極私的映画案内

新作、旧作含め極私的オススメ映画をご案内します。時々はおすすめ本も。

今月の読書 〜2018年4月、5月〜

今月の読書4月分5月分をお届けします。
ベストは、マイケル・オンダーチェビリー・ザ・キッド全仕事』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』アストリッド・リンドグレーンリンドグレーンの戦争日記1939-1945』ファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』


■屍人荘の殺人/今村昌弘
東京創元社

国内ミステリーは久しぶり。
「デビュー作にして、このミス、本ミス、文春三冠!」という華々しい惹句は読後に知ったが、
正直え〜、これが?って感じ。
夏のリゾート地の若者たち、クローズドサークル、ゾンビ、という枠組みだけがあって、キャラクターの魅力が皆無。
「男勝りの性格」のキャラクターが男言葉で話すって、あまりにも安易だし、登場人物紹介で性格を説明してるのも初めて見たし、語り手が震災を経験してるというのも取って付けたようで、なんとも…。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人


ビリー・ザ・キッド全仕事/マイケル・オンだーチェ
福間健二
白水社(白水Uブックス)
The Collected Works of Billy the Kid:Left-Handed Poems/Micheal Ondaatje/1970

実在したアメリカ西部開拓時代のアウトロービリー・ザ・キッドの架空の人物伝。
太く短く生きたビリー・ザ・キッドをモデルにした多くの映像化作品が存在するが、マイケル・オンダーチェは詩、挿話、インタビューなど様々な形式でその姿を浮かび上がらせる。
その存在自体が詩情をかきたてるのか、詩のパートが特に印象深いが、その人物像と共に、馬の嘶きやひずめの音、吹き付ける土埃、乾いた血のにおいまで漂ってくるような読書体験だった。
オンダーチェの詩集も読んでみたい。
私はこの本を読む前にサム・ペキンパーの『ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯』を観ていたが、「リンカーン郡戦争」については知っておいた方が理解しやすいと思います。

実際のビリーはかなり小柄な人だったらしいが、決して小柄とはいえないクリス・クリストファーソンがビリーを演じるサム・ペキンパー監督による映画化作品はこちら👇

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版 [DVD]

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■地下鉄道/コルソン・ホワイトヘッド
谷崎由依
早川書房
THE UNDERGROUND RAILROAD/Colson Whitehead/2016
ピューリツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク

南北戦争以前に黒人を南部から北部へと逃す組織があったことは何かで読んで知ってはいたが、その組織は“地下鉄道”と呼ばれていた。
作者は文字通り“地下鉄道”を走らせて15歳の少女コーラの逃亡劇を描く。
当時の南部の奴隷農場の過酷さは頁を捲るのを躊躇わせるほどだが、州境を越えれば全く違った環境があるという状況にも驚かされる。
危機を脱したかと思うとまた危機、ストーリーの起伏を作るのもうまいが、脇役の名前が冠された章が印象深い。
その運命を知った後の“シーザー”の章、その運命を知らされる“メイベル”の章。
内面に矛盾を抱えた“リッジウェイ”、“スティーブンス”、“エセル”の章は、当時を生きた人々の姿を重層的に浮かび上がらせる。

「何年も経って、おれはこのごろではアメリカン・スピリットの方がいいと思うようになった。俺たちを旧世界から新世界へと呼び出し、征服し、建設し、文明化せよと呼びかける精神だ。破壊すべきものは破壊せよと。劣等民族の向上に努めよ。向上できなければ従えよ。従えられなければ撲滅せよ。それが神に定められたおれたちの天命ーアメリカの至上命令だ」

リッジウェイはこう語るが、100年以上経った今でもこの“アメリカン・スピリット”を信奉しているアメリカ人は少なくないのかもしれない。

「盗まれた身体が、盗まれた土地で働いている。それは永久機関のような動力だった。空っぽになったボイラーは人間の血で満たす」

こちらは、コーラの目から見たアメリカの姿。

地下鉄道

地下鉄道


■誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?/マイクル・ビショップ
小野田和子訳
国書刊行会
WHO MADE STEVIE CRYE?/Micheal Bishop/1984

この作品には作家としてまだその地位を確立したとは言えない著者自身の不安が反映されているようだが、スティーヴィ・クライにはそれに加えて、夫を失ったという喪失感と早々に病との闘いを諦めてしまった彼に裏切られたという思いがある。
身近な人を亡くすと、表面的には日常を取り戻したように見えても、実は身も心もバランスを失っている。
ティーヴィが置かれているのはそういう状況だ。
そんな時、タイプライターが勝手に文章を綴りだすなんていう超常現象に遭遇すれば、彼女が追い詰められるのは必至。恐ろしい!

誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? (DALKEY ARCHIVE)

誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? (DALKEY ARCHIVE)


■忘れられた花園/ケイト・モートン
青木純子訳
東京創元社
THE FORGOTTEN GARDEN/Kate Morton/2008

一口で言うと、出生の秘密を巡るファミリーヒストリー
“出生の秘密”というと、昼メロ的というか、まあ、かなりありがちな設定だが、祖母のルーツを孫娘が辿るという時代の違い、オーストラリアとイギリスという物理的距離(気候の違い)が奥行きを生んでいて、安っぽい話になっていないところがいい。
2005年、1975年、20世紀初頭とそれぞれの時代のストーリーが錯綜するが、ある章(時代)で提示された謎が次の章(時代)で明かされるという配置になっているのが巧妙で、さほど混乱はない。
ネルの母親は誰か?という謎については思った通りだったが、幼いネルが置き去りにされるまでの経緯には様々な人々の思惑や思いが入り乱れていて、下巻に入ってからは、頁を捲る手を止められなかった。
突き詰めれば、一族の悲劇は、マウントラチェット家の子育て(ライナスの子供時代)に行き着くのかもしれないが、夫に愛されなかったアデリーン、子どもを産むことに執着し夫との間に距離を作ってしまったローズ、愛されたいと願うあまりの脱線が哀しい。
イライザもまたローズとの絆を永遠のものにしたいと秘密の庭を作った。

忘れられた花園 上

忘れられた花園 上

忘れられた花園 下

忘れられた花園 下

忘れられた花園〈上〉 (創元推理文庫)

忘れられた花園〈上〉 (創元推理文庫)

忘れられた花園〈下〉 (創元推理文庫)

忘れられた花園〈下〉 (創元推理文庫)


■湖畔荘/ケイト・モートン
青木純子訳
東京創元社
THE LAKE HOUSE/Kate Morton/2015

1933年、ミッドサマー・イブのパーティーが行われている湖畔荘で起きたエダヴェイン家の末っ子セオの行方不明事件。
70年後、休暇中(謹慎中)の刑事セイディ・スパロウはランニング中に偶然打ち捨てられた湖畔荘の庭に迷い込む。
70年前の幼児行方不明事件、セイディが担当していた(幼児を置き去りにした)若い母親の失踪事件、そしてセイディの過去がリンクしながらストーリーが紡がれる。
前作同様、時代も語りの視点もめまぐるしく変化しながら混乱させない構成力には感心。
誰がセオを連れ出したのか?若い母親は幼い娘を捨てたのか?
“コインシデンス”という言葉が何度も登場するが、さすがにこのオチは“偶然の一致”が過ぎないか?
ちょっと、出来過ぎの感あり。
偶然出会ったアンソニーとエリナは恋に落ちて幸せな結婚をし子供にも恵まれるが、「二人は末永く幸せに暮らしました」で終わるのはお伽話。
現実にはこの時代に生きた人々は二つの大きな戦争によってその人生を大きく変えられた。
多分この一家に起きたようなこと、“家族の秘密”は世界中どこの家族のものであっても不思議はない。
二つの戦争にまたがる時代設定が絶妙でした。

湖畔荘〈上〉

湖畔荘〈上〉

湖畔荘〈下〉

湖畔荘〈下〉


■コドモノセカイ
岸本佐和子編訳
河出書房新社

「コドモノセカイ」が天真爛漫、純粋無垢とは限らない。
ここに収められている物語の中でも子供たちは時に無慈悲で残酷だ。
赤ん坊が理解不能な怪物として描かれる『子供』(アリ・スミス)、欲しくてたまらなかった物が手に入れた瞬間別物になってしまった落胆を思い出させる『靴』(エトガル・ケレット)、十代の肥大した自意識が痛々しい『追跡』(ジョイス・キャロル・オーツ)が印象に残ったが、やっぱりラストの『七人の司書の館』(エレン・クレイジャス)が好き。図書館で本に囲まれて暮らすなんて本好きの夢だよね。
『七人の司書の館』って元ネタは『白雪姫と七人の小人』かしら?ディンジーは七人の司書に育てられた図書館の“白雪姫”。
〈収録作品〉
⚫︎まじない/リッキー・デュコーネイ
ABRACADABRA/Rikki Ducornet/1994
⚫︎王様ねずみ/カレン・ジョイ・ファウラー
KING RAT/Karen Joy Fowler/2010
⚫︎子供/アリ・スミス
THE CHILD/Ali Smith/2008
⚫︎ブタを割る/エトガル・ケレット
BREAKING THE PIG/Etgar Keret/1994
⚫︎ボノたち/ピーター・マインキー
THE PONES/Peter Meinke/1986
⚫︎弟/ステイシー・レヴィーン
THE TWIN/Stacey Levine/1993
⚫︎最終果実/レイ・ヴクサヴィッチ
FINALLY FRUIT/Ray Vukucevich/1997
⚫︎トンネル/ベン・ルーリー
THE TUNNEL/Ben Loory/2011
⚫︎追跡/ジョイス・キャロル・オーツ
STALKING/Joyce Carol Oates/1974
⚫︎靴/エトガル・ケレット
SHOES/Etgar Keret/1994
⚫︎薬の用法/ジョー・メノ
THE USE OF THE MEDICINE/Joe Meno/2005
⚫︎七人の司書の館/エレン・クレイジャズ
IN THE HOUSE OF SEVEN LIBRARIANS/Ellen Klages/2006

コドモノセカイ

コドモノセカイ


リンドグレーンの戦争日記1939-1945/アストリッド・リンドグレー
石井登志子訳
岩波書店
KRIGSDAGBOCKER 1939-1945/Astrid Lindgren/2015

子供の頃にピッピやカッレ君、ロッタちゃんといったリンドグレーンのキャラクターに親しんだ本好きは少なくないだろうが、1939年第二次大戦開戦時、彼女はまだ作家デビュー前、二人の子供の母親で弁護士事務所の事務員だった。
これはドイツがポーランドに侵攻した日から終戦までの彼女の日記。
幸いスウェーデンは戦場にならず、彼女は手紙検閲局で仕事をすることで戦争当事国の国民より情報にアクセスしやすい立場にあった。
ドイツに占領された北欧諸国についての記述が多いが、ヨーロッパの戦局がどう推移していったのかとてもわかりやすい。
ノルマンディ上陸やダンケルク撤退、スターリングラードの攻防など映画や小説 などで局地的なエピソードに触れる機会は多いが、前後にどんな出来事があったのか時系列で繋げられないことがままあったので、個人的にとても有り難い本だった。
隣国が戦火に覆われ人々が苦しんでいるのに、自分たちはほぼ変わらない生活を続けられている、苦しんでいる人々に何も出来ないという罪悪感、不甲斐なさが日記の執筆動機になっているのだろうが、スウェーデンもいつ戦争に巻き込まれてもおかしくなかった。
スウェーデンはよく踏み止まり中立を保ったなと思うが、スウェーデン以外の北欧諸国は軒並みナチスドイツに占領された。
中でも、フィンランドソ連に無理難題を押し付けられやむなくドイツと手を組むしかなかった。
リンドグレーンナチスドイツの暴虐に対する怒りの一方で、ソ連を同じくらい恐れていたのが印象的。



■ミレニアム5復讐の炎を吐く女/ダヴィド・ラーゲルクランツ
ヘレンハルメ美穂、久山葉子訳
早川書房
MANNEN SOM SÖKTE SIN SKUGGA/David Lagercrantz/2017

スティーグ・ラーソンからダヴィド・ラーゲルクランツへバトンタッチ後、二作目となる「ミレニアム」シリーズ。
前作の事件後、服役することになってしまったリスベット。
今作は服役中のリスベットの元に元後見人パルムグレンが不自由な身体をおして面会にくる場面から始まる。
リスベットの過去に隠された謎がストーリーのメインになりそうだが、邪悪な双子の妹の影、家族に抑圧されるバングラデシュ系の若い女性、高いI.Qと聴覚過敏という証券会社の若き幹部が絡んでくる。
ここまでは、ラーゲルクランツ版「ミレニアム」としてこなれてきた印象。
同じ“双子”でも、メインはレオとダンの“双子”。双子の兄弟がいるとは知らずに育った二人が偶然再会し、二人はなぜ引き裂かれたのかを探るというストーリーが核となっている。
それ自体はなかなか面白いストーリーになっているが、前半は服役していたということもありリスベットの活躍には物足りなさも感じる。
ラーソンの三部作と比べてしまう人が少なくないのは仕方ないが、二時間サスペンス的な告白に頼る謎解きも少なくなっているし、ラーゲルクランツは大分フィクションに慣れてきたと思う。リスベットの活躍は次作に期待します。

ミレニアム 5 上: 復讐の炎を吐く女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-3)

ミレニアム 5 上: 復讐の炎を吐く女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-3)

ミレニアム5 下: 復讐の炎を吐く女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-4)

ミレニアム5 下: 復讐の炎を吐く女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-4)


ピアノソナタ/S・J・ローザン
直良和美訳
東京創元社創元推理文庫
CONCOURSE/S.J.Rozan/1995

中国系アメリカ人リディア・チンと半分アイルランド人ビル・スミスが活躍する探偵ものの第二弾はビルの一人称のストーリー。
リディアがメインだった前作では触れられなかったビルの過去が少しづつ明かされる。
元海軍の中年男ビルがピアノを弾く!それもバリバリのクラシック!もうそれだけで個人的にはウットリだが、今作に登場するビル、リディア以外のキャラクター造形も素晴らしい!
ビルの恩人で依頼人のボビー、ギャングを抜けたカーター、元ピアノ教師のアイダと相棒ショーン。
そして、リンフォースとスネークのラストシーン、泣けました。

ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)

ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)


■野蛮なアリスさん/ファン・ジョンウン
斎藤真理子訳
河出書房新社
SAVAGE ALICE/Hwang Jung-enn/2013

都市近郊の架空の街コモリ。
地名の由来は“墓”。
今、多くの人が行き交う四つ角に立つ女装のホームレス、アリシアが生まれ育った街だ。
アリシアが暮らしていた頃、その街は再開発計画に揺れ、人々の欲望と思惑が渦巻いていた。
朝鮮戦争で家族を失い貧困から這い上がった年老いた父親、父親を嫌い家に寄り付かない異母兄姉、満足な教育を受けさせてもらえなかった恨みつらみを子供たちにぶつける母親。
終わりのない穴を落ち続ける少年アリスアリシアとその弟。
「兄ちゃん」とお話をせがむ弟の声が耳から離れない。
間違いなく年間ベスト級の一冊。

「 まだ落ちてて、今も落ちてるんだ。すごく暗くて長い穴の中を落ちながら、アリス少年が思うんだ、僕ずいぶん前に兎一匹追いかけて穴に落ちたんだけど……どんなに落ちても底につかないな……ぼく、ただ落ちている……落ちて、落ちて、落ちて……ずっと、ずっと……もう兎も見えないのにずっと……って考えながら落ちていくんだ。いつか底に着くだろう、そろそろ終わるだろうって思うんだけど終わらなくて、終わんないなーって、一生けんめい考えながら落ちていったんだよ。」

野蛮なアリスさん

野蛮なアリスさん


■湖畔の愛/町田康
新潮社

湖畔の老舗ホテル九界湖ホテルを舞台にした連作。
経営不振に陥るホテルに救世主現る『湖畔』、その幸福感が災害レベルの雨をもたらす難儀な美女にまつわるホラー風味の『雨女』、「卒業したことが逆に重い十字架」レベルの六流大学演劇研究会のイケメンサラブレッドとさえない天才との「才能に対する極度の偏愛」を持つ超絶美女を巡る闘いを描く『湖畔の愛』。
一行先はどこへ行くのか予測不能な作風が町田康の真骨頂だが、その意味で本領発揮と言えるのは、やはり『湖畔の愛』か。
舞台がホテルに限定されるので、三幕ものの舞台劇風味もあり。
〈収録作品〉
⚫︎湖畔
⚫︎雨女
⚫︎湖畔の愛

湖畔の愛

湖畔の愛


■白骨〈犯罪心理捜査官セバスチャン〉/M・ヨート&H・ローセンフェルト
ヘレンハルメ美穂訳
東京創元社創元推理文庫

トレッキング中の観光客に偶然発見された六体の白骨遺体。
彼らが殺されたのは2003年、二つの偽名を使った女が関わっているらしいと判明するが、それ以上のことは上巻では明らかにならず。
殺人特別捜査班それぞれが抱えるプライベートの問題にページ数の多くがさかれている。
現実には警察関係者にだってプライベートはある訳だが、みんなもっと事件に集中しようよ!と心の中で叫ながら上巻読了。セバスチャンの自己中ぶりは相変わらずで、今回も実の娘ヴァニヤと距離を縮めようと腐心するが、それにもう一人の娘をダシに使うのはどうなのよ?
セバスチャンが悪いのは悪いんだけど、「セバスチャンが自分を追い出すなんてありえない」→「セバスチャンが自分を追い出すなんて許せない」→「セバスチャンは自分を追い出していない」こういう曲解を駆使して自分に都合が悪いことは一切認めないっていうエリノールみたいな人って本当に厄介だと思う。
『犯罪心理捜査官セバスチャン』シリーズだよね?と確認したくなる程3作目となる今作のセバスチャンは、ほぼヴァニヤのアメリカ行きの阻止工作しかしていない。
一方、ヴァニヤも養父の逮捕や病気、アメリカ行きの頓挫など、事件以外の個人的事情に振り回され、捜査にはほとんど加わっていないという展開。
肝心の事件は、9.11から2年後というの一種異常な状況下で起きている。
多分、この時期のヨーロッパではどこも多かれ少なかれ「テロリストを探せ!」という号令の下非常に神経質になっていたんだろう。
そして、またしてもクリフハンガー

白骨〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

白骨〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

白骨〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

白骨〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)