覚になったことって、ない?」
「ない」
「まるで他に場所にいて、別人になったみたいな
わかる?」
「いや、常に自分という意識はある
必ずしもいい感覚ではないが」
「自分じゃないってことだけは、はっきりわかる」
「いわば、実存主義の基本中の基本だな」
「ふざけないでよ!こっちは真剣なの!
自分以外の誰を信じればいいのよ?
なのにその自分が誰なのかわからない!
一体どうすればいいの?」
「君がすべきなのは、ロードハウスへ行って
そこでビリーを探すことだ」
「かもね、そこは遠い?」
「オードリー、場所はわかってるはずだ
事情を知らなければ、君がラリってると思うとこだ」
「教えてよ!場所は?」
「私が連れて行くよ
だから、もうふざけるな!
でなきゃ、君の物語も終わりにさせる」
「あたしの物語って何よ?
それって通り沿いに住んでた少女の話?
そうなの?」
「君が出掛けたいと言ったんだ
なのに、今は違うようだなあ」
「家にいたいけど、出掛けたい
両方なのよ、どっちにすべき?
あなたはどっちなの?
助けて、チャーリー、ここはまるでゴーストウッドよ」

泣き崩れるオードリー。

※オードリーはかなり精神的に不安定な様子だが
チャーリーはティナから一体どんな話を聞いたんだろうか?
チャーリー言うオードリーの物語とは?
通り沿いに住んでた少女=ローラ・パーマー?


ツイン・ピークス:ロードハウス

今夜ロードハウスのステージに立つのは、
ジェームズ・ハーリー。

ジェームズの歌声に涙を流す女レネー。

ジェームズを演じるジェームズ・マーシャルの歌声はこちら👉Twin Peaks: The Return | Part 13 "Just You" | SHOWTIME Series (2017) - YouTube

※ジェームズが歌っている『JUST YOU 』は前シーズン、彼がジェームズとドナと一緒に歌っていた曲と同じ曲。
多分、前シーズンでは歌声も吹替の声優さんの声だったと思う。
ジェームズ(ジェームズ・マーシャル)の意外に高い声にびっくり!
若きジェームズの歌声はこちら
👉Twin Peaks James song (Just You) - YouTube


ツイン・ピークスエドのガソリンスタンド

デスクでスープを飲んでいるエド
何を思っているのか?
小さなメモを燃やすエド

エドから見た店の外の様子。
これ、どこかで見覚え、ありませんか?
そう、問題の第8話で登場した、
Woodsman たちが蠢いていたあのガソリンスタンド。
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 8 〈第8話〉 - 極私的映画案内


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【ここまでの死者】
⚫︎サム・コルビー、トレイシー・バーベラード《第1話》
死因:全身をグチャグチャにされる
犯人:エクスペリメント

⚫︎ルース・ダベンポート《第1話》
死因:頭部切断による出血多量
犯人:Woodsman

⚫︎フィリス・ヘイスティングス《第2話》
死因:頭部への銃創により即死
犯人:バッド・クーパー

⚫︎ジャック《第2話》
死因:頭部を潰される
犯人:バッド・クーパー

⚫︎ダーリャ《第2話》
死因:殴られた上、頭部を撃たれる
死因:バッド・クーパー

⚫︎ダグラス(ダギー)・ジョーンズ《第3話》
死因:不明(ブラックロッジに連れ去られる)
犯人:不明

⚫︎ダギーの車を盗もうとした車泥棒2名《第5話》
死因:車に仕掛けられた爆弾による爆死
犯人:ロレインに雇われたジェイクとジーン

⚫︎ツイン・ピークス在住の男児《第6話》
死因:轢き逃げ
犯人:リチャード・ホーン

⚫︎ロレイン《第6話》
死因:アイスピックで滅多刺し
犯人:アイク“ザ・スパイク”・スタッドラー

⚫︎ロレインのオフィスの目撃者《第6話》
死因:アイスピックで滅多刺し
犯人:アイク“ザ・スパイク”・スタッドラー

⚫︎ラジオ局の受付《第8話》
死因:頭部を潰される
犯人:Woodsman

⚫︎ラジオ局のDJ《第8話》
死因:頭部を潰される
犯人:Woodsman

⚫︎ウィリアム・ヘイスティングス《第11話》
死因:頭部を潰される
犯人:Woodsman

⚫︎マーフィー所長《第12話》
死因:ライフルによる射殺
犯人:ゲイリー“ハッチ”・ハッチェンス

⚫︎レイ・モンロー《第13話》
死因:額を銃で撃ち抜かれる
犯人:バッド・クーパー

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


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👇アンジェロ・バダラメンティによるサウンド・トラックはこちら

👇ツイン・ピークスの空白の25年間が明らかになる(らしい)『ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー』はこちら(欲しい。。。)

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

👇前シリーズの謎を解く鍵だった『 ツイン・ピークス ローラの日記』も再販。
旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

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ツイン・ピークス The Return Episode 12 《第12話》

EPISODE 12

サウスダコタ州バックホー

FBI一行が宿泊するホテル。
ゴードン、アルバート、タミーがワインで乾杯。

ワインはゴードンの差し入れ。
ゴードンは部屋に盗聴器仕掛けられていないか調べている。
ゴードンとアルバートからタミーに内密の話があるらしい。

「君に知っておいてほしいことがある
1970年、アメリカ空軍はブルー・ブック計画を封印した
20年に渡ってUFOの調査をしたが
実在する確たる証拠はなく
国への脅威にはなり得ないと判断したからだ
言い換えれば、隠蔽だな」

そこで、乾杯。

「数年後、軍とFBIは極秘チームを立ち上げ
ブルー・ブック計画が残した謎に連なる不可思議な事件の捜査に乗り出した
関わった女性が死ぬ前に発した言葉から
それらを“青いバラ事件”と呼ぶようになった
それは今までとは違う道を進まない限り答えに辿り着かないことを意味している
フィリップ・ジェフリーズという捜査官がチームリーダーを任され、3人のメンバーを選んだ
私とチェット・デズモンド、デイル・クーパーだ
気付いているだろうが、私以外の全員が何の説明もなく姿を消している
そのため、ゴードンとしてはチームに新たなメンバーを加えることをためらってきた
今夜まではな
プレストン捜査官、マサチューセッツ工科大やFBIアカデミーでの抜群の成績はもちろん、
高校で優秀者リストに載った時から君には注目していた」
「私にその“青いバラ特捜チーム”に入れと?」

ゴードンと目配せするアルバート

「そうだ」
「やらせて下さい!」
「詳しい説明は明日の朝だ」
「了解」

大仕事を任され、武者震いといった様子のタミー。

「タミーと青いバラに!」
青いバラに!」
青いバラに!」

再び、乾杯する3人。

そこへ、ダイアン登場。

「ダイアン、クーパー捜査官と組んでいた君が
青いバラ”について深く知っていたことはわかっている
君はもう局の人間ではないが、一緒に調べてほしい」
「一時的なものだ
どうしても君の助けがいる」
「見返りはなに?」
「現金で報酬を出す、多くはないが
クーパーの身に何があったのか、知ることも出来るぞ」

かなりの間。

「さっ、やろうぜ!」

ダ、ダイアン、謎の仕草。

※無事(?)“青いバラ特捜チーム”の一員となったタミー・プレストン捜査官を演じているのは、クリスタ・ベル。
デヴィッド・リンチとのこれまでの仕事は、
主に音楽活動。彼女は作曲家でもあります。
女優として大きな仕事は今シリーズが初めてのようです。
青いバラ特捜チーム”の一員だったチェット・デズモンドは、『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』で、“青いバラ”については知らないフリをしていたが、それは極秘捜査だったからなのか?
チェット・デズモンドは今どこに?


ツイン・ピークス

森の中から、駆け出してくるジェリー・ホーン。
そして、転ぶ。

どうやら、右足は動くようになったらしい。


ツイン・ピークス:とあるスーパーマーケット

ローラ・パーマーの母親、セーラ・パーマーが買い物中。
カゴの中身は、ジンかウォッカらしい複数の酒瓶。

レジで、セーラム(タバコ)をワンカートン注文。
レジ係は、ティーンエイジャーの少女と少年。
セーラの目は、レジ奥のターキーのジャーキーに吸い寄せられている。

「お幾らかしら?」
「133ドル70です」
「そのビーフジャーキーだけど、
前はそこにはなかったわよね?」
「あー、新商品なんです」
「それ、なにが新しいの?」
「あの、ビーフじゃなくてターキーです」
「燻製にしてあるの?」
「あー、そうだと思いますけど…
ビーフジャーキーとは材料が違うだけで
基本は同じなんで」
「それが入った時、あなた、いた?」
「あー、はい、2、3週間くらい前ですけど…」

少しづつ、様子が怪しくなっていくセーラ。

「あなたの部屋は前と違うようね?
男たちが来る」
「あー、あのどういう意味かわからないんですけど…」
「あなたたちに警告してるのよ!!!
気を付けた方がいい!
何かが起きるかも、私に起きたように…
私に起きたように!!
ああ、ああ、気分が悪い、気分が悪い…
気分が悪いっ!!!
気分が悪いのよっ!!
ああ、それはダメ、それはダメよ
こんなことやめて!」
「あ、お医者さん呼びましょうか?」
「こんなことダメ、ここを出ましょ
車のキー!キーを探すの!
車のキーだってば!車のキー!
車のキー!車のキーよー!」

買った商品を持たずに叫びながら店の外へ出ていくセーラ。
セーラの尋常じゃない様子に呆気に取られるアルバイトくん。

「何?今の…」
「あの人の住んでるとこ知ってるから
後でこれ、届けようか…」

※衝撃の第8話で、口から異様な生き物に入り込まれたあの少女は誰だろう?(後の誰なのか?)と考えていたんですが、あの少女はセーラ・パーマーかもしれない。
1956年の時点で、あの少女は15歳前後くらいだから、現在は75歳前後。
あの少女が、セーラ・パーマーであってもおかしくない。
このシーンで、セーラがアルバイトのティーンエイジャーにこう言って(叫んで)いる。
「あなたたちに警告してるのよ!!!
気を付けた方がいい!
何かが起きるかも、私に起きたように…
私に起きたように!!」
これは、1956年のあの夜のことを言っているのかもしれない。
彼女は今も何者(何物)かに身体に入り込まれていて、
それに向かって話しているようにも思える。
それにしても、グレース・ザブリスキーの怪演!
詳しくはこちら
👉ツイン・ピークス The Return Episode 8 〈第8話〉 - 極私的映画案内


ツイン・ピークス:ニュー・ファット・トラウト・トレーラーパーク

カール・ロッドの管理事務所。
“午前9時30分(絶対起こすな)〜午後5時30分”の看板。

トレーラーパークの住人クリスコルが管理事務所の前を通りかかる。
クリスコルは杖をついている。

「クリスコル!」

管理事務所からカールが出てくる。

「もしかしてお前、また血を売っているのか?」
「そうです」
「ああ、確か先週ジェンキンズのところのプロパンガスを交換してくれたよな?」
「しましたけど…」
「手間賃はもらったか?」
「もらってません」
「ここの芝刈りと落ち葉掃除もしてくれただろ?」
「しました」
「手間賃はもらったか?」
「もらってません」
「それじゃあ、クリスコル
その手間賃として、50ドルやる
それと、今月分の家賃は払わなくていいから」
「えっ?」
「もう直ぐ支払日だが、今月分の家賃はいらん
今度から血を売ろうと思った時は
まず俺んとこに相談に来い
俺は嫌いなんだよ
食うために血を売るってのが、どうにもな
確かに病院じゃ血はいるし、献血してくれって言ってるが、お前はもう十分やっただろ」
「やりました」
「血は大事にしろ、クリスコル」
「わかりました」

管理事務所に戻るカール。


※『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の七日間』の時はもっとぶっきらぼうな印象だったカール・ロッド。
今シーズンは、シェリー&ベッキー母娘に対する態度ひとつとっても、とても優しい。

■ラスベガス郊外:ダギー・ジョーンズに自宅

クーパーとサニー・ジムがグローブとボールを持って庭に出てくる。
サニー・ジムがクーパーに向かってボールを投げるが、案の定クーパーは全く反応出来ず、
ボールはクーパーの頭にぶつかる。

※中間地点も折り返して、早3話目なんですが、
いまだに、クーパーは赤ちゃん状態。
いつになったら、あのパリッとしたクーパー捜査官が見られるんだろうか?
ちょっと、心配になってきた…。


ツイン・ピークス:セーラ・パーマーの自宅

スーパーでの騒ぎを聞いたホークがセーラを訪ねてくる。

「やあ、セーラ」
「ホーク」
「顔を見に寄った
古い事件を調べてたら思い出してね」
「それはご親切なことで
大方スーパーでの話を聞いてわざわざ来たんでしょうけど」
「ああ、その件なら聞いたよ
みんな、あんたを心配してる」
「自分に何が起きたかわかんないのよ」
「だが、大丈夫なんだろ?」
「今はなんでもない」

その時、家の奥からガチャガチャと物音が聞こえてくる。

「誰かいるのか?」
「いえ、ただキッチンにちょっとね…」
「大丈夫なのか?」
「まったくもう、なんてイヤな話なんだろ!
ねえ、ホーク」
「セーラ、助けがいる時や、何か必要な時はいつでも電話くれ、いいか?わかったな
どんなことでもだ」
「ありがと」

※キッチンに何が?
何がいるんだ?
怖い!!


ツイン・ピークス

リチャード・ホーンに襲われたミリアム・サリヴァンが入院中の病院。

ミリアムは意識不明の重傷を負っている。


サウスダコタ州バックホー

ホテルのバーでマンハッタンを飲んでいるダイアン。
携帯でメッセージを確認。

Las Vegas ?
ラスベガスは?

ダイアンの返信。

THEY HAVEN'T ASKED YET.
まだ聞いてこない

※バッド・クーパーからのメッセージなのか?
ラスベガスとは、ダンカン・トッドのことを指すのか?


ツイン・ピークス:グレート・ノーザン・ホテル

ベンジャミン・ホーンのオフィスにトルーマン保安官が訪ねて来る。

「おお、フランク、
久しぶりだな、元気だったか?
まあ、座って
それで、どんな用件かな?」
「実は言いづらい話なんだが…
あんたの孫のリチャードがあの男の子をはねて死なせた犯人だった」
「ああ、なんてことを…リチャード…」
「そしてどうやらリチャードはその事故を目撃した女性を殺そうとしたらい
ミリアム・サリヴァン、保育園の先生だ
今、集中治療室に入ってる
彼女、保険に入ってないんだが、手術が必要な状態だ
それで、出来ればあんたになんとか…」
「もちろんだ、もちろんだよ
ちゃんとさせてもらう
リチャードか、あいつはまともだった時がない」
「こんな知らせをすることになって…」
「ハリーもね、君の弟の、
リチャードとは度々揉めてやりあっていたんだよ
何かやらかす度に前よりも悪くなっていって…
ハリーはこのことを?」
「ああ、よく話すからね」
「それで、リチャードは今留置場に?」
「逃走中だ
もし、連絡があったら」
「ああ、いや、それはないな
ほとんど連絡が途絶えてるんだよ
金の援助を断った時から…
ハリーはどうだ?」
「頑張ってるよ、みんな望みを捨ててない」
「もちろんだ
で、その女性は今、病院にいるんだな?」
「ああ」
「集中治療室に?」
「ああ」
「で、男の子の親御さんは?」
「想像している通りだよ」
「ああ、…はあ…
ハリーに送ろうとしてたんだ」
「何を?」
「この鍵だよ、郵便で送られて来た
このタイプの鍵はもう20年以上前から使わなくなってるんだが、これは315号室のだ
つまりこの鍵は、クーパー捜査官が使っていた部屋のものってわけだ
だから、ハリーに持ってて欲しくてね、記念に
もらってくれるかな?」
「ああ、もちろんだよ、俺から渡そうか?」
「ああ、そうだな、喜んでくれるかな?」
「喜ぶよ、不思議なもんだ
クーパー捜査官が関わる古い事件を調べ始めたところでね
ちょうどそこへ、その鍵が20何年の時を超えて現れた」
「ああ、不思議だな」
「ハリーにとっては大切なものだろうから、
きっと喜ぶよ」
「うん」
「すまないな、ベン、こんな知らせを持って来て
だが、会えてよかった
違う状況なら、もっとよかったんだが」
「ああ、もし連絡があったら、すぐに知らせる」
「何か情報が入ったら知らせるよ」
「ありがとな、ハリーに」

そう言って、ベンは保安官に鍵を渡す。

保安官がオフィスを去った後、
入れ替わりにビバリーがオフィスに入ってくる。

「リチャードだった、私の孫だ
あの男の子をひき逃げしたのは」
「お察しします」
「リチャードは父親を知らない」

そう言うと、ベンはビバリーに子供の頃に父親が買ってくれた中古の自転車の話をする。
色を塗り直し、サドルを付け替えた自転車…。

ベンはビバリーにミリアムの治療費の支払いについて指示をする。
ベンの心中を思いやるビバリー

※重傷を負ったミリアムは、かろうじて証言はできた模様。
クーパーが使っていた部屋の鍵も、ハリーの元へ。
すべてが、おさまるべきところへおさまっていく。。。


サウスダコタ州バックホー

ホテルのゴードン・コールの部屋。
ゴードンと妖艶な美女がソファで寄り添い、
ワインを飲んでいる。

そこに、ドアをノックする音。
ドアをノックしたのは、アルバートだった。

「ゴードン、お友達には下で待っててもらえませんか?」

「すまないが、しばらく二人にしてもらえるかな?
バーで待っててくれ」

そうゴードンに言われたフランス人女性は、
妙に勿体ぶって、ゆっくりと身支度を整えている。
そんな彼女を無表情で見つめるアルバート

「彼女はお母さんの友達を訪ねて来た
その娘さんが行方知れずなんだ
母親は“カブ”農場を持ってる
だから彼女に言ったんだ
娘さんは“カブ”バックするって、いずれな」

ようやく女性が去り、ゴードン渾身のギャグ。
しかし、無表情、無反応のアルバート

「彼女にも通じなかった
フランス人とは言葉の壁がある
お前は知ってるか?アルバート
現在、この地球上では6000を越す言語が使われているらしいぞ」

ゴードンとアルバートの間に流れる妙な間。

「何の用だ?アルバート
「ダイアンにメッセージが
“ラスベガスは?”
そに返信が、“まだ聞いてこない”」
「一体何なんだ?
我々がまだ聞いてないことってのは
それを突き止めよう
だが、今夜にところは素晴らしきボルドーワインに戻らせてもらうとしよう」
「何年物ですか?」
「11時5分になる」

ゴードンの聞き違えには慣れているアルバートも固まっている。

「大丈夫か?時々お前のことが心配になる」

※保安官事務所のジェシー、ミッチャム兄弟のところのキャンディ、そしてこのフランス人女性と、妙な間の持ち主を意識的に配置している印象。


サウスダコタ州

連邦刑務所のマーフィー所長の家の前に止まった一台のヴァン。
ヴァンの中にはシャンタルとハッチ夫妻。
ハッチは銃にサイレンサーを取り付けている。

「本気か?」
「本気、拷問なんかしてるヒマない
お腹へったの、さっきバーガーショップあったよね?
早く撃っちゃってよ」
「わかった、そうする
でも脚を狙おうか?
で、拉致ってくれば拷問できるだろう」
「だからお腹へった」
「一応、確認」
「来たよ」

そこへ、マーフィー所長が車で帰宅する。
車を降り、玄関へ向かうマーフィー所長。

ハッチが撃った弾はマーフィー所長の背中に命中。
二発目は立ち上がろうとする所長の後頭部に命中する。
玄関からは所長の息子が飛び出してくる。
父親に駆け寄るまだ幼い息子。

「じゃ、メシ食いに行こう」

さっさと引き上げるハッチェンス夫妻。

※マーフィー所長が殺され、ミスター・ストロベリーと ジョー・マクラスキーの謎は明らかにならないままなのか?


ツイン・ピークス:ジャコビー先生トレーラーハウス

午後7時、Dr.ジャコビー改め、Dr.アンプのインターネット中継が始まる。

中継の内容は毎度同じ、に聞こえるが、
パソコンの前に陣どるネイディーン・ハーレーはDr.アンプに心酔している様子。

「よーくわかったわ、Dr.アンプ」

※Dr.アンプ物言いは少し過剰ではあるけれど、
グローバル企業と政治家が手に手を取って、
庶民を搾取しているという考え方はデヴィッド・リンチ自身のものなんだろうと思う。
泥から掘り出してくれる金色のシャベル、
塗装の手間を考えたら、29ドル99セントというお値段は暴利を貪っているとは言えない値段だよね。


ツイン・ピークス:オードリー・ホーンの自宅

上着を手にかけたオードリーはどこかへ出かけるようだ。

デスクの後ろに座っているのはオードリーの夫、チャーリー。

二人共、むっつり黙り込んでいる。
やがて、オードリーが口火を切る。

「もう、電話が鳴るのを待っているのはうんざり
ロードハウスに行くわ
わかってる、彼はあそこ嫌ってた
でも、他は全部見たし
あなたも一緒に来る?」
「オードリー、この書類の山を見てくれよ
締め切りが迫っている
見ろよ、これだけあるんだぞ
仕事を放り出してこんな遅くに出られないよ
私だってビリーを見つけたい
だが、朝になってからでもいいだろう?
今夜は新月だ、外は真っ暗だぞ
今夜のところはゆっくり眠って
明日一緒に探しに行こう」
「ねえ、あなたってどこまでクソ野郎なの?
自分が行方不明になった時
宿題終わるまで探しに行くの待てって言われたら
どう思う?
あなたって本当、根性なしで、タマなしの負け犬よね
ねえ、わかってる?わかるでしょ、
だってそれ、ホントのことだもの」
「オードリー、締め切りが迫ってる
やらないとまずいんだ
なんで自分に与えられた仕事をするのを責めるんだよ
ビリーはどこかにいるんだろう
でも、今夜見つけるのは無理だ
それは間違いない」
「へー、随分自信あるのねぇ
もしかして水晶の玉でも見てそう言ってるの?
だったら、是非その“玉”に聞いてみてくれない?
2日前から行方不明のビリーが今どこにいるのか?
ほらっ、“玉”に聞いてよ!」
「やめてくれ、水晶の玉なんか持ってない
もうこんな時間だ、眠くなってきた
でも、寝る前に片付けなきゃならない仕事があるんだよ」
「あーら、それはお気の毒さま」
「自分の夫にそういう物言いをするんじゃない
私はいい夫になろうと努めて来ただろう?
君もいつもそう言ってる」
「それがなんなのよ
なーによ、一日中あなたに感謝し続けろって言うの?
ひざまずいて、崇めればいいわけ?」
「オードリー、そういう声の出し方は好きじゃない」
「ねえ、チャーリー
この際、腹を割って言い合いましょうよ
実際あなたには“タマ”がないわよね?
だからあたしはビリーを愛した
だからあたしはヤッてるのよ、ビリーと!」
「オードリー…」
「昨日の夜、ビリーの夢を見たの
彼、鼻と口から血を流してた
夢が真実を告げることってあるでしょう?
あたしは行かなきゃならないの!
あなたに一緒に来て欲しい!
守って欲しいのよ!
でも、そんな臆病者じゃあ
あたしがあなたを守ることになりそうね!
それとティナ!ティナを探さなきゃ!
ビリーに最後に会ったのは彼女なのよ
あたし、あの女とは同じ部屋にいるのも耐えられない
あなたがティナに電話するはずが、
かけてくれないし」
「そんなに怒るなよ、ただ私は君のためを思って…」
「あーら、そう、
だったら渡した書類にさっさとサインしてよ」
「ああ、あれかー、
あの書類はどうも怪しげなところがあってね
弁護士に見てもらってからでないとサインは出来ない」
「そう、わかった
じゃあ、ポールに見てもらおうかしら?
あなたに会いに来るよう、ポール言っておく」
「よせ、オードリー、そのやり方はないだろう
私は法的に君の夫だ、権利があるんだ」
「あなた、権利を放棄した」
「なんだと?まさか我々の契約を破るつもりなのか?
契約だぞ、それを破るつもりか?」
「ええ、破るつもりよ、現に今破ってるし」
「わかったよ、オードリー、一緒に行こう
とても眠いが、一緒に行く
で、どこ行くって?」
「だから、ロードハウスよ、言ったでしょ?」
「ああ、オードリー、とにかく行こう
上着がいるな、君はもう着てるようだけど」
「ええ、そうよ、それがなんだって言うの?
出掛けるって言ったでしょ、当然上着は必要になる」
「外には広大な森が広がってるんだぞ
なあ、本気で思ってるのか?
この家を出て、急いでロードハウスに行けば
そこにはビリーがいるはずだって」
「いいからさっさと、上着を取ってきて!!
クソ野郎!」
「ちょっと待った、ティナだ
彼女に電話してみよう
わかってる、私独りだと言うよ
それで、何か知ってるかどうか確かめよう
ダンナがいたら何も言えないだろうが、
まあ、聞いてみよう、いいね?」
「わかった、あの女に聞いてみて
ビリーに最後に会ったのはティナのはずよ
でもチャックは大分イっちゃってるから
あんまり信用できないかもしれない」
「チャックがビリーに最後に会ったのはティナだと言ったのか?」
「そうよ」
「チャックが先週、
ビリーのトラックを盗んだのは知ってるか?」
「それ何の話?」
「ビリーが出掛けようとしたら
チャックがビリーのトラックに乗って走り去った」
「それで?」
「ビリーは保安官を呼んだ」
「それで?」
「その日の午後、トラックが発見された」
「それでどうなったの?」
「保安官から連絡が来て、
ビリーはトラックを取り戻し、
訴えを取り下げたんだろうね」
「そうなの、わかった、じゃ、ティナに電話して!」

ティナに電話をかけるチャーリー。
ティナとの電話で、
どうやら意外な真実が判明した様子。
しかし、電話を切ったチャーリーはオードリーを見つめるだけで何も言わない。
苛立つオードリー。

「あたしには何も言わない気?
はあ、ホントにあたしには何も言わない気!
チャーリー!!!」

※この一連の会話でわかることを整理。
①オードリーはチャーリーと結婚している。
②チャーリーは不能。
③オードリーとチャーリーは(多分)婚前契約を結んでいる。
④オードリーはビリーと浮気している。
⑤ビリーは2日前から行方不明。
⑥ビリーに最後に会ったのはティナ。
⑦ビリーに最後に会ったのはティナだとオードリーに言ったのはチャック(チャーリー)。
⑧ビリーは、トラックをチャック(チャーリー)に盗まれた。
⑨ビリーはアンディの訪問を受けた後から行方不明。

⑧⑨について、詳しくはこちら👉ツイン・ピークス The Return Episode 7 〈第7話〉 - 極私的映画案内

チャック(チャーリー)は、オードリーの息子だろう。
ベン・ホーンは、チャーリーは父親を知らないと言っていたが、チャーリーの父親は誰なのか?
前シーズン、オードリーが処女を捧げた男ジャックとはどうなったんだろう?
ああ、でもオードリーの25年間は幸せとは言えない25年だったんだろうなあ。
チャーリーの仕事って何?


サウスダコタ州バックホー

ホテルのバー。
カウンターでタバコを吸うダイアン。
ルース・ダベンポートの左腕に書いてあった座標の数字を思い出しながら、地図アプリに数字を入力していく。

ピン📌が示した場所は、
ツイン・ピークス

※やっぱりアルバートが言っていた“北にある小さな町”とは、ツイン・ピークスのことだった!


ツイン・ピークス:ロードハウス

ボックス席の女性二人連れ。
アビーとナタリー。

「ねえ、アンジェラは?」
「全然、わかんない
昨夜も来るはずだったけど、顔を出さなかったし
クラークと一緒じゃない?」
「クラーク?」
「そう、付き合いだしたみたいよ」
「ホントに?」
「うん、何、驚いてる?」
「まあね、だってクラークとメアリーがここで一緒にいるの見たし、2日前だよ」
「あの女!」
「それで?」
「アンジェラもメアリーのこと、マジ嫌ってる!
どんな感じだった?」
「イチャついてたって感じかなあ
ぴったり密着して、スローダンスしてた
あそこの隅っこで二人の世界って感じ
みんなに見られてた」
「いやだ、そんなのちらっとでき聞いたら、
アンジェラ、ブチ切れるよ!
あの子、クラークのこと、真剣なんだから
2週間前からあいつに言い寄られてさ
クラークの夢、見るんだって!」
「まずいね、あいつ、他の夢にも出てるよ」
「アンジェラ、薬飲むのやめたのに
ああ、クラークのせいでぶちこわしかも
アンジェラ、こんなの、耐えられないよ」
「だよね、確かに
アンジェラ、ギリギリだもんね」
「当然だよ、あんな風にママ亡くして」
「ひどすぎ!」
「ねえ」

トリック、登場。

「聞けよ!俺今マジで殺されるところだったから
どっかのクズ野郎がハイウェイで俺の車に突っ込んできてさ!
ヘッドライトが二つ向かって来るのが見えて
気づいたら、道路外れてた
農民が助けてくれたけど
あの野郎、ぶっ殺してやりてえよ!
ビール、飲むわ
お前らも、ないんだろ?
もう一本、いる?」
「うん、飲む」
「よし、待ってろ」
「ありがと」

トリックは、ビールを注文しに行く。

「トリック、マジでヤバかったみたいね」
「みたいだね」
「あの人って自宅拘禁中?」
「違う、いや、そうだったけど、
刑期終わってる、また自由の身だよー」
「自由の身かあ」
「いいねぇ」


今夜のバンドは、再びChromatics。
演奏してる曲『SATURDAY 』はこちら👉CHROMATICS "SATURDAY" TWIN PEAKS: THE RETURN PT. 12 - YouTube


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやく全シーズンのメインキャスターのひとり、オードリー・ホーン再登場!
座標が示すのは、やっぱりツイン・ピークスだったし、
315号室の鍵はハリーの手元に渡りそう。
セーラ・パーマーはこの先、重要な鍵を握りそう。
今エピソード、カイル・マクラクランの出演シーンはたったの数十秒でした。

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト
音楽:アンジェロ・バダラメンディ


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ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

👇前シリーズの謎を解く鍵だった『 ツイン・ピークス ローラの日記』も再販。
旧バージョン持ってたけど、ブックオフに売ってしまった。。。

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

ツイン・ピークス ローラの日記 (角川文庫)

👇オードリー・ホーン役のシェリリン・フェンがワン・シーン出演している『ワイルド・アット・ハート』。
この『ワイルド・アット・ハート』は、
前シーズンと同時期に撮影されていて、
今シリーン出演のローラ・ダーンハリー・ディーン・スタントン、前シーズン出演の故ジャック・ナンスも出演。

👇『ワイルド・アット・ハート』のシェリリン・フェンの出演シーンは、岡崎京子の漫画『エンド・オブ・ザ・ワールド』の中にも登場します。
(表紙が私が持ってるのと違うな)

エンド・オブ・ザ・ワールド (Feelコミックス)

エンド・オブ・ザ・ワールド (Feelコミックス)