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極私的映画案内

新作、旧作含め極私的オススメ映画をご案内します。時々はおすすめ本も。

PK

movie


ただいま、神さま行方不明!


ベルギーに留学中のジャグーは
大ファンの詩人の講演会場へと急いでいた。
しかし、チケットはすでに売り切れ。
詩人の父親と共演する息子の俳優のファンだという青年サルファラーズに半分づつ見ようと持ちかけるが、
二人の持ちあわせを合わせてもダフ屋がふっかけるチケット代には足りない。
それでもどうしても講演を見逃したくないジャグーは見かけたインド人紳士に協力を頼むが、
紳士は自分でチケットを買ってしまう。
結局、講演を見逃してしまった二人だったが、
こうして運命の出会いを果たす。

異国の地で距離を縮めていくジャグーとサルファラーズだったが、二人には乗り越えなければならない壁があった。
サルファラーズはインドとは犬猿の仲の国、
パキスタン人だったのだ。
パキスタン人の恋人なんて
敬虔なヒンズー教徒で何でも導師の言いなりのジャグーの父親が許す筈がない。
既成事実を作ってしまおうと結婚を約束した二人は教会で待ち合わせをするがが、
サルファラーズは姿を現さなかった。

失意のうちに帰国し地元のテレビ局に勤め始めたジャグーは、ある日黄色いヘルメットをかぶりラジカセを持ちビラを貼って回る奇妙ないでたちの男に出会う。
ビラには
神さまが行方不明の文字。
番組で扱うくだらないニュースにウンザリしていたジャグーは神様を探しているという彼に興味を持つが、
“PK”と呼ばれる彼の語る身の上話は到底信じられないものだった。


インド映画のお楽しみ、
歌と踊りももちろんあるし、
ジャグーとサルファラーズのロマンティックな出会いや、
PKがジャグーに寄せる淡い思いなどラブストーリーの要素も持ち合わせつつもこの映画の凄いところは、
神さまは何処に?というあまりにもストレートな問いかけがなされているところだ。
正月には神社で初詣をし、クリスマスを祝い、
教会の結婚式も当たり前で、葬式ではお経をあげてもらうことに何の不思議もない国でなら、
こんな問いかけもさほど問題にはならないだろう。
しかし、ヒンズー教シーク教イスラム教にキリスト教と、それこそ神さまが乱立している国でなされる問いかけとしたら、これはなかなか大胆だ。
実際上映禁止運動を展開する宗教勢力もあったらしい。


PKの願いは故郷に帰ること。
しかし、どんな神に祈りを捧げても
彼の願いは叶わない。
家族の無事、健康、故郷の平和、
信じる神が違っても、
人々が祈ることに大きな差はないのに、
大昔から人間は宗教の違いを理由に争いを繰り返してきた。
この世界を作った創造主が一人(唯一の存在)であるなら、なぜ神は一人ではないのか?
なぜ宗教は一つではないのか?

一体どんな立場の人間(?)ならば、
この問いを投げかけることが出来るのだろう?
どんな考え方にも、
どんな宗教にも毒されていないまっさらな存在。
うまれたての赤ん坊?
それとも、記憶喪失の人間か?
PKをこういう設定にしたのは、
その辺りを考えてのことに違いない。
PKの世界から見れば、厳格な戒律も、
宗教を巡る争いも理解出来ないことばかりだ。

どんな宗教であっても、
共通しているのは人々の祈りだ。
神に祈る人の心は有り様は、
言葉も国も宗教も超えてわかりあえるもの。
PKの問いかけ、PKの姿はそのことを
もう一度私たちに考えさせ、思い出させてくれる。


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●PK/PK(2014 インド)
監督:ラージクマール・ヒラーニ
脚本:ラージクマール・ヒラーニ,アビジャート・ジョーシー
出演:アーミル・カーンアヌシュカ・シャルマ,スシャント・シン・ラージプート,サンジャイ・ダット,ボーマン・イラニ,サウラブ・シュクラ,バリークシト・サーハニー,ランビール・カプール



ラージクマール・ヒラーニ監督の前作『きっと、うまくいく』では40代で大学生を演じたアーミル・カーン、なんと今作では○○○!
彼のルックスがあまりにも○○○らしくて(特にこの大きな耳が!)、ありがちな設定だな〜と一瞬思ってしまったのだが、彼のこの設定には大きな意味があったのだった。
ラストに登場する“お仲間”も耳が大きかった!




インド映画のヒロインといえば、長い黒髪の美女と相場は決まっているが(?)、本作のヒロイン、ジャグーを演じるアヌシュカ・シャルマはショートカットがキュートな美女!
ちょっぴり頑固でめげないジャグーにぴったり!


公式サイトはこちら👉映画『PK』公式サイト


予告編はこちら👉[映画『PK』予告編 - YouTube


👇ラージクマール・ヒラーニ監督の前作『きっと、うまくいく』のDVDはこちら

きっと、うまくいく [DVD]

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