極私的映画案内

新作、旧作含め極私的オススメ映画をご案内します。時々はおすすめ本も。

2017-01-01から1年間の記事一覧

ビリー・リンの永遠の一日

このクソったれな世界で 2004年11月25日。 ブラボー分隊の面々を乗せた白いハマー・リムジンはダラス・カウボーイズの本拠地テキサス・スタジアムに向かっている。 イラク、アル・アンカサール運河の戦闘で目覚ましい活躍を見せたブラボー分隊は、現場にFOX…

しあわせへのまわり道

HOW TO DRIVE=HOW TO LIVE 14年前インドから政治亡命してきたダルワーン・シン・トゥールはかつて大学の教師だったが、ここNYでは自動車の教習とタクシー運転手の二足の草鞋を履き、甥プリートのほか、故国から不法入国してきた同胞の面倒をみていた。 あ…

今月の読書 〜2017年3月,4月〜

3月はバカみたいに映画ばっかり観てたというのもあるのですが、読み始めたニコライ・ゴーゴリ『死せる魂』に難儀しまして読了出来ずにそっと図書館に返却、 結局一冊(佐藤亜紀『吸血鬼』)しか読了出来なかったんで4月分と一緒にご紹介。 4月は、サルマ…

ムーンライト

月の光に少年は青く輝く 1. Little リトルみんなからはリトルと呼ばれているシャロンは(時間的に不規則そうな勤務状況とユニフォームから察すると)看護師(あるいは看護助手)の母ポーラと二人暮らし。 ポーラは厳しい生活の中で余裕がないせいなのか、 …

今月の読書 〜2017年2月〜

いつもより短い月にもかかわらずなかなかいいペースで積読本を消化できた2月。 内容的にも、ファン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』、 スティーヴ・エリクソン『ゼロヴィル』、エドゥアルド・ハルフォン『ポーランドのボクサー』の三冊は年間ベスト級の素晴ら…

たかが世界の終わり

彼の不在の意味 物憂げな表情で機上の人となった男。 彼、ルイとって、12年ぶりに里帰りだ。 帰郷の目的は、 自分の死期が近いことを家族に伝えること。実家へは時折旅先から送る絵葉書くらいで一度も帰らなかったルイは、その間に劇作家として成功した。 …

アイアムアヒーロー

俺が君を守る! 新人コミック賞受賞から早13年。 三十代半ばにもなろうというのに鈴木英雄は未だ漫画家アシスタントとして鳴かず飛ばず。 編集者に原稿を見せてはいるものの色よい返事はもらえず、連載はおろか掲載にさえこぎつけられない。主人公がね、な…

今月の読書 〜2017年1月〜

2017年1月の読書は10冊。 一年の始まりとしてはまずまずのペースでした。 しかも、今月はどれもハズレなし! でも、あえて選ぶとすれば、 オススメはジョー・ネスボ『その雪と血を』と アリス・マンロー『ジュリエット』。 特に『その雪と血を』は、…

2016年のオススメ本

新年あけましておめでとうございます。 昨年中は更新も気まぐれな当ブログをお読みいただきありがとうございました。 今年はもう少しコンスタントに更新していきたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。2017年の一回目は 2016年のオススメ…