ザ・フューチャー
残り1ヶ月の猶予期間
怪我をした野良猫を助けシェルターに運んだ30代のカップル、ソフィーとジェイソン。
二人は、このままでは猫は処分されてしまうと知り、引き取ることにする。
猫を飼うことになったら、今までのような自由気ままな生活は出来なくなると考えた二人は、引き取るまでの1ヶ月の間にやりたい事をやろうと決め、仕事も辞めてしまう。
子供たちにダンスを教えていたソフィーは30日で30のダンスの動画を投稿、
ジェイソンは環境保護団体のボランティアとして木の訪問販売をすることにするが…。
猫のパウパウが願うのは、
ソフィーとジェイソンのペットになること。
もうひとりぼっちで過ごさなくてもいい夜。
しかし、人間二人は、
何かもっと意味のあるもの、
何かもっと大切なものを求めて、
今そこにすでにあるものの存在、
大切さに気付くことが出来ない。
もっと賢くなりたかった。
もっと稼いで
リッチになっているはずだった。
今頃は何事かを成し遂げているはずだった。
焦りとプレッシャーが
二人を追い立てる。
彼等二人のやっていることは少し、
いや、相当ズレているかもしれない。
でも、彼等の抱いている
まだ何も成し遂げていない
という焦燥感や空回り感は痛々しくもリアルで、
とても他人事とは思えない。
退屈で変わりばえのしない日々の愛おしさに気付いた時、それを取り戻すことは出来るのか?
今が最悪の時?
時にひどい事もしてしまうという
二人の「はじまり」はまだ終わっていないのか?
小説家でもあるミランダ・ジュライの映像作品は、彼女の物語世界を映像で表現したらこうなります、という印象の作品。
ふわっとした空気が漂う中で、
心がヒリヒリするようなリアリティ。
彼女の小説同様、響く人、響かない人に分かれるタイプの作品かもしれないが、私の心には響いた。
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ザ・フューチャー/THE FUTURE
(2011 ドイツ/アメリカ)
監督・脚本:ミランダ・ジュライ
出演:ハミッシュ・リンクレイター,ミランダ・ジュライ,デヴィッド・ウォーショフスキー,イザベラ・エイカーズ,ジョー・パターリク
ジェイソンを演じたハミッシュ・リンクレイターはアーロン・ソーキンのドラマ『ニュースルーム2』で野心的なシニア・プロデューサーを演じているが、そちらとは、まったく印象が違う。これからは『ニュースルーム2』の彼もちょっと優しい目で見てしまいそうだ。
予告編はこちら👉映画『the Future ザ・フューチャー』予告編 - YouTube
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