極私的映画案内

新作、旧作含め極私的オススメ映画をご案内します。時々はおすすめ本も。

ツイン・ピークス The Return Episode 2 〈第2話〉

EPISODE 2


▪️サウスダコタ州バックボーン:バックボーン警察署留置所、ビル・ヘイスティングス

留置場で頭を抱えるウィリアム・ヘイスティングス
面会を許された妻フィリスがやって来る。
弁護士ジョージ・バウツァーからの伝言を伝えるフィリス。

ジョージが保釈は無理だろうって」
「まいった、えらいことになったよ
実は言っておきたいことがあるんだ
部屋には行ってない
でも、あの夜、あそこにいる夢を見たんだ
夢で、俺はルースのアパートにいた」
「行ったはずよ、
その部屋にあなたの指紋があったんだから」
「違う!本当に行ってない!
部屋には行っていないんだよ!
本当だ!誓ってもいい!あれは夢だった!」
「ふざけないでよ!本当にゲスな男!
浮気してるのは知ってたのよ、
もう、ずっと前から分かってたんだから」
「そういうお前はどうなんだよ!
ジョージとの仲を知らないと思ったか?
ヤツの他にもいるんじゃないのか?」
「あんたはもうお終いよ、終身刑は間違いないもの
死ぬまで刑務所暮らしね、
さよなら、ビル」

フィリスはこう捨て台詞を吐き、立ち去る。

「ウソだろ?なんで俺が…
なんで、なんで、こんなことに」

「バレてたわ、見送りはいらない
少ししたら家に来て」

外で待っていたジョージに告げるフィリス。

混乱し、頭を抱えるビル。
一方、ひとつ置いた隣りの房には顔を黒塗りし浮浪者のような格好をした男(Woodsman )の姿。
やがて、その姿は煙のように消える。

自宅に戻ったフィリスを待っていたのは、
何とバッド・クーパーだった。

「ここで何をしてるの?」
「上出来だ、人間の本性をむき出しにしてる
これはジョージの銃だ」

そう言うと、
バッド・クーパーは容赦なくフィリスの顔面を撃つ。


▪️ラスベガス:とある立派なオフィス

ダンカン・トッドロジャーを呼び出し、
札束を渡す。

「採用だと伝えろ」
「トッドさん」
「何だ?ロジャー」
「聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「どうしてあの男の言う通りに、こんなことを?」

ロジャーが尋ねると、トッドはこう答える。

「ロジャー、出来ることならあの男のような奴には関わるな、
君の人生には入れるなよ、ああいう男は」

※トッドもロジャーも“あの男”も一体どんな組織の誰なのか全く不明。
一体どんな仕事に、誰を採用したというのか


▪️サウスダコタ州(あるいは近隣の州):とあるダイナー

踏切の警報が鳴り、遮断機が下りる。
警笛を鳴らしながら電車が通過する。

ダイナーではバッド・クーパー、レイ、ダーリャ、
ジャックが食事中。

「ジャック、よく三人前も食えるな
ダーリャから聞いたんだが、あんた明日が心配らしいな
いや、明後日か」
「俺は心配はしない、何だろうとな」
「なら、よかった」
「明後日までしばらく別行動だ、ひとりで動きたい
お前は人のことより、自分の心配することを覚えろ」
「わかった、何か俺に手伝えることがあったら連絡くれ」
「そりゃ、もちろん連絡する」
「俺は心当たりに聞いてみる、あんたに必要なネタがいいが」
「欲しいんだ、必要なんじゃない
俺に必要なものなど、何一つない
これだけは覚えておけ、俺はそういう人間だ
俺は何も必要とはしていない、欲しいだけ
その情報が欲しいんだよ
ホントにお前しか聞き出せないのか?」
「どうやら相当重要な情報らしいな
心配すんな、ちゃんと、持ってくる」
「確実に信頼の置けるものを」
「彼女はヘイスティングスの秘書だ
情報はすべて握ってる」

ひたすら食べ続けるジャック。

※バッド・クーパーとサウスダコタの殺人事件との関係は?
ヘイスティングスの秘書ベティからどんな情報を聞き出そうというのか?


▪️ツイン・ピークス:森の中

夜の森の中を歩くホーク副署長は丸太おばさんと電話中。

「マーガレット?」
「ホーク、今夜はどこを歩いているの?」
「また君の丸太とわかりあえたようでね
今夜ここで何かが起きるはずだ」
「星々は巡る、そしてその時がやって来る
ホーク、どうか気をつけて」
「そうするよ、マーガレット」
「私は一緒には行けないけれど、うちに寄ってね
コーヒーとパイを用意したの」
「後で行くよ、そろそろらしい」
「お願いよ、後で聞かせて」
「わかった、そうするよ、おやすみ、マーガレット」

ホークは25年前、クーパーがブラックロッジへ姿を消したスズカケの木の場所に辿り着く。
赤いカーテンが現われる。











▪️ブラックロッジ

赤いカーテンの部屋にクーパー捜査官と
“片腕の男”フィリップ・ジェラード

Is it…future…or…is it…past?
これは未来か…それともこれは過去か?
Someone… is…here.
誰かがここにいる。

フィリップが姿を消すと25年後のローラ・パーマーが現われる。

Hello,Agent Cooper.
こんにちは、クーパー捜査官
You can…go out…now.
あなたはもう行っていい
Do you recognize me?
私が誰か分かる?

「君、ローラ・パーマーか?」

I feel like I know her… but sometimes my arms…bend back.
知っている気がするけれど、
私の腕は時々後ろに曲がるの

「君は誰なんだ?」

I am Laura Palmer.
私はローラ・パーマー

「だが、ローラ・パーマーは死んだんだ」

I am dead,but yet I live.
そう私は死んだ、でも生きてる

ローラは顔面を仮面のように外すと、
そこは眩しく発光している。

「いつ出て行けるんだ?」

クーパーが問うと
ローラは彼に歩み寄りキス、何事か耳元で囁く。
絶叫と共に姿を消すローラ。
赤いカーテンが消え、白い馬が姿を現わす。

再び、“片腕の男”フィリップ・ジェラード。

Is it…future or…is it past?
これは未来か?それともこれは過去か?

手招きする片腕の男。
クーパーが後をついて行くと、
そこには頭部のようなものがついた奇妙な木が。

The evolution…of the arm.
そこに立っているのは進化した腕だ

I…am the…arm. And I…sound like…this.
私は腕だ。私はこんな音がする。
Do you…remember…your doppelgänger?
覚えているか?お前のドッペルゲンガーを?

He…must come…back… in…before…you can…go…out.
まず彼が戻らねばならない
そうすればお前が出られる

※“進化した腕”は25年前クーパーが姿を消した森のあの“スズカケ”の木なのか?
ドッペルゲンガー”とはバッド・クーパーのことなのか?
巨人がクーパーに聴かせた音は腕が出す音だったのか?
25年前、ブラックロッジでローラはクーパーの耳元に「私は父に殺されたの」と囁いたが、
今度は何を囁いたのか?


▪️サウスダコタ州


ベンツを乗り換えるバッド・クーパー。
ベンツを車庫にしまったジャックを呼び寄せ、彼の顔面を無言で揉みしだくバッド・クーパー。

夜、モーテルに戻って来るバッド・クーパー。
部屋の下着姿のダーリャは誰かと電話中。

「まずい、あいつが入ってくる、切るね」

部屋に入ってくるバッド・クーパー。

「おかえりなさい」
「誰と話していた?」
「ジャックと、秘書の車、大丈夫だったか聞いてたの」
「何て言ってた?」
「うまくいってるってさ、
なんか嬉しい、ひとりで動くんなら、
当分会えないと思ってたから」
「俺に会えて嬉しいか?」
「すっごくね」
「それはよかった
今日の午後、レイと会うはずだったが、現れなかった」
「そうなの?」
「ああ、お前の45口径はどこだ?」
「ベッドサイドに置いてる」
「そっか」
「どうかした?」
「仕事で使いたいんでね」
「いいよ、好きにして」

ベッドで寄り添う二人。

「ダーリャ、ジャックは死んだぞ
2時間前だ、車の細工が済んだ後にな」

ダーリャは身を振りほどこうするが、逃れられない。

「じっとしてろ、動くんじゃない
いいもの、聞かせてやろうか?ダーリャ
興味深い話だぞ」

そう言って、バッド・クーパーが聞かせたのは、さっきの電話の録音だった。

「ダーリャ、お前か?」
「レイ、一体どこにいるのよ?」
サウスダコタの連邦刑務所だ」
「何で?何やったの?レイ」
「銃を持って州境を越えたらパクられた
よりによってこんな時に」
「どっから、かけてんの?」
プリペイド携帯だ、誰にも聞かれちゃいねえ」
「で、クーパーはどうすんの?」
「ジェフリーズからまた電話があった
明日の夜クーパーが近くにいたら殺せ
お前が殺るんだ、ダーリャ。必ず仕留めろよ」
「やばい!あいつの車だ!最悪!
とにかく、明日の状況次第で、必要ならあたしが殺す
まずい!あたしが入ってくる!切るね」

「あたしを殺すの?」
「ああ、そうだ」

逃げようとするダーリャ。
顔面を殴られたダーリャは泣きだす。

「ダーリャ、誰に雇われたんだ?」
「わかんない…あたし…知らないの
ホントに知らない、レイが知ってる
あたしは何も聞いてない」
「レイが銃の持ち出しで捕まったって話、
信じろって言う気じゃないよな?
ダーリャ、俺を見ろ、
考えてみるのも面白いかもしれん
ゲームは始まった
やつらは何故俺を狙う?」
「訳は知らない」
「俺を殺すといくら手に入る?」
「50万ドルを山分け…
やる気はなかったの、レイに言ったのはウソよ!」
「黙れ、ダーリャ」
「でも、明日はあんた、どこかへ行くんでしょ?」
「明日か?ブラックロッジと呼ばれる場所に戻されるはずだったが、まだ戻れない
ひとつ、計画があるんだ
しかし、レイが刑務所に入ったとなると…
ヘイスティングスの秘書から情報は取れたのか?
レイは座標について何か言ってたか?」
「何なの?それ」
「場所を示す座標だ、数字や文字、
言えば、助かるぞ」
「秘書から何か聞いたってことしか…」

バッド・クーパーはジャケットの内ポケットからトランプのカードをダーリャに見せる。

「これを見せられたことはあるか?
何だかわかるか?ん?前に見たことはあるか?
俺はこいつが欲しいんだよ」

♠️のエース。絵柄は悪魔を思わせる。

「あたしのこと、殺すの?」
「ああ、そうだ」

バッド・クーパーはダーリャを殴って気絶させ、顔に枕を押し付けると、45口径で彼女のこめかみを撃つ。

通信機器と思しきものを取り出すバッド・クーパー。

「フィリップ?」
「遅刻だ」
「止むを得ずな」
「ニューヨークで会いたかったが、
まだバックホーンにいるようだな」
「そっちは今も行方不明か?」
ガーランド・ブリッグス少佐にあったんだろ?」
「何で知ってる?フィリップ?」
「実は別れを言うために連絡した」
フィリップ・ジェフリーズだよな?」
「お前が明日戻るなら、俺はまたボブと共にいよう」
「誰なんだ?」

そこで通信は切れる
バッド・クーパーはFBIのサイトにアクセスし連邦刑務所の情報を手に入れる。
部屋を出ると、隣の部屋をノックするバッド・クーパー。

「誰?」
「俺だ」

部屋には銃を持ったガウン姿の女シャンタル・ハッチェンス。

「6号室を片付けてくれ、きれいにな」
「ダーリャ?それはよかった
あの女見てると、悔しくって」
「亭主、呼んでこい、
二、三日中にお前とハッチである場所に行ってもらう
後で、支持する」
「了解、ボス」
「シャンタル、こっちへ来い」

ベッドに座ったバッド・クーパーに近付くシャンタル。

「うーん、いい感じだな」

※フィリップ・ジェフリーズといえば『ローラ・パーマー最後の七日間』に登場した失踪したFBI捜査官(演じたのは故デヴィッド・ボウイ
レイに電話をかけてきたというジェフリーズとフィリップ・ジェフリーズは同一人物なのか?
シャンタル役は、ジェニファー・ジェイソン・リー


▪️赤いカーテンの部屋

進化した腕のメッセージ。

253
Time and time again.
253
何度も何度も繰り返す
Bob Bob Bob
ボブ ボブボブ
Go now!
さあ行け!
Go now!
さあ行け!


赤いカーテンの廊下を行きつ戻りつするクーパー。
ある場所でカーテンを開けようとするが、開かない。
ソファのある部屋に行き着くと
そこにはローラ父親、亡きリーランド・パーマーの姿がある。

Find…Laura
ローラを探せ

立ち去るクーパー。

進化した腕と一緒にいるフィリップ・ジェラード。

Something 's wrong.
何かがおかしい

My doppelgänger.
我がドッペルゲンガー

クーパーがカーテンを開けると外は真っ直ぐな道路。

クーパーは道路を俯瞰する位置。
一台の車が走って来る。
乗っているのはバッド・クーパー。

non-exist-ent!
存在しない!

進化した腕の絶叫と共に床が揺れ出し、
クーパーはニューヨークの例のあのビルへ。
窓からガラスのボックスに侵入したクーパーは
ボックス内を浮遊する。

そのタイミングはサムがトレイシーを部屋に入れる直前。
クーパーは再び飛ばされる。


▪️ツイン・ピークス:セーラ・パーマー宅

ローラの母親セーラ・パーマーがひとりでテレビを見ている。
相変わらずのヘビー・スモーカー。
テーブルの上の灰皿は吸い殻で溢れている。
メスライオンが草食動物を襲う様子を食い入るように見つめている。


▪️ツイン・ピークス:ロード・ハウス

バンドが演奏中で、混雑した店内。
若い男フレディ・サイクスを連れて店に入ってきたのは、
ローラの秘密の恋人だったジェームズ・ハーリー

「いい店だろ?」
「ほんと、最高じゃない」
「来い、ビールは何にする?」
「ああ、何でもいいよ」

ボックス席にはRRダイナーのウェイトレスだったシェリーの姿がある。
どうやらママ友(?)との女子会中。

「もう、ウチの娘、変な男に引っかかっちゃってー」
「何言ってんの?スティーヴン、人気者じゃない?」
ベッキーのあの顔見れば、わかるの
なんかよくないことになってる」
「娘の人生よ」
「ねっ、あそこ、ジェームズだよ
また、あなたを見てるの?」

ジェームズが見つめているのは、シェリーの隣に座っているレネー

「ジェームズに気に入られた?」
「なんかあやしいのよね」
「あやしくなんてないって、バイクの事故があって
喋らなくなっただけ
ジェームズは変わってないよ、今でもカッコいい」

一方、バーカウンターからシェリーに秋波を送る男レッド

微笑むシェリー。
シェリー達の様子を見て微笑むジェームズ。

※25年前のジェームズは濃い黒髪が印象的な青年だったのでこの坊主頭にはかなり驚かされたが、
シェリーの言うように年齢を重ねたジェームズも素敵!
それにしても、ジェームズの連れに若い男の右手の手袋が気になる。

今夜の、ロード・ハウスのバンドはChromatics

エンディングの曲、Chromatics『SHADOW 』はこちら👉CHROMATICS "SHADOW" - YouTube

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夢の中でルース・ダベンポート部屋行ったというウィル・ヘイスティングスはかつてのリーランド・パーマーのように彼女を殺してしまったにだろうか?
“片腕の男”フィリップ・ジェラードの失われた左腕が赤いスーツの小人だったが訳だが、
更に進化して何と木!
おまけに噛んだガムを丸めたような頭部。
もう情報量が多すぎて何が何やら状態だが、
この翻弄される感じが実は気持ち良かったりする。

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⚫︎ツイン・ピークス The Return (全18回)
TWIN PEAKS THE RETURN
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ,マーク・フロスト


👇前シリーズ『ツイン・ピークスBlu-rayはこちら

👇前シリーズの前日譚『ツイン・ピークス:ローラ・パーマー最期の7日間』Blu-rayはこちら

👇アンジェロ・バダラメンティによるサウンドトラックはこちら

👇『ツイン・ピークス The Return 』のサウンドトラックはこちら

👇ツイン・ピークスの空白の25年間を描いたマーク・フロスト『ツイン・ピークス シークレット・オブ・ヒストリー』はこちら

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー

ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー